RTX 4060 Tiと組み合わせるゲームに最適なCPUは何がおすすめ?実際に検証してみた!

RTX 4060 TiはRTX40シリーズのエントリークラスGPUとして今でも人気が高いです。
RTX 4060より性能が良く、フルHD解像度でのプレーに最適なGPUです。
BTOショップでもRTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCを15万円前後で売り出していることもあり、総じてコスパが高い印象です。
ただ問題となるのが組み合わせるCPUです。
RTX 4060 TiはエントリークラスのGPUなので、CPUの性能が低くても問題はないという意見も散見されます。
そこで今回は合計8種類のCPUを使って、RTX 4060 Tiと相性のいいCPUは何か、検証したいと思います。
検証環境について

今回使用するCPUは下記の8種類です。
- Ryzen 7 7800X3D
- Ryzen 7 7700
- Ryzen 5 7500F
- Ryzen 7 5700X
- Ryzen 5 4500
- Core i7-14700F
- Core i5-14400F
- Core i5-12400
今回はBTOショップのRTX 4060搭載ゲーミングPCによく採用されているCPUを選択しました。



テスト機材の環境は以下の通りです。
CPUの動作は、一般的なBTOのゲーミングPCと同じく、標準設定のままです。オーバークロックや電力制限解除の設定は一切行いません。
なお、Core i7-14700F、Core i5-14400F、Core i5-12400に対しては最新のマイクロコード0x12Bを適用してから検証を行います。
また、Resizable BARは有効にしています。
AMD(Socket AM5)テスト機材 | インテルテスト機材 | AMD(Socket AM4)テスト機材 | |
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PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX レビュー記事 | ADATA VALOR AIR レビュー記事 | Thermaltake S100 TG レビュー記事 |
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電源プラン | バランス |

検証で使用したRTX 4060は、「MSI GeForce RTX 4060 Ti VENTUS 2X BLACK 8G OC」です。
Cinebench 2024

ゲーム性能を検証する前に、CPUコアの純粋な性能を測るため、CINEBCHの最新バージョン、CINEBECH 2024を実行します。
マルチスレッド性能を計測する「マルチ」と、シングル性能を計測する「シングル」を実行しました。
マルチでは、Core i7-14700Fが「1,230」を記録し、Ryzen 7 7800X3Dを約14%上回りました。
シングルでは、Core i7-14700Fが「121」を記録し、Ryzen 7 7800X3Dを約10%上回りました。
20コア28スレッドあるCore i7-14700Fのマルチ性能が優秀なのは初めからある程度理解していたものの、シングル性能でも、Zen 4アーキテクチャーのRyzenを上回ったのは印象的でした。
3DMark Fire Strike

3Dベンチマークの定番、「3DMark Fire Strike」を実行します。
Direct X11を使用する「Fire Strike」のテスト解像度は1,920×1,080ドットなので、CPUの違いによる差がでやすいです。
総合スコアでは、Ryzen 7 7800X3Dが「30,730」を記録しましたが、Core 7 7700、Core i7-14700Fとほぼ同等のスコアです。
一方、総合スコアの最下位はRyzen 5 4500で、「24,848」を記録しました。
ゲーム性能を検証
ここからはゲーム性能を検証します。
検証するゲームタイトルは下記の10タイトルです。
- 【軽量級】Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
- 【中量級】Fortnite
- 【中量級】Forza Horizon 5
- 【中量級】Deus Ex: Mankind Divided
- 【中量級】Shadow of the tomb raider
- 【中量級】Far Cry6
- 【中量級】ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー
- 【重量級】Cyberpunk 2077
- 【重量級】Assassin’s Creed Mirage
- 【重量級】Watch Dogs: Legion
【軽量級】Tom Clancy’s Rainbow Six Siege

・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・スケーリング:100%
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Core i7-14700F、Core i5-14400F、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 7 7700、Core i5-12400、Ryzen 5 7500Fが平均291fps~平均296fpsで、横並びでトップです。
一方、Ryzen 5 4500、Ryzen 7 5700Xに関しては、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度、4K解像度ではほとんど差がありません。
【中量級】Fortnite

・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
※有志の方が作ってくれたベンチマークモードで計測。常に爆発エフェクトが発生し、負荷は重め。

フルHD解像度では、Ryzen 7 7800X3Dが平均249fpsでトップです。2番手のCore i7-14700Fを約11%上回ります。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度でも同じような傾向ですが、4K解像度では差はほとんど見られませんでした。
【中量級】Forza Horizon 5

