Legion T550iをレビュー!RTX3070搭載のゲーミングPC
RTX3070搭載のレノボのゲーミングPCのLegion T550iをレビューしたいと思います。基本的な性能はもちろんデザイン、内部まで幅広くレビューしたいと思います。
本記事はメーカー様より製品をお借りして記事を作成しています。
Legion T550iのスペック
Legion T550i(型番:90NC00KKJM) | |
CPU | Core i7-10700 |
CPUクーラー | サイドフロー型空冷CPUクーラー |
マザーボード | インテル B560 M-ATXマザーボード |
メモリ | DDR4-2933 8GB×2 |
ビデオカード | RTX3070 |
ストレージ | 512GB(M.2) 2TB(HDD) |
電源 | 650W(GOLD) |
OS | Windows 10 Home |
今回レビューするのは、レノボのゲーミングPC、「Legion T550i(型番:90NC00KKJM)」です。
インテル第10世代のCore i7-10700とNVIDIAのGeforce RTX3070を搭載する、アッパーミドルに位置づけられるモデルです。
残念ながらレノボは、2022年9月現在、Legion T550iの販売を取りやめています。ただ、類似のLegion T550の取り扱いは継続しています。
記事後半でLegion T550i(型番:90NC00KKJM)の代替品を紹介しますので、ぜひ最後まで御覧ください。
Legion T550iをチェック
外観をチェック
本体サイズは幅185mm、奥行きは457mm、高さは456mmです。容量は28L程度なので、いわゆるコンパクトなミニタワーのPCケースに該当します。机に上においても圧迫感を感じにくいです。
黒一色のデザインで、落ち着いた印象です。後方部分の全高が40mm程度高くなっているのが良いアクセントになっています。
サイドパネルはガラスではないので、残念ながら中身を見ることはできません。左右に吸気用の穴が開いています。これは空気を吸い込むための「吸気スリット」です。
フロントから吸気し、リアから排気という、ごくごく一般的なエアフロー構造を採用しています。
フロントパネルです。フロントパネルの下部、リアパネルの上部に凹んだ箇所があります。実は前と後ろから手でしっかり掴めるようにするために、あえてこのような凹みが用意されています。
インターフェース
フロントパネルのインターフェースは合計4つです。正直、USBポートの数は少ないです。
- USB3.0
- USB3.0
- ヘッドフィン入出力端子(3.5mm)
- 電源ボタン
リアパネルのインターフェースです。USBポートの数は多くもなく、少なくもなくといった印象です。フロントパネルのと合わせれば十分な数はそろっています。
- USB3.0 Type-C×1
- USB2.0×2
- USB3.0×2
- LANポート
- オーディオ入出力端子
- HDMI
- Display Port×3
内部構造をチェック
正面から見て左のサイドパネルを外すと、内部にアクセスできます。
右のサイドパネルを外すと、裏配線のスペースにアクセスできます。
B560チップセットのLenovo特注品のマザーボードが搭載されています。Micro-ATXサイズということもあり、拡張性はあまりありません。
120mmファンのサイドフロー型のCPUクーラーが搭載されています。おそらくLenovo特注品だと思います。CPUクーラーのすぐ隣、つまり、リアに120mmファンが搭載されています。これによってCPUクーラーからの熱を効率よく、PCケースの外に排出できます。
フロントに120mmのファンが2基搭載されています。2基のファンから新鮮な空気を取り込み、その空気をCPUクーラーのファンが取り込みます。
Geforce RTX3070のビデオカードが搭載されています。こちらもおそらくLenovo特注品です。全長267mmのデュアルファン仕様です。
ビデオカードの脱着を防ぐための、GPUホルダーでRTX3070はガッチリと固定されています。
Intel AX200コントローラーによる最新規格WiFi 6に対応した無線LAN&Bluetoothカードが搭載されています。
CPUクーラーの真下にM.2スロットがあり、NVMe M.2 SSDが装着されています。製品名は、「WDC SN730 512GB」で、その上にLegionオリジナルの巨大なヒートシンクが装着されています。
3.5インチストレージベイには、HDDが装着されています。製品名は、「ST2000DM008-2FR102 2TB」です。スワップ式なので脱着が楽です。
650WのGOLD認証の電源が搭載されています。製品名は、FSP650-70ALAです。
Legion T550iのゲーム性能(GPU性能)をチェック
3D Mark
ベンチマーク | スコア |
FireStrike フルHDゲーム向け | 25016 |
TimeSpy 重量級ゲーム向け | 12368 |
Port Royal レイトレ対応ゲーム向け | 7842 |
「3DMark」はゲームで重要な3D性能をスコア化してくれるベンチマークソフトです。
フルHDゲーム向けの「Fire Strike」は25016点です。重量級ゲーム向けの「TimeSpy」は12368点です。レイトレーシングのゲーム向けの「Port Royal」は7842点です。
ベンチマーク実行後にゲームでどれくらいのフレームレートが出るのか、結果が出ます。
