デルの「XPS13(9310)」は約1.2kgの13型の軽量モバイルノートPCです。
軽量だけでなく、インテル第11世代のCore i7を搭載、さらにディスプレイもOLED3.5K(解像度:3456×2160)と、モバイルノートPCとしては非常にハイスペックです。
2023年現在のモデルはインテル第12世代のCore i7を搭載しているので、さらにスペックが高いですが、外観等の仕様は似通っているところはありますので、現行機種の購入を考えている人にも今回の記事は参考になるかと思います。
デルアンバサダープログラムのモニターに参加しています。メーカー様から本商品を貸与していただき、記事を作成しています。
XPS 13(9310)のスペック
まずは「XPS13(9310)」の主要なスペックを確認してみよう。
CPUには、インテル第11世代「Tiger Lake」のノートPC向けプロセッサのハイエンドモデル、「Core i7-1185G7」を採用しています。
「Core i7-1185G7」は4コア8スレッドに対応。最大動作クロックは4.8GHZに達する仕様です。TDPは最大28Wと、ノートPC向けということもあって、かなり抑え気味だ。GPUはIris Xe Graphicsを採用しています。
メモリは32GB搭載、ストレージは1TBのPCI Express 3.0 x4 SSD搭載と必要スペックは十分。さらに、解像度3456×2160という超解像度のタッチディスプレイを搭載という点も注目に値します。
スペックから見て、ゲーム向けではないですが、ビジネスやエンターテインメントに向いていると思います。
XPS 13(9310)の主要スペック | |
CPU | インテル第11世代 Core i7-1185G7 |
GPU | インテル Iris Xeグラフィックス |
メモリー | 32GB |
ストレージ | 1TB(M.2 NVMe SSD) |
ディスプレイ | 13.4インチ OLED 3.5K(3456×2160) タッチディスプレイ |
本体サイズ | 高さ:14.8mm 幅:259.7mm 奥行:198.7mm |
重量 | 約1.2kg |
XPS 13(9310)の外観
かつて、ビジネス向けのノートPCといえば、かなり野暮ったい製品が多かった印象ですが、このXPS 13(9310)はスタイリッシュなデザインをしています。
天板はおそらくアルミ合金製だと思いますが、非常に質感が高いです。天板中央近くには、DELLのロゴマークがあしらわれています。
裏面の中央近くには、XPSのロゴがあしらわれています。また、排気口もあります。
重量は実測で1226gでした。13インチサイズのノートパソコンとしては、非常に軽く、持ち歩きがほとんど苦にならないです。幅が259.7mm、奥行198.7mmなので、A4サイズのノートより少しだけ大きいサイズ感なので、カバンに入れての持ち運びも楽です。
バッテリーの重量は実測で234gでした。バッテリーの小型かつ軽量です。
厚みも非常に薄いです。
左側面には、USB Type-C(Thunderbolt 4対応)×1、microSDカード スロット x 1、右側面にはUSB Type-C(Thunderbolt 4対応)×1、電源アダプター ポートがあります。
付属のUSB Type-C to USB Type-A変換アダプタを使えば、USB Type-Aのマウス等も使用可能です。
キーボードはテンキーや特殊キーを省略した日本語配列を採用しています。キーピッチは約19mm確保され、さらにキー配置も破綻している箇所もなく、特に打ちづらい印象はなかったです。ただ、スペースキーはやや短いので慣れが必要です。
電源ボタンは右上に配置。周辺にdelete、backspaceキーがあるため、誤って電源ボタンを押してしまう可能性があります。個人的には電源ボタンはキー配置ではなく、別で配置してほしかったです。
キーストロークはかなり浅く、感触としては固い印象です。ただ、その分、はっきりと打鍵感を感じたのでその点はよかったです。
キーボードはバックライトに対応しています。
マウスパッドは十分すぎるスペースが確保されているので、操作しやすいです。
ディスプレイのサイズは13.4インチで、解像度は3456×2160です。一般的な16:9ではなく、縦方向に少し長い16:10を採用しています。いわゆる3.5Kなので、非常に高解像度です。小型のノートPCでこれだけの高解像度のディスプレイを採用しているのは非常に珍しいです。