・画質:エクストリーム
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
・フレーム生成:DLSS FG
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Core i7-14700F、Core i5-14400F、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 7 7700、Core i5-12400、Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 7500Fが平均133fps~平均135fpsで、横並びでトップです。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度、4K解像度でもRyzen 5 4500のみ平均fpsの伸びはイマイチでしたが、他のCPUでは差がほとんどみられませんでした。
【中量級】Deus Ex: Mankind Divided

・画質:ウルトラ
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Core i7-14700F、Core i5-14400F、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 7 7700、Core i5-12400、Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 7500Fが平均132fps~平均137fpsで、横並びでトップです。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度、4K解像度ではほとんど差がありません。
【中量級】Shadow of the tomb raider

・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Ryzen 7 7800X3Dが平均232fpsでトップです。2番手のCore i7-14700F、Ryzen 7 7700を約14%上回ります。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度でも同じくRyzen 5 4500の低調ぶりが目立ちますが、4K解像度では差はほとんど見られませんでした。
【中量級】Far Cry 6

・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:FSR 1.0 バランス
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Ryzen 7 7800X3Dが平均190fpsでトップです。2番手のCore i7-14700Fを約16%上回ります。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度、4K解像度でも同じくRyzen 5 4500の低調ぶりが目立ちます。
【中量級】ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー

・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSS
・フレーレートしきい値:常に適用
※ベンチマークソフトで計測

フルHD解像度では、Ryzen 7 7800X3Dが平均209fpsでトップです。Core i7-14700Fを約9%上回ります。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度でも同じくRyzen 5 4500の低調ぶりが目立ちますが、4K解像度では差はほとんど見られませんでした。
【重量級】Cyberpunk 2077

・画質:ウルトラ
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
・フレーム生成:DLSS FG
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Core i7-14700F、Core i5-14400F、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 7 7700、Core i5-12400、Ryzen 7 5700X、Ryzen 5 7500Fが平均195fps~平均199fpsで、横並びでトップです。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度、4K解像度ではほとんど差がありません。
【重量級】Assassin’s Creed Mirage

・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 7 7700、Core i5-14400Fが平均137fps~平均142fpsで横並びでトップです。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度でも同じくRyzen 5 4500の低調ぶりが目立ちますが、4K解像度では差はほとんど見られませんでした。
【重量級】Watch Dogs: Legion

・画質:最大
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
※ベンチマークモードで計測

フルHD解像度では、Ryzen 7 7800X3D、Core i7-14700F、Ryzen 7 7700、Core i5-14400Fが平均119fps~平均126fpsで、横並びでトップです。
一方、Ryzen 5 4500のみ、他のCPUと比べると平均fpsは一段階低いです。
WQHD解像度でも同じくRyzen 5 4500の低調ぶりが目立ちますが、4K解像度では差はほとんど見られませんでした。
全10ゲームの平均fps

今まで検証したゲーム10タイトルの平均fpsを各解像度ごとにまとめたものです。
最も優秀なのはRyzen 7 7800X3Dで、次点にCore i7-14700F、Ryzen 7 7700が続きます。
一方、2番手グループに、Core i5-14400F、Ryzen 5 7500Fが来ますが、差はほとんどありません。
平均fpsの伸びが最もイマイチなのはRyzen 5 4500でした。
4K解像度では差がなくなりますが、フルHD解像度、WQHD解像度ではRyzen 5 4500の平均fpsの伸びの悪さが目立っ得ちます。
RTX 4060 Tiに最も最適なCPUは?

RTX 4060 Tiの性能を最も引き出してるのは、「Ryzen 7 7800X3D」です。
ゲームによっては独走状態で他のCPUを寄せ付けない強さを発揮します。
ただ、ゲームによっては、GPUボトルネックを起こすことも多々あり、正直、RTX 4060 Tiとの組み合わせにおいては力を持て余している印象があります。
「Core i7-14700F」、「Ryzen 7 7700」も同様です。
じゃあ、RTX 4060 Tiに最も最適なCPUは何か?


自分なら「Ryzen 5 7500F 」、「Core i5-14400F」をおすすめします。
この両CPU、RTX 4060 Tiと組み合わせた場合のゲーム性能はほとんど互角です。CPU単体の価格が安い割にRTX 4060 Tiの性能を効率よく引き出しています。
この両CPUとRTX 4060 Tiの組み合わせはバランスが良く、いわゆるコスパの高いゲーミングPCを構成できます。
あらためて、当サイトでは、RTX 4060 Tiに最も最適なCPUは「Ryzen 5 7500F 」、「Core i5-14400F」と結論づけたいと思います。

「Ryzen 5 7500F」は単体で販売されておらず、日本では事実上BTOに組み込まれています。性能はほぼ「Ryzen 5 7600」と同一です。