それを見る限り、フルHD解像度であれば平均フレームレート144以上、WQHD解像度であれば、平均フレームレート110以上のプレーが可能という感じでした。
T550iの「Fire Strike」のグラフィックススコアを他のビデオカードと比較してみました。T550iが搭載しているRTX3070はGTX1660 Superの約2倍の性能でした。
VR Mark
ベンチマーク | スコア / 平均フレームレート |
Orange room 負荷が軽いVRゲーム向け | 13135 平均286FPS |
Cyan room 負荷が重いVRゲーム向け | 2752 平均60FPS |
Blue Room 高解像度(5120 | 4071 平均89FPS |
VR MarkはVRゲームでの性能をスコア化してくれるベンチマークソフトです。Orange room、Cyan room、Blue roomと3種類あり、負荷も異なります。
一番負荷の軽いOrange roomのスコアは13135点、平均286フレームレートと、良好な結果でした。
より負荷の重いCyan room、Blue roomではスコア、平均フレームレートともに、ガクッと下がります。それでも平均60FPSが出ているので、VRゲームは総じて快適にプレー可能といっていいと思います。
FF14ベンチマーク
設定 | スコア / 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 22143 平均162FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 18590 平均130FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 10826 平均74FPS |
「FF14:暁月のフィナーレ」を最高設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でベンチマーク。
フルHDのスコアは22143(平均162FPS)、WQHDのスコアは18590(平均130FPS)と良好な結果です。一方、4Kのスコアは10826(平均74FPS)と、フルHD、WQHDに比べて大きくスコアは落ちてしまいましたが、それでも平均60FPS以上は出せています。
FF15ベンチマーク
設定 | スコア |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 12369 |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 9522 |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 5751 |
「FF15」を高設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でベンチマーク。
フルHDのスコアは12369、WQHDのスコアは9522でした。一方、4Kのスコアは5751と、フルHD、WQHDに比べて大きくスコア落ちてしまいました。やや快適判定なので、4K解像度のプレーは少し厳しいかもしれません。
Forza Horizon 5ベンチマーク
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均95FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均83FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均61FPS |
「Forza Horizon 5」をエクストリーム設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でベンチマーク。
フルHDの平均FPSは95、WQHDの平均FPSは83、4Kの平均FPSは61でした。全ての解像度において、快適にプレーが可能だと思われます。
Rainbow Six Siegeベンチマーク
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均394FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均265FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均135FPS |
「Rainbow Six Siege」を最高設定、スケーリング100%にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でベンチマーク。
フルHDの平均FPSは394、WQHDの平均FPSは265、4Kの平均FPSは135でした。全ての解像度において、快適にプレーが可能だと思われます。
アサシンクリードヴァルハラベンチマーク
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均88FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均71FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均45FPS |
「Rainbow Six Siege」を最高設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でベンチマーク。
