RTX 40シリーズの中でも、特に人気が高いのは、RTX 4070とRTX 4060 Tiです。どちらもミドル~ハイクラスのGPUですが、価格差は約2万円と微妙な差があります。
性能と価格のバランスを考えて、どちらのビデオカードを選ぶべきか迷っている方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事ではゲームベンチマークを実際に実行し、ゲーム性能を比較検証したいと思います。
RTX 4070とRTX 4060 Tiの仕様を比較
RTX 4070 | RTX 4060 Ti | |
---|---|---|
CUDAコア数 | 5,888 | 4,352 |
ベース/ブーストクロック | 1920MHz / 2475MHz | 2,310MHz / 2,535MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6X 12GB(192bit) | GDDR6 8GB/16GB(128bit) |
レイトレーシングコア(RTコア) | 46(第3世代) | 34(第3世代) |
Tensorコア | 184(第4世代) | 136(第4世代) |
NVIDIAアーキテクチャー | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
NVIDIA DLSS | 3 | 3 |
NVIDIA Encoder(NVENC) | 第8世代×1 | 第8世代×1 |
AV1エンコード/デコード | 〇/〇 | 〇/〇 |
グラフィックスカード電力(W) | 200 | 160/165 |
システム電力要件(W) | 650 | 550 |
必須の電源 | 8ピン×2(×1の場合も) または300W以上の12VHPWR×1 |
8ピン×1 または300W以上の12VHPWR×1 |
参考価格 ※2024年3月現在 |
83,000円 | 57,373円(8GB版) |
まず仕様を比較します。
CUDAコア数、メモリバス幅など、3Dグラフィックス性能に直結するスペックに関しては、RTX 4070がRTX 4060 Tiを上回っています。
ただ、RTX 4060 TiはVRAM容量が8GB版と16GB版と2種類あり、16GB版であれば、VRAM12GBのRTX 4070を上回ります。
グラフィックスカード電力(W)を比較すると、RTX 4070の方がRTX 4060 Tiと比べて40W多くなっています。
DLSS3(DLSS FG)、AV1エンコード/エンコードに対応等、それ以外の仕様はほとんど同じです。
RTX 4070とRTX 4060 Tiのゲーム性能を比較
検証環境
検証環境 | |
---|---|
CPU | インテル 「Core i5-14600KF」 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
ビデオカード | GAINWARD「GeForce RTX 4070 Ghost」 MSI「VENTUS 2X BLACK 8G OC」 |
マザーボード | GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」 |
メモリ | Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2) (DDR5-4800に設定) |
SSD | Kingston「NV2 SSD 2TB」 Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 |
電源ユニット | Corsair「RM750e」 |
PCケース | XPG「VALOR AIR JP2」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
ここからは実際にRTX 4070とRTX 4060 Ti(8GB版)をパソコンに組み込んで性能をチェックします。
CPUにCore i5-14600KFを使用します。インテル第14世代のCPUで、Pコアが6つ、Eコアが8つ、計14コア20スレッドのCPUです。
アーキテクチャーに「Raptor Cove」を採用し、さらにL2キャッシュの量も24MBと多く、ゲーム性能が高いCPUとなっています。
基本性能を定番ツールで計測
まず「3DMark」のラスタライズ系の結果です。
Fire Strikeでは約9.5%、Time Spyでは約23%、Time Spy Extremでは約24.9%、RTX 4070がRTX 4060 Tiに対して上回っています。
次はレイトレーシング系です。
Port Royalでは約31%、Speed Wayでは約31%、RTX 4070がRTX 4060 Tiに対して上回っています。
フルHD解像度のゲーム性能
ここからは実際にゲームベンチマークを実行してパフォーマンスを計測し、平均FPSを比較します。なおゲームのグラフィックス設定はすべて最高設定です。
