RTX 4070 SUPERとRTX 4070はどっちがおすすめ?ゲームベンチマークで性能を比較検証

RTX 40シリーズの中でも、アッパーミドル帯のGPUとして人気が高いのが、RTX 4070 SUPERとRTX 4070です。
価格差もそこまで離れていないこともあり、どちらを選ぶべきか、迷っている方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、それぞれのGPUの詳細なスペックを比較し、ゲームベンチマークを実行し、ゲーム性能を比較検証したいと思います。
RTX 4070 SUPERとRTX 4060 Tiの仕様を比較
RTX 4070 Ti | RTX 4070 SUPER | RTX 4070 | |
---|---|---|---|
CUDAコア数 | 7,680 | 7,168 | 5,888 |
ベース/ブーストクロック | 2310MHz / 2610MHz | 1980MHz / 2475MHz | 1920MHz / 2475MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6X 12GB | GDDR6X 12GB(192bit) | GDDR6X 12GB(192bit) |
レイトレーシングコア(RTコア) | 60(第3世代) | 56(第3世代) | 46(第3世代) |
Tensorコア | 240(第4世代) | 224(第4世代) | 184(第4世代) |
NVIDIAアーキテクチャー | Ada Lovelace | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
NVIDIA DLSS | 3 | 3 | 3 |
NVIDIA Encoder(NVENC) | 第8世代×2 | 第8世代×1 | 第8世代×1 |
AV1エンコード/デコード | 〇/〇 | 〇/〇 | 〇/〇 |
グラフィックスカード電力(W) | 285 | 220 | 200 |
システム電力要件(W) | 700 | 650 | 650 |
必須の電源 | 8ピン×2または300W以上の12VHPWR×1 | 8ピン×2または300W以上の12VHPWR×1 | 8ピン×2または300W以上の12VHPWR×1 |
参考価格 ※2024年3月現在 | 約113,000円 | 約98,000円 | 約83,000円 |
仕様を比較するとRTX 4070 SUPERの立ち位置はRTX 4070というより、RTX 4070 Tiに限りなく近いです。特にCUDAコア数は7,168と、RTX 4070と比べると約1,000以上もスペックアップしています。
スペックはRTX 4070 Ti寄りなのに、グラフィックスカード電力は220Wで済んでいるのでワットパフォーマンスは非常に高いと言えます。
今後、RTX 4070 Tiは終売になるといわれ、事実上、RTX 4070 SUPERがそのポジションに立つことが予想されます。
ただし、RTX 4070 Tiはデュアルエンコードが可能なのに対して、RTX 4070 SUPERはデュアルエンコードには非対応なのでその点は注意が必要です。

テストに使用するのはPNY「GeForce RTX 4070 Super 12GB VERTO OC」です。


GPU-Zによる情報を確認。OCモデルなので、ブーストクロックが2,490MHzと定格よりほんの少し高めに設定されていました。カード電力は定格の220Wに設定されています。
RTX 4070 SUPERとRTX 4070のゲーム性能を比較
検証環境

検証環境 | |
---|---|
CPU | インテル 「Core i5-14600KF」 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
ビデオカード | PNY「GeForce RTX 4070 Super 12GB VERTO OC」 GAINWARD「GeForce RTX 4070 Ghost」 |
マザーボード | GIGABYTE「B760 AORUS ELITE」 |
メモリ | Kingston 「FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(型番:KF580C38RSAK2-32)」(16GB×2) (DDR5-4800に設定) |
SSD | Kingston「NV2 SSD 2TB」 Western Digital「WD_BLACK SN770 NVMe 1TB」 Western Digital「WD Blue SN580 NVMe SSD 1TB」 |
電源ユニット | Corsair「RM750e」 |
PCケース | XPG「VALOR AIR JP2」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |

