RTX3060をレビュー!性能をGTX1070Tiと比較
NVIDIAのグラフィックボード、RTX3060を購入したのでレビューしたいと思います。自分が今まで使っていたグラフィックボードはGTX1070Tiでした。
RTX3060をGTX1070Tiと比較して、性能にどれくらいの差があるのか、検証したいと思います。
RTX3060とは
RTX3060は2021年2月に発売されたRTXシリーズのビデオカードです。RTX3060はRTXシリーズの中で最もグレードが低い、いわゆる下位モデルという位置づけでした。
ところが、2022年2月、さらに下のモデルのRTX3050が発売されたことで、下位モデルという位置づけから脱出しました。2022年現在、RTX3060はRTX3000シリーズの中位モデルとして扱われています。
ここでRTX3060の性能を上位のRTX3060Ti、下位のRTX3050と比較してみます。
RTX3050 | RTX3060 | RTX3060Ti | |
アーキテクチャー | Ampere | Ampere | Ampere |
製造プロセス | 8nm | 8nm | 8nm |
SM数 | 20基 | 28基 | 38基 |
CUDAコア数 | 2560基 | 3584基 | 4864基 |
RTコア数 | 20基 | 28基 | 38基 |
Tensorコア数 | 80基 | 112基 | 152基 |
ROP数 | 32基 | 48基 | 80基 |
テクスチャーユニット数 | 80基 | 112基 | 152基 |
ベースクロック | 1552MHz | 1320MHz | 1410Mhz |
ブーストクロック | 1777MHz | 1777MHz | 1665Mhz |
メモリスピード | 14Gbps | 15Gbps | 14Gbps |
メモリ容量 | GDDR6 8GB | GDDR6 12GB | GDDR6 8GB |
メモリバス幅 | 128bit | 192bit | 256bit |
PCI-Express | Gen4×8 | Gen4×16 | Gen4×16 |
消費電力(TGP) | 130W | 170W | 200W |
参考価格 | 49,000円 | 69,000円 | 85,000円 |
RTX3060は上記のスペック表から、RTX3050とRTX3060Tiの丁度中間くらいの性能になっているのが分かると思います。
ただ、VRAMの容量だけ12GBと上位モデルのRTX3060Tiより多いです。VRAMの容量は多ければこしたことはないので、このVRAM容量の多さはRTX3060の強みになります。
COLORFULのRTX3060通常モデルを開封、外観チェック
自分が購入したのはCOLORFULのRTX3060です。製品名はColorful RTX 3060 NB 12Gです。OC版ではなく、通常モデルです。残念ながら2022年現在、購入できないモデルとなっています。
開封してみました。同梱物はグラフィックボード本体とクイックガイドの2つです。ドライバが入っているCD-ROMもなく、非常にシンプルです。
本体です。印象としてはとにかくデザインが派手です。そして3連ファンモデルなのでデカいです。低負荷時に、ファンが自動停止する「Intelligent start-stop fans system」に対応しています。
上面です。COLORFULというロゴがあります。ちなみにこのロゴは光ります。8ピンの差し込み口は中央から少しずれたところにあります。
インターフェースはDisplay Portが3つ、HDMIが1つです。
自分が今まで使っていたGTX1070Tiと比べたのですが、やはり一回り大きかったです。
電源を入れるとCOLORFULロゴが光ります。発光パターンは複数あり、光らせ方を変えられます。もちろんOFFにも出来ます。
RTX3060のベンチマーク
CPU | core i5 8400 |
マザーボード | Z370 GAMING PLUS |
メモリ | DDR4-3200 8G×2(KD48GU880-32A160U) |
グラフィックボード | RTX3060 / GTX1070Ti |
SSD | NVMe 240G(CRAS C700 M.2)※OS用 |
電源ユニット | 750W(V750 Semi-Modular RS750-AMAAG1-JP) |
OS | Windows 10 Home |
ドライバ | 461.72 |
ディスプレイ | 3840 x 2160@60 Hz(BenQ EW2780U) |
ベンチマークに入る前に自分のPCのスペックを紹介します。CPUがcore i5 8400と古いのでRTX3060の性能をフルに活かせていません。ご了承ください。
resizable barという機能も本来はあるのですが、残念ながらCPU、マザーボードが対応していないので、使えません。
