DeepCoolのAK400をレビュー!虎徹 MarkII Rev.Bの最強ライバル出現
ここ最近、ASSASSIN Ⅲなど、魅力的なCPUクーラーを出し続けているDeepCool。そんなDeepCoolから待望の低価格帯CPUクーラーの「AK400」が発売されました。
低価格帯には超定番CPUクーラーの虎徹 MarkII Rev.Bがありますが、果たしてAK400は、その牙城を崩せるのか、比較レビューしていきたいと思います。
AK400の仕様
製品寸法 | 127×97×155 mm |
ヒートシンク寸法 | 120×45×152 mm |
ファン寸法 | 120×120×25 mm |
ファン回転数 (PWM可変) | 500~1,850rpm ±10% |
ノイズ | 最大29dBA |
風量 | 66.47CFM |
対応CPU | Intel:LGA1700/1200/1151/1150/1155 AMD:AM4 |
重量 | 661 g |
ヒートパイプ | 4本(直径6mm) |
付属品 | リテンションキット、ファンクリップ2組、グリス、マニュアル |
保証 | 1年 |
AK400の付属品をチェック
AK400付属品一覧
AK400の内容物はマニュアル、ヒートシンク(ファン装着済)、付属品の3つで構成されています。
付属品一覧です。それぞれ詳しく見ていきます。
- AMD用スタンドオフとネジ
- インテル用スタンドオフとネジ
- マウンティングプレート
- ファンクリップ
- インテル用バックプレート
①AMD用スタンドオフとネジ
AMD用のスタンドオフです。オレンジ色なのでわかりやすいです。
AMD用ネジです。インテル用のと比べて少し長いです。
②インテル用スタンドオフとネジ
インテル用のスタンドオフです。LGA1700対応と、LGA115x対応の2種類あります。文字が刻まれているので、判別がつきやすいです。
③マウンティングプレート
マウンティングプレートです。これ1つですべてのソケットに対応します。
④ファンクリップ
ファンクリップです。装着済みのも含めれば、ファンクリップは計4本あるので、別途、120mmファンを買えば、デュアルファン化も可能です。
⑤インテル用バックプレート
インテル用バックプレートです。4隅のピンを外側にずらすと「LGA1700」対応に、内側にずらすと「LGA1200」、「LGA1151」、「LGA1150」、「LGA1155」対応になります。
なお、AMDの場合、マザーボード付属のバックプレートをそのまま使用します。
AK400の外観
寸法
AK400のヒートシンクの寸法です。高さは152mm、横幅は120mmです。
奥行は45mmです。
ファン込みの奥行は70mmです。
ヒートシンクの重量は523gでした。
放熱フィン
フィンのデザインはかなり独特で、独自のマトリックスフィンデザインが採用されています。市松模様みたいです。
トップカバー
トップはむき出しではなく、黒いカバーで覆いかぶさっています。カバーの周りには金属製の枠で囲まれています。DeepCoolのロゴがワンポイントになっています。
受熱ベースプレートとヒートパイプ
受熱ベースプレートです。グリスが最初から塗布されていたので、ふき取りました。むき出しのヒートパイプで直接CPUを冷やす、ダイレクトタッチ方式は採用されています。
厚みのある受熱ベースプレートに4本のヒートパイプが貫通しています。ヒートパイプはニッケルメッキ処理済みで、酸化を防ぎます。
受熱ベースプレートの上には放熱フィンが施されています。
ベースプレートの厚みは14.1mmでした。
冷却ファン
冷却ファンです。四隅には防振ゴムが装着されています。ファンの回転数は500~1,850rpmで、風量は最大66.47CFMです。
AK400の取り付け方法
実際にAK400をはマザーボードに取り付けていきます。今回はインテルLGA1700のMSI PRO B660M-Aを使って、AK400を取り付けていきます。
まずバックプレートの4隅のピンを外側にずらし、LGA1700対応にします。
マザーボードの裏からバックプレートを装着します。
4本のピンにスタンドオフを取り付けます。
向きに気を付けながら、スタンドオフの上にマウンティングプレートを仮載せし、ネジでしめて固定します。
CPUグリスを塗ります。なお、今回は付属のグリスではなく、MX-4を使用します。付属のグリスを使用する際は、初めからグリスがベースプレートに付着しているので、この工程は必要ありません。
ヒートシンクをマウンティングプレートに仮載せし、ネジを締めて固定します。両側を交互に少しずつ締めるのがポイントです。
ファンクリップをヒートシンクにひっかけて冷却ファンを固定します。
取り付け完了です。
虎徹 MarkII Rev.Bのように「オフセット設計」は採用されていませんが、ヒートシンクの厚