フルHDの平均FPSは88、WQHDの平均FPSは71、4Kの平均FPSは45でした。4Kでのプレーは厳しそうです。
Cyberpunk2077ベンチマーク
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均87FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均58FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均28FPS |
フルHD(1920×1080) 最高設定:レイトレーシング | 平均41FPS |
「Cyberpunk2077」をウルトラ設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でベンチマーク。
フルHDの平均FPSは87、WQHDの平均FPSは58、4Kの平均FPSは41でした。また、レイトレーシングをオンにした状態の平均FPSは41でした。
「Cyberpunk2077」は2022年9月現在、最も負荷が重いゲームの1つということもあり、厳しい結果になりました。高解像度、レイトレーシングをオンした状態で快適にプレーしたいのなら、DLSSを併用する必要があります。
Apex Legends
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均226FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均178FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均111FPS |
「Apex Legends」を最高設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)で演習場を180秒間、周回した際の平均フレームレートを計測。
フルHDの平均FPSは226、WQHDの平均FPSは178、4Kの平均FPSは111でした。全ての解像度において、快適にプレーが可能だと思われます。
Fortnite
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均198FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均130FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均66FPS |
「Fortnite」を最高設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)でクリエイティブ島を180秒間、周回した際の平均フレームレートを計測。
フルHDの平均FPSは198、WQHDの平均FPSは130、4Kの平均FPSは66でした。全ての解像度において、快適にプレーが可能だと思われます。
VARORANT
設定 | 平均フレームレート |
フルHD(1920×1080) 最高設定 | 平均398FPS |
WQHD(2,560×1,440) 最高設定 | 平均403FPS |
4K(3840 x 2160) 最高設定 | 平均364FPS |
「VARORANT」を最高設定にし、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)で演習場を180秒間、周回した際の平均フレームレートを計測。
フルHDの平均FPSは398、WQHDの平均FPSは403、4Kの平均FPSは364でした。負荷の軽いゲームなので、余裕の動作です。
ゲーム性能は、タイトルにもよりますが、フルHD、WQHDまでは余裕ですが、4K、レイトレはさすがに厳しい印象です。
Legion T550iのクリエイティブ性能(CPU性能)をチェック
Cinebench
ベンチマーク | スコア |
Cinebench R23 | マルチ:12220 |
シングル:1245 | |
Cinebench R20 | マルチ:4794 |
シングル:485 | |
Cinebench R15 | マルチ:1853 |
シングル:199 |
「Cinebench」はCPU性能をスコア化してくれるベンチマークソフトです。R23、R20、R15と3つのバージョンがあり、Rの後に続く数字が高いほど、負荷が重くなります。
Legion T550iが搭載しているCPUは、インテル第10世代のCore i7-10700です。Cinebench R23のマルチスコアは12220、シングルスコアは1245でした。
Legion T550iに搭載されているCore i7-10700は8コア16スレッドです。そのため世代が古いとは言え、マルチスコアは高めです。インテル第12世代のCore i5-12400とほぼ互角のスコアです。
ただ、シングルスコアになると、スコアはかなり低めに出ます。インテル第11世代のCore i5-11400よりもスコアは劣ります。
Core i7-10700はインテル最新世代のCPUと比較するとさすがに性能不足が目立っています。
x264 FHD Benchmark
「x264 FHD Benchmark」は、H.264形式のエンコード性能を計測できるベンチマークソフトです。スコアはFPSで表示され、FPSの値が高いほどH.264形式のエンコード性能が高いといえます。
Legion T550iに搭載されているCore i7-10700は57FPSで、インテル第12世代のCore i5-12400と全く同じ結果に終わりました。