フルHD解像度の軽量級ゲームでは20~70fpsくらいの差がついています。特に「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」では約70fpsと大きな差がついています。
フルHD解像度の中量級ゲームでは30~50fpsくらいの差がついています。特に「COD MW3」では約50fpsと大きな差がついています。
フルHD解像度の重量級ゲームでは10~20fpsくらいの差がついています。
WQHD解像度のゲーム性能
WQHD解像度の軽量級ゲームでは30~50fpsくらいの差がついています。特に「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」では約50fpsと大きな差がついています。
WQHD解像度の中量級ゲームでは25~35fpsくらいの差がついています。特に「COD MW3」では約50fpsと大きな差がついています。
WQHD解像度の重量級ゲームでは20~30fpsくらいの差がついています。
4K解像度のゲーム性能
4K解像度の軽量級ゲームでは20~30fpsくらいの差がついています。
4K解像度の中量級ゲームでは20fpsくらいの差がついています。
4K解像度の重量級ゲームでは5~20fpsくらいの差がついています。
レイトレ+DLSSのゲーム性能
「CyberPunk2077」をフルHD解像度レイトレウルトラに設定し、DLSSを設定しない状態と、DLSSバランス+DLSS FGをオンの状態で平均FPSにどれくらいの差があるのか検証します。
RTX 4070、RTX 4060 Tiともに、DLSSとDLSS FGの両方を有効にすることで平均FPSが2倍以上に伸びています。
DLSSとDLSS FGが設定できるゲームであれば、RTX 4070、RTX 4060 Tiともに大幅な性能アップが望めます。
RTX 4070とRTX 4060 Tiのグラフィックスカード電力(W)を比較
グラフィックカード電力(W)はHwinfoを用いて、アイドル時と3DMarkのTimeSpy実行中の消費電力を計測します。
高負荷時の最高値を見ると、RTX 4070のほうがRTX 4060 Tiに比べて約40Wほど消費電力が高い傾向です。
RTX 4070とRTX 4060 Ti、結局どっちがおすすめ?
全10ゲームのベンチマークを検証してきましたが、各解像度の全ゲームの平均FPSをグラボごとにまとめたのが以下の表です。
RTX 4070 | RTX 4060 Ti | |
---|---|---|
フルHD解像度 | 191FPS | 156FPS |
WQHD解像度 | 139FPS | 106FPS |
4K解像度 | 76FPS | 55FPS |
フルHD解像度では約35FPS、WQHD解像度では約33FPS、4K解像度では約21FPSの差が開きました。やはり、RTX 4070とRTX 4060 Tiの性能差は大きいです。
ただ、フルHD解像度に限れば、軽量級のゲームであれば、RTX 4060 Tiでも最高設定で平均200FPSに達しているので、人によってはRTX 4060 Tiで十分かもしれません。
一方、RTX 4070はフルHD解像度向けというより、WQHD解像度向けの性能です。また中量級ゲームまでであれば、4K解像度でのプレーも十分可能です。
より高解像度でのゲームを考えているのなら、RTX 4060 TiよりRTX 4070を選ぶことをおすすめします。
RTX 4070搭載おすすめゲーミングPC
iiyama PC LEVEL-M17M-124F-TLX-BLACK
スペック | |
---|---|
CPU | Core i5-12400F |
GPU | RTX 4070 |
CPUクーラー | トップフロー空冷クーラー |
メモリ | 16GB (8GB x2) DDR5-4800 |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 2基(空きスロット1) |
マザーボード | B760チップセット |
ネットワーク | 有線:1Gbps LAN |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
ケース寸法 | 幅(W):約220mm x 高さ(H):約441mm x 奥行(D):約411mm |
保証 | 1年 |
納期 | 5~10日 |
価格 | 179,800円+送料0円 |
パソコン工房の「iiyama PC LEVEL-M17M-124F-TLX-BLACK 」はCore i5-12400F×RTX 4070のゲーミングPCです。
Core i5-12400Fは6コア12スレッドのインテル第12世代のCPUで、Eコアはありません。Eコアはないといっても性能は決して低くなく、ゲーミング性能はEコアがついているCore i5-14400と大差ありません。
ただ、RTX 4070との組み合わせにおいては若干の性能不足を感じるかもしれません。
Core i5-12400Fのゲーム性能は以下のページにて検証しています↓。