輝度は400-nitとノートPCとしてはかなりの高輝度なので、画面が非常に明るいです。
文字も非常に高精細です。
色域は公開されていないので正確にはわかりませんが、非常に色鮮やかなので、一般的な作業はもちろん、色味を重視するクリエイティブ作業も可能です。また、IPS液晶なので視野角は非常に広いです。
ディスプレイの開閉はこの角度が限界でした。
ディスプレイはタッチ対応です。
ディスプレイ上部にはwebカメラがあります。
XPS 13(9310)のパフォーマンスを検証
ここからは「XPS 13(9310)」のベンチマーク結果を交えつつ、実際のパフォーマンスを検証していきたいと思います。
あらためて、「XPS 13(9310)」のスペックをおさらいすると、CPUはCore i7-1185G7でメモリ容量は32GB、ストレージは1TB PCI Express 3.0 M.2 SSD、グラフィックスはCPU内蔵のIris Xe Graphicsです。
Cinebench
Core i7-1185G7はノートPC向けのCPUということもあり、4コア8スレッドなので、マルチスコアはあまり伸びませんでした。とはいえ、シングルスコアに関しては優秀な結果を残しました。ビジネス用途であれば十分すぎるほどのパフォーマンスです。
3DMark Night Raid
3Dベンチマークソフト「3DMark」のAPIにDirect X12を使用する、軽量級テスト「Night Raid」のパフォーマンスをチェックします。
内蔵GPUにIris Xe Graphicsを搭載していることもあって、総合スコアは10,000を超えました。とはいえ、ゲームを本格的にプレーする3D性能はさすがにないので、過信は禁物です。
PC Mark 10
「PCMark 10」は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。各テストのスコアが目標値を上回ることで、その分野では快適に使える可能性が高くなります。
「Digital Content Creation (コンテンツ制作)」は小規模クラスの作品作りを対象としていることもあって、テスト内容の処理が軽いです。
結果ですが、どのテストでも目標値は超えています。特にシングルコア性能が強く影響する「Essentials (一般利用)」、「Productivity(ビジネス利用)」のスコアが高いです。また「Digital Content Creation (コンテンツ制作)」のスコアも、外部GPU非搭載機種として考えると優秀な結果です。
「XPS 13(9310)」は軽量コンパクトなモバイルノートPCでありながらも、オールマイティに作業がこなせる性能を持っています。
ゲーム性能
ドラゴンクエスト10ベンチマーク(1920×1080、最高品質)のスコアは8648でとても快適判定でした。
FF14ベンチマーク(1920×1080、標準品質)のスコアは5171で普通判定でした。
ゲームは基本的にグラフィックス処理が重いので、外部GPU非搭載機種の「XPS 13(9310)」のスコアはあまり期待していませんでした。
ところが、ドラゴンクエスト10ベンチマーク(1920×1080、最高品質)は快適判定、FF14ベンチマーク(1920×1080、標準品質)は普通判定でした。
内蔵GPUで処理の重いゲームをそこそこ快適にプレーできそうなのは驚きでした。
発熱
Cinebench R23実行時のCPU温度と、筐体の温度を検証してみました。
CPU温度は最大で100℃に到達し、その後徐々に温度が下がっています。おそらくサーマルスロットリングが起きて、強制的にクロックが下がり、CPU温度が低下したものだと思われます。
やはりノートPCなだけあって、CPU温度の冷却は厳しいものがあります。
サーマルカメラで、Cinebench R23実行時のキーボードの温度分布を調べてみました。
キーボード上部が40℃前半まで発熱します。実際キーに触ってみると熱さを感じます。
騒音
アイドル時はほぼ無音。高負荷時でも35dbAと、騒音はほとんど気になりません。
まとめ
「XPS13(9310)」はA4サイズ並みで、1kg前半のコンパクトな筐体です。にもかかわらず、なかなかのパフォーマンスを実現しています。
持ち運びが容易なハイパフォーマンスなノートPCを探している方には、ピッタリかと思います。
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