2019年10月、NVIDIAのGPUのGTX 1660 SUPERを搭載したビデオカードの販売が開始されました。
GTX 1660 SUPERの立ち位置は、GTX 16シリーズの最上位モデルという位置づけで、下位にGTX 1650があります。
今回の記事ではGTX 1660 SUPERの特徴、ゲーム性能を解説し、最後におすすめのゲーミングPCを紹介します。
GTX 1660 SUPERとは
RTX 3050 | GTX 1660 SUPER | GTX 1650 | |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 2,560 | 1,408 | 896 |
ベース/ブーストクロック | 1,552MHz / 1,777MHz | 1,530MHz / 1,785MHz | 1485MHz / 1665MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6 8GB(128bit) | GDDR6 6GB (192bit) | GDDR6 4GB (128bit) |
レイトレーシングコア(RTコア) | 20(第2世代) | – | – |
Tensorコア | 80(第3世代) | – | – |
NVIDIAアーキテクチャー | Ampere | Turing | Turing |
NVIDIA DLSS | 2 | – | – |
NVIDIA Encoder(NVENC) | 第7世代×1 | 第6世代×1 | 第6世代×1 |
AV1エンコード/デコード | ×/〇 | ×/× | ×/× |
グラフィックスカード電力(W) | 130 | 125 | 75 |
システム電力要件(W) | 550 | 450 | 300 |
必須の電源 | 8ピン×1 | 8ピン×1 | なし |
参考価格 ※2024年4月現在 | 約35,000円 | 約43,000円 | 約21,000円 |
GTX 16シリーズの最上位に位置するモデルということで、競合と言えるのはGTX 1650ではなく、RTX30シリーズのRTX 3050になります。
似たようなモデルにGTX 1660 Tiなどありますが、基本的にほぼ性能は似たり寄ったりです。
メモリバス幅を除くと、CUDAコア数、メモリバス幅などは、RTX 3050に負けています。また、RTX 3050はレイトレーシングやDLSSに対応していますが、GTX 1660 SUPERは非対応です。
グラフィックスカード電力(W)は約125Wとかなり控えめです。RTX 3050とほぼ同じです。
GTX 1660 SUPERのゲーム性能について
GTX 1660 SUPERのゲーム性能を他のGPUと比較します。なお、ゲームのグラフィック設定は最高設定に統一しています。
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検証環境
検証環境 | |
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CPU | インテル 「Core i5-14600KF」 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
ビデオカード | Gainward 「GeForce GTX 1660 SUPER Pegasus」 |
マザーボード | GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」 |
メモリ | Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2) (DDR5-4800に設定) |
SSD | Kingston「NV2 SSD 2TB」 Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 |
電源ユニット | Corsair「RM750e」 |
PCケース | XPG「VALOR AIR JP2」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
軽量級ゲーム
軽量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均97fps、WQHD解像度では62fps、4K解像度では31fpsでした。
下位モデルのGTX 1650と比較すると、フルHD解像度では約42%、WQHD解像では約50%、4K解像度では約69%上回っています。
検証に使用した軽量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのGTX 1660 SUPERの平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
レインボーシックスシージ | 154fps | 93fps | 44fps |
オーバーウォッチ2 | 83fps | 55fps | 30fps |
ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー | 73fps | 47fps | 22fps |
BLUE PROTOCOL | 79fps | 53fps | 27fps |
中量級ゲーム
中量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均47fps、WQHD解像度では37fps、4K解像度では22fpsでした。
下位モデルのGTX 1650と比較すると、フルHD解像度では約89%、WQHD解像では約102%、4K解像度では約114%上回っています。