動画のエンコード性能(power directer 365無料体験版)
実際に動画編集ソフトのpower directer 365の無料体験版を使って、動画のエンコード性能を計測します。
高速ビデオレンダリング技術をオフにして容量が5GBの動画の書き出しにどれくらいの時間がかかったのかを比較します。動画の書き出し設定は以下の通りです。
動画の書き出し設定 | |
ファイル形式 | H.264 AVC |
解像度 | 1920×1080 |
フレームレート | 59.94 |
フレーム種類 | プログレッシブ |
プロファイル種類 | メインプロファイル |
Entropyコーディング | CABAC |
平均ビットレート | 60000Kbps |
速度/画質インジケーター | 画質モード |
その他 | デブロッキングを使用 |
Legion T550iに搭載されているCore i7-10700の書き出しにかかった時間は452秒でした。第12世代のCore i5-12400、Core i7-12700と比べると、大きく差をつけられました。
PC Mark 10(Photo Editing)
「PC Mark 10」は、パソコンの総合性能を計測できる計測できるベンチマークソフトです。
今回は、CPU性能のみを計測したいので、「Use
なお、この設定では総合スコアが得られなくなるので、写真編集に関する性能を計測する「Photo Editing」のみを比較対象とします。
Legion T550iに搭載されているCore i7-10700のスコアは4653でした。ここでもCore i5-12400には勝てませんでした。
Blender ベンチマーク(monster)
「Blender」は、3DCGや2Dアニメーション制作に使われるオープンソース型のソフトです。今回は「Blender」のレンダリングにかかる時間を計測できるベンチマークソフトを使用します。
ベンチマークには、「Classroom」、「Junkshop」、「Monster」と3つのシーンのレンダリングにかかる時間を計測できますが、今回は「Monster」のみの結果を見ていきます。
なお、最新バージョンでは、レンダリングにかかる時間ではなく、1分間あたりに生成できるサンプル数で表示されます。
Legion T550iに搭載されているCore i7-10700が1分間に生成できるサンプル数は88でした。Core i7-12700には大きく負けていますが、ここで初めてCore i5-12400に勝ちました。
Core i7-10700は8コア16スレッドとマルチスレッド能力は高いので、それがいい結果に働いたのかもしれません。
Core i7-10700は2022年現在の基準でも性能の良いCPUといえますが、インテル第12世代のCPUと比べると、性能は見劣りします。
Legion T550iのストレージ性能をチェック
ストレージ性能をチェック
Legion T750iに搭載されているストレージは、NVMe M.2 SSDの「WDC SN730 512GB」とHDDの「SEAGATE ST2000DM008 2TB」です。OSが入っているシステムストレージは、NVMe M.2 SSDの「WDC SN730 512GB」です。
「WDC SN730 512GB」の読み込み速度は約3,430 MB/s、書き込み速度は約2,717 MB/sと、gen3のNVMe M.2 SSDの中では、トップクラスの読み書き速度です。
「SEAGATE ST2000DM008 2TB」の読み込み速度は約223 MB/s、書き込み速度は約215 MB/sと、一般的なHDDの読み書き速度です。
Legion T550iのCPU・GPU温度をチェック
CPU温度
ベンチマーク(Cinebench R23)実行中のCPU温度の平均は86度でした。一方ゲーム実行中(FF15ベンチ)のCPU温度の平均67度でした。CPUクーラーはCore i7-10700を十分冷やせています。
GPU温度
FF15ベンチマーク(4K、高設定)中のGPU温度の平均は74度でした。
RTX3070の消費電力はRTX3080などの上位モデルに比べてそこまで高くないです。発する熱もそこまで神経質になる必要はないです。
全長267mmのデュアルファン仕様のビデオカードでしっかり冷やせています。
Legion T550iの騒音と消費電力をチェック
消費電力をチェック
システム全体の消費電力をワットチェッカーを使って計測してみました。
アイドル時は30W前後で、ゲーム中(FF15ベンチマーク)実行中は300W~350Wの間をいったりきたりといった感じでした。
騒音をチェック
簡易的な騒音計を使って騒音を計測してみました。
アイドル時は38dBA前後ということもあり、若干ファンの音が感じられるだけで、総じて静かな印象です。個人的に全く気にならない騒音レベルでした。
一方、ゲーム中の騒音は43dBA前後でした。耳をすませば、ケース内のファンの音が若干耳障りで聞こえる程度で、ヘッドフォンなどをつけていれば、まったく気になりません。
騒音に関しては全体的に静かな印象です。
まとめ
今回レビューした、Legion T550iは残念ながら購入することはできないです。
ただ、レノボのほかのゲーミングPCと似通った部分は多いので、今回の記事はレノボのゲーミングPCの購入を考えている人に参考なると思います。
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