インテル第13/14世代Intel Coreプロセッサの上位モデルについて、CPUの劣化や、ゲームクラッシュが発生するなど安定性に欠けるという問題が発生しました。
その問題に対処するために、インテルは新しいガイドラインに準拠した電力制限プログラム、「Intel Default Settings」を発表しました。
今回、Core i5-14600Kを使用して、実際に「Intel Default Settings」を適用させ、性能低下は起こるのか検証してみました。
Intel Default Settingsの適用方法
まず、使用しているマザーボードの型番を調べます。自分の場合、GYGABYTEの「B760 AORUS ELITE AX (rev. 1.x) 」を使用しています。
マザーボードの公式サイトから「Intel Default Settings」という記載のある最新BIOSをダウンロードします。
ダウンロードしたBIOSをインストールします。GYGABYTEの場合、「Q-flash」を使えば簡単にインストールできます。
最新BIOSをインストール後、BIOSを新たに立ち上げると、新たに「Intel Default Setting」という項目が表れます。この項目が「Enabled」になっていれば、「Intel Default Setting」は適用済みです。これで設定は完了です。
Intel Default Settingsの適用前と適用後の性能比較
「B760 AORUS ELITE AX (rev. 1.x) 」はデフォルトで事実上、電力制限が解除され、PL1が253W、PL2が4,095Wに設定されています。
「Intel Default Setting」を適用させると、PL1、PL2の数値が強制的に181Wに変更されます。
「Intel Default Setting」を適用後、CINEBENCH R23のマルチスコアは約6%下落しました。シングルスコアに違いはありません。
続いて、3D MARKのCPU Profileです。スレッド数が大きいほど、差が開いています。MAX-threadsでは、約4%スコアは下落しました。
ゲームでは、「Intel Default Setting」適用前と適用後で差はほとんどありません。ただし、Rainbow Six Siegeのように一部影響が出るゲームもあります。
CINEBENCH R23実行中のCPU温度を比較します。
「Intel Default Setting」適用前は最高100℃に到達していましたが、適用後は最高85℃くらいまでと、大幅にCPU温度は下がっています。
今回使ってるCPUクーラーは空冷のMUGEN 6 BLACKです。「Intel Default Setting」適用前は冷却が間に合っていませんが、適用後はCPU温度の発熱が抑えられていることもあり、十分冷却できています。
まとめ
「Intel Default Setting」を適用させると、PL1/PL2が181Wに制限されるため、確実にCPUの性能低下を起こします。
ただ、そこまで大幅な性能低下は起こしていないようです。また、デメリットばかりだけでなく。CPU温度も大幅に下がり、扱いやすさも向上するというメリットがあります
そして、なによりCPUに対するリスクを大幅に減らせるので、多少のCPU性能の低下は目をつぶり、「Intel Default Setting」を適用させることをおすすめします。