ここからは実際にRTX 4070とRTX 4060 Ti(8GB版)をパソコンに組み込んで性能をチェックします。

CPUにCore i5-14600KFを使用します。インテル第14世代のCPUで、Pコアが6つ、Eコアが8つ、計14コア20スレッドのCPUです。
アーキテクチャーに「Raptor Cove」を採用し、さらにL2キャッシュの量も24MBと多く、ゲーム性能が高いCPUとなっています。

基本性能を定番ツールで計測

まず「3DMark」のラスタライズ系の結果です。
Fire Strikeでは約18%、Time Spyでは約15%、Time Spy Extremでは約16%、RTX 4070 SUPERがRTX 4070に対して上回っています。

次はレイトレーシング系です。
Port Royal、Speed Wayで約17%、RTX 4070 SUPERがRTX 4070に対して上回っています。
フルHD解像度のゲーム性能

ここからは実際にゲームベンチマークを実行してパフォーマンスを計測し、平均fpsを比較します。なおゲームのグラフィックス設定はすべて最高、スケーリングは100%に設定しています。
フルHD解像度の軽量級ゲームでは20~30fpsくらいの差がついています。

フルHD解像度の中量級ゲームでは10~30fpsくらいの差がついています。

フルHD解像度の重量級ゲームでは10~30fpsくらいの差がついています。ARMORED CORE Ⅵはフレームレートの上限が120fpsなので差がついていません。
WQHD解像度のゲーム性能

WQHD解像度の軽量級ゲームでは20~50fpsくらいの差がついています。

WQHD解像度の中量級ゲームでは10~20fpsくらいの差がついています。

WQHD解像度の重量級ゲームでは10~20fpsくらいの差がついています。
4K解像度のゲーム性能

4K解像度の軽量級ゲームでは10~20fpsくらいの差がついています。

4K解像度の中量級ゲームでは10fpsくらいの差がついています。

4K解像度の重量級ゲームでは10fpsくらいの差がついています。
レイトレ+DLSSのゲーム性能

「CyberPunk2077」をフルHD解像度レイトレウルトラに設定し、DLSSを設定しない状態と、DLSSバランス+DLSS FGをオンの状態で平均FPSどれくらい伸びるのか比較します。
RTX 4070 SUPER、RTX 4070ともに、DLSSとDLSS FGの両方を有効にすることで約95%平均fpsが伸びています。
RTX 4070 SUPERとRTX 4070のグラフィックスカード電力(W)を比較

Hwinfoを用いて、アイドル時と3DMarkのTimeSpy実行中のグラフィックカード電力(W)を計測します。
高負荷時の最高値を見ると、RTX 4070 SUPERのグラフィックカード電力(W)は、RTX 4070と比較して約20Wほど高い傾向です。
RTX 4070 SUPERとRTX 4070、結局どっちがおすすめ?
全10ゲームのベンチマークを検証してきましたが、各解像度の全ゲームの平均FPSをグラボごとにまとめたのが以下の表です。

フルHD解像度では約17FPS、WQHD解像度では約19FPS、4K解像度では約11FPSの差が開きました。
RTX 4070 SUPER、RTX 4070ともにフルHD解像度向けというより、WQHD解像度向けの性能です。また中量級ゲームまでであれば、4K解像度でのプレーも十分可能です。
ただ、RTX 4070 SUPERとRTX 4070の間には明確な性能差があります。
RTX 4070 SUPERのゲーム性能はRTX 4070に対して、約15~20%くらいの性能向上が期待できます。
それでいて、グラフィックスカード電力(W)はRTX 4070に対して、たった20Wほどしか上がっていません。RTX 4070 SUPERのワットパフォーマンスは非常に良好といえます。
RTX 4070 SUPERとRTX 4070との価格差はまだまだ開きはありますが、その差が許容できるのなら、RTX 4070 SUPERの方をおすすめします。
もし今後、RTX 4070 SUPERの価格が下がっていき、RTX 4070との価格差が縮まっていけば、「RTX 4070」を選ぶ必要はないと言える時代が来るかもしれません。
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