ストレージは500GBモデルを搭載。複数のゲームをインストールするとストレージ容量不足に陥るので、出来れば1TBへのカスタマイズをおすすめします。
マザーボードはM-ATXサイズのB760チップセットのものを採用。M.2スロットは2基あり、空きスロットは1基あるのでM.2 NVMe SSDの増設が可能です。
メモリはDDR5-4800の16GB(8GB×2)を搭載しています。
ネットワークは有線の1Gbps LANを搭載。
このモデルはコスパに優れたLEVELθ(レベル シータ)に属しています。PCケースにはThermaltake製のミニタワーケース「S100 TG」をベースとしたオリジナル筐体を採用。スイングドア方式を採用した強化ガラス製サイドパネルが特徴のPCケースです。
標準でLEDケースファンが搭載されているので、ガラスパネル越しにライティングを楽しむことができます。
なおこのモデルはスペック、価格は同じで、以下の4種類のカラーで展開されています。それぞれPCケース、LEDファンの色が異なります。
ケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約441mm x 奥行(D):約411mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 M.2 NVMe SSDの増設が可能 PCケースの色を4種類から選ぶことが可能 観音開きで内部に簡単にアクセス可能 | ストレージの容量が500GB |
価格は17万円代!RTX4070搭載モデルとしては破格の安さです。
iiyama PC LEVEL-M1A6-R75F-TLX-BLACK
スペック | |
---|---|
CPU | Ryzen 5 7500F |
GPU | RTX 4070 |
CPUクーラー | トップフロー空冷クーラー |
メモリ | 16GB (8GB x2) DDR5-4800 |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 1基(空きスロット0) |
マザーボード | A620チップセット |
ネットワーク | 有線:1Gbps LAN |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
ケース寸法 | 幅(W):約220mm x 高さ(H):約441mm x 奥行(D):約411mm |
保証 | 1年 |
納期 | 5~10日 |
価格 | 189,800円+送料0円 |
パソコン工房の「iiyama PC LEVEL-M1A6-R75F-TLX-BLACK
Ryzen 5 7500Fは6コア12スレッドのCPUです。Ryzen 5 7600から内蔵GPUをなくしたCPUといえます。
最新のZEN4アーキテクチャーを採用していることもあって、ゲーム性能は競合のCore i5-14400やRyzen 7 5700Xより優れています。
RTX 4070の性能をしっかり引き出してくれます。
Ryzen 5 7500Fのゲーム性能は以下のページにて検証しています↓。
ストレージは500GBモデルを搭載。複数のゲームをインストールするとストレージ容量不足に陥るので、出来れば1TBへのカスタマイズをおすすめします。
マザーボードはM-ATXサイズのA620チップセットのものを採用。M.2スロットは1基しかないので、M.2 NVMe SSDの増設は不可能です。
メモリはDDR5-4800の16GB(8GB×2)を搭載しています。
ネットワークは有線の1Gbps LANを搭載。
このモデルはコスパに優れたLEVELθ(レベル シータ)に属しています。PCケースにはThermaltake製のミニタワーケース「S100 TG」をベースとしたオリジナル筐体を採用。スイングドア方式を採用した強化ガラス製サイドパネルが特徴のPCケースです。
標準でLEDケースファンが搭載されているので、ガラスパネル越しにライティングを楽しむことができます。
なおこのモデルはスペック、価格は同じで、以下の4種類のカラーで展開されています。それぞれPCケース、LEDファンの色が異なります。
ケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約441mm x 奥行(D):約411mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 M.2 NVMe SSDの増設が可能 PCケースの色を4種類から選ぶことが可能 観音開きで内部に簡単にアクセス可能 | ストレージの容量が500GB M.2 NVMe SSDの増設は不可能 |
安さと性能を両立!Ryzen 5 7500Fはポテンシャルが高く、よりRTX 4070の性能を活かせます。
RTX 4060 Ti搭載おすすめゲーミングPC
まとめ
RTX 4060 TiとRTX 4070との間の性能差は絶対的なものがあります。ただ、その分、価格差はそれなりにあり、ゲーミングPCだと5万円以上開きがあります。
どちらを選ぶのか自分にとってベストなのか、よく決めてから選ぶことをおすすめします。