検証に使用した中量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのGTX 1660 SUPERの平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Forza Horizon 5 | 38fps | 32fps | 23fps |
アサシンクリードミラージュ | 53fps | 39fps | 22fps |
Call of Duty: Modern Warfare III | 51fps | 39fps | 22fps |
重量級ゲーム
重量級のゲームの平均fpsは、フルHD解像度では平均45fps、WQHD解像度では31fps、4K解像度では16fpsでした。
下位モデルのGTX 1650と比較すると、フルHD解像度では約81%、WQHD解像では約82%、4K解像度では約105%上回っています。
検証に使用した重量級ゲームタイトルと各ゲームタイトルのGTX 1660 SUPERの平均fps
ゲームタイトル | フルHD解像度 | WQHD解像度 | 4K解像度 |
---|---|---|---|
Watch Dogs: Legion | 36fps | 25fps | 15fps |
アーマードコア6 | 56fps | 42fps | 22fps |
サイバーパンク2077 | 44fps | 25fps | 10fps |
GTX 1660 SUPERの強みと弱みについて
強み | 弱い |
---|---|
フルHD解像度の軽量級ゲームであれば、平均60fpsでゲームがプレーできる | WQHD、4K解像度でのプレーは厳しい フルHD解像度の中・重量級ゲームのプレーは厳しい VRAM容量が6GBと少ない DLSSには非対応 AV1エンコードに非対応 |
GTX 1660 SUPERのゲーム性能はほぼRTX 3050に匹敵します。ただし、FORZA HORIZON5みたいにVRAM消費量が多いゲームだと、VRAM容量の少なさが足を引っ張って、ゲーム性能が落ち込みます。
そのため、フルHD解像度の軽量級のゲームであれば、平均60fpsでプレー可能ですが、中・重量級から厳しくなります。
もちろん、WQHD、4K解像度は言うまでもなく厳しいです。また、RTXシリーズではないので、DLSSが使えない点もマイナス要素です。
また、ゲーミングPCでは、GTX1660 SUPER搭載モデルは徐々に姿は消え、RTX 3050搭載モデルに切り替わっており、物理的に購入しづらいのもマイナスポイントです。
GTX 1660 SUPER搭載おすすめゲーミングPC
2024年6月22日(土)に更新しました。
コンパクトタワーPC TS-I7700GTX66TIMIJ
スペック | |
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CPU | Core i7-11700 |
GPU | GTX 1660 Ti |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 500B M.2 Gen 4 NVMe SSD |
M.2スロット | 2基(空きスロット1) |
マザーボード | MSI MPG B560I GAMING EDGE WIFI (Mini-ITX) |
電源 | 750W 80PLUS GOLD |
価格 | 94,980円+送料0円 |
TSUKUMOの「コンパクトタワーPC TS-I7700GTX66TIMIJ
「Core i7 11700」は8コア16スレッドのインテル第11世代のCPUで、性能はそこまで高くありませんが、GTX 1660 Tiくらいとのビデオカードとの組み合わせであれば性能不足を感じることはないです。
もちろん、CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
ストレージはNVMe SSDの500GBモデルを搭載。ゲームを複数インストールする予定であれば、不安のあるストレージ容量です。
このモデルはカスタマイズできないので、容量不足であれば、SATAのSSDを増設するか、外部ストレージを使う必要があります。
マザーボードはMini-ITXサイズの「MSI MPG B560I GAMING EDGE WIFI」を採用。M.2スロットは2基あり、空きスロットは1なので、SSDの増設は可能です。
メモリはDDR4-3200の16GB(16GB×1)を搭載しています。デュアルチャネルではなく、シングルチャネルとなっています。
電源は80PLUS GOLDの750Wという大容量です。将来的により上位のビデオカードに変更した際も対応できます。
PCケースは、JONSPLUS i100 Proを採用しています。小型でありながら、水冷式CPUクーラーを取り付け可能など、ハイエンド構成が可能です。材質はアルミなので高級感もあります。
また、MINI-ITXケースでありながら、360mm簡易水冷や長さ373mmまでのビデオカードに対応と拡張性も高いです。
ケースの寸法は約194mm(幅)x約307mm(高さ)x約435mm(奥行)です。
メリット | デメリット |
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質感の高いPCケース 小型 M.2 NVMe SSDの増設はできる 電源の容量は750Wと大容量 小型ケースでありながら拡張性が高い | ストレージ容量は500GB メモリがシングルチャネル構成 |
GTX1660系のゲーミングPCは徐々に取扱いをやめているので、このツクモのモデルが唯一といっていいです。電源容量が750W、ビデオカードが長さ373mmまでに対応と将来的なアップグレードが可能なので魅力的なモデルとなっています。
まとめ
GTX 1660 SUPER搭載モデルは徐々に姿を消し、わずかに在庫処分扱いで販売されているような状況です。
そのため、素直にRTX 3050搭載モデルを探すことをおすすめします