ただ、近い将来CPU、マザーボードを最新のものに買い替える予定なので、その時改めて検証したいと思います。
なおベンチマークはGTX1070Tiを比較対象としています。GTX1070TiはASUSのTURBO-GTX1070TI-8Gです。
Time Spy
Time SpyはグラフィックボードのDirectX 12の性能を測るベンチマークソフトです。RTX3060はGTX1070Tiと比べて約2000程高いスコアを獲得しました。
PassMark(3D GRAPHICS MARK)
PassMarkはCPU、2D、3D、メモリ、ディスクのパフォーマンスを測定することが出来るベンチマークソフトです。
今回は3Dのテストのみ行いました。RTX3060はGTX1070Tiと比べて、約3000程高いスコアを獲得しました。
GEEK BENCH 5
GEEK BENCH 5はスマホやPCなど様々なプラットフォームでパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。PCの場合はOpenCLのスコアが出ます。
RTX3060はGTX1070Tiと比べて、約50000程高いスコアを獲得しました。
VR Mark Orange Room
VR Mark Orange RoomはVRアプリケーションの標準的なパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。
RTX3060とGTX1070Tiの間にほとんど差は出なかったです。
Blender Benchmark
RTX3060 | GTX1070Ti | |
bmw27 | 53s | 1m33s |
classroom | 2m32s | 4m53s |
fishy_cat | 1m47s | 3m29s |
koro | 2m55s | 5m15s |
pavillion_barcelona | 5m6s | 8m41s |
victor | 12m32s | 14m45s |
Blender BenchmarkはGPUのレンタリングのパフォーマンスを測定するベンチマークソフトです。描画にかかった時間が短いほど、性能が良いということになります。
RTX3060はGTX1070Tiと比べて、大幅に描画にかかった時間を短縮出来ています。
FF14ベンチマーク
一番差がついたのがWQHDです。それ以外の解像度ではそこまでの差はほとんどありません。
FF15ベンチマーク
フルHD、WQHDでは約1000ほどの差がつきましたが、4Kだと差は縮まりました。
アサシンクリードオリジンズベンチマーク
約1000程差がつきました。
RTX3060の実ゲームでのパフォーマンス検証
ゲームのベンチマークでは思ったほどの大差はつかなかったです。ここからは実際にゲームをプレーして、ゲームパフォーマンスを検証します。今回検証に使うゲームは以下の7タイトルです。
- Apex Legends
- フォートナイト
- FF15
- アサシンクリードオリジンズ
- BF5
- GTA5
- モンスターハンターワールド
一定時間ゲームをプレーし、平均フレームレート、最小フレームレートを計測していきます。設定は、全て最高設定にしています。
また、解像度はそれぞれフルHD、WQHD、4Kに設定し、計測していきます。
Apex Legends(演習場)
フォートナイト(クリエイティブ島)
FF15(ダスカ地方)
アサシンクリードオリジンズ(アレクサンドリア)
Battlefield Ⅴ(演習場)
Grand Theft Auto V(フランクリンの自宅付近をドライブ)
モンスターハンターワールド(ジャグラスと古代樹の森)
7つのゲームを合算して、平均フレームレートを算出
7つのゲームタイトルの平均フレームレートを合算し、フルHD、WQHD、4Kの平均パフォーマンスを算出しました。
フルHD、WQHDにおいては、RTX3060とGTX1070Tiの間には約20fpsくらいの差がつきました。ただ、4Kの場合、差は縮まりました。
ゲームでのベンチマークでは大きな差は出なかったですが、実ゲームでのパフォーマンスでははっきりと差がつきました。
ただ、RTX3060で4Kでのゲームは正直厳しいかと思います。また、WQHDにおいても平均60fpsを下回っているタイトルもあるので、ゲームによってはWQHDも厳しいかもしれません。
フルHDであれば、どのタイトルでも快適に遊べると思います。RTX3060はフルHDをターゲットにしたグラフィックボードだと思います。
RTX3060のDLSS、レイトレーシング性能を検証
RTXシリーズにはGTXシリーズには搭載されていない機能がいくつかあります。その中でも注目なのが「リアルタイムレイトレーシング」と「DLSS」です。
リアルタイムレイトレーシング(以下レイトレ)は簡単に言うと反射をリアルに表現する機能のことです。この機能をONにすると、ゲームがよりリアルに表現されます。
ただし、レイトレはゲーム側で対応していないと、ONにできません。またレイトレONにすると、強烈な負荷がかかり、フレームレートが落ちるというデメリットが存在します。
一方、DLSSはDeep Learning Super Samplingの略称です。直訳すると、深層学習による画像補正のことです。
これは簡単に言えば、画質の劣化を最小限に抑え、フレームレートを向上させる機能です。レイトレと同じく、ゲーム側でもDLSSに対応する必要があります。
デメリットとしてはゲームによっては、DLSSにすると画質が劣化することがあることと、そしてDLSS対応ゲームでも、解像度によってはDLSSを設定できないものもあることです。
例えば、モンスターハンターワールドではフルHDだとDLSSは設定できません。
また、レイトレとDLSSは併用することが出来ます。レイトレによって落ち込んだフレームレートをDLSSを使うことで底上げすることが可能です。
今回はDLSS、レイトレに対応した下記のゲームを使って、フレームレートがどの程度変化していくのか、検証していきたいと思います。
- フォートナイト
- BF5
- モンスターハンターワールド
なおレイトレ、DLSSはゲームによっては設定で強弱つけられます。今回はどのゲームでも、レイトレは最高設定、DLSSはパフォーマンス設定したいと思います。
フォートナイト(クリエイティブ島)
DLSSにすると爆発的にFPSが伸びました。逆にレイトレにすると凄まじい勢いでFPSが下がっていきました。フォートナイトのレイトレ最高設定はいくらなんでも重すぎです。
レイトレとDLSSを併用することでなんとかフルHDであれば平均fpsを60以上維持できました。
Battlefield Ⅴ(演習場)
BF5はレイトレをONにしないとDLSSを有効化できませんでした。そのためDLSS単体での測定ができませんでした。
やはりこちらもフォートナイトほどではないですが、レイトレをONにするとフレームレートが下がりました。
DLSSはフォートナイトのときと比べてあまり機能していないように見えます。特にフルHD、WQHDの場合は。もしかしたらDLSSが効くのは4K解像度のみなのかもしれません。
レイトレでFPS45だったのが、DLSSをオンにすることで、FPS54まで引き上げることが出来ました。
モンスターハンターワールド(ジャグラスと古代樹の森)
モンスターハンターワールドはレイトレの設定ができませんでした。また、DLSSもフルHDの時は選べませんでした。
DLSSをONにするとWQHDにおいて、平均FPSが20上昇しました。
RTX3060の消費電力と温度を検証
消費電力
RTX3060 | GTX1070Ti | |
アイドル時 | 42W前後 | 45W前後 |
負荷100%時 | 240W前後 | 220W前後 |
アイドル時とOCCTでGPUに100%の負荷をかけている時の消費電力の推移をチェックしました。
グラフィックボード単体ではなく、システム全体の消費電力です。
ただ、CPUには負荷がかかっていないので、消費電力のほとんどがグラフィックボードに起因するものになっています。
結果はRTX3060とGTX1070Tiはほぼ同じ消費電力でした。RTX3060はGTX1070Tiより性能が優れていますが、大幅な消費電力増になっていません。
GTX1070Tiに比べれば、電力効率は優れていると言えます。
温度
RTX3060 | GTX1070Ti | |
---|---|---|
アイドル時 | 37度 | 42度 |
負荷100% | 58度 | 77度 |
アイドル時とOCCTでGPUに100%の負荷をかけている時のGPU温度の推移をチェックしました。こちらは消費電力と違い、かなりの差がつきました。
ただこれはグラボの構造自体で大きな差がついたなという印象です。
RTX3060は3連ファンタイプで、GTX1070Tiは外排気ブロアータイプです。3連ファンタイプは本体自体が大型化しますが、その分冷却に優れています。
RTX 3060を探してみる
RTX 3060搭載おすすめゲーミングPC
MD3657
スペック | |
---|---|
CPU | Ryzen 7 5700X |
GPU | RTX 3060 12GB |
メモリ | 16GB(8GB x2) |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 不明(空きスロット0) |
マザーボード | A520 (Micro ATX) |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
価格 | 126,800円+送料0円 |
MDL.makeの「MD3657」はRyzen 7 5700X×RTX 3060のゲーミングPCです。
Ryzen 7 5700Xは8コア16スレッドのZEN3世代のCPUで、性能は十分高く、RTX 3060あたりのビデオカードとの組み合わせであれば、性能不足を感じることはまずないです。
ただ、CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
ストレージは500Bモデルを搭載。ゲームを複数インストールする予定であれば、不安のあるストレージ容量です。できれば、最低でも1TBへの増設をおすすめします。
1TBへの増設は+7,000円で可能です。
マザーボードは特に記載されていませんが、A520チップセット搭載のMicro ATXサイズのマザーボードを採用。M.2スロットの空きスロットは0なので増設は不可能です。
メモリはDDR4-3200の16GB(8GB×2)を搭載しています。
PCケースは、特に記載されていませんが、製品写真を見る限り、「Versa H17」、ガラスケースは「S100 TG」を採用していると思われます。ガラスケースは+3,000円で変更可能です。
標準ケースの寸法は幅(W):約205mm x 高さ(H):約400mm x 奥行(D):約423mmです。
ガラスケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約411mm x 奥行(D):約441mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 PCケースを選べる | M.2 NVMe SSDの増設はできない 標準のストレージ容量が500GB クリエイティブ性能は少し弱い |
MD36124
スペック | |
---|---|
CPU | Core i5-12400F |
GPU | RTX 3060 12GB |
メモリ | 16GB(8GB x2) |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 不明(増設は可能) |
マザーボード | B760 (Micro ATX) |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
価格 | 128,800円+送料0円 |
MDL.makeの「MD36124」はCore i5-12400F×RTX 3060のゲーミングPCです。
「Core i5-12400F」は6コア12スレッドのインテル第12世代のCPUでEコアはありません。実質、Pコアのみですが、シングル性能が高いため、ゲーム性能はスペックの割に優秀です。
スペックが高いCPUではないですが、RTX 3060との組み合わせであれば、性能不足を感じることはほとんどないです。
ただ、CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
ストレージは500Bモデルを搭載。ゲームを複数インストールする予定であれば、不安のあるストレージ容量です。できれば、最低でも1TBへの増設をおすすめします。
1TBへの増設は+7,000円で可能です。
マザーボードは特に記載されていませんが、B760チップセット搭載のMicro ATXサイズのマザーボードを採用。M.2スロットの空きスロットは不明ですが増設は可能です。
メモリはDDR4-3200の16GB(8GB×2)を搭載しています。
PCケースは、特に記載されていませんが、製品写真を見る限り、「Versa H17」、ガラスケースは「S100 TG」を採用していると思われます。ガラスケースは+3,000円で変更可能です。
標準ケースの寸法は幅(W):約205mm x 高さ(H):約400mm x 奥行(D):約423mmです。
ガラスケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約411mm x 奥行(D):約441mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 PCケースを選べる M.2 NVMe SSDの増設は可能 | 標準のストレージ容量が500GB クリエイティブ性能は少し弱い |
まとめ
RTX3060はゲームにそこまでの性能を追い求めない、いわゆるフルHDでゲームをプレーする層にとって最適なグラフィックボードです。
本来であれば4万円代で世に出る予定で、ライトゲーマーにとって、ベストなグラフィッボードになったはずです。
ただ、実際は想定した価格より遥かに高い値段で取引されています。本来あったコスパの良さが完全に失われています。
このグラフィックボードの高騰はいつまで続くは未知数です。当分は安くならないという見立てもあります。たとえ値段が高くても、欲しいとおもった時に購入することをおススメします。
動画はこちら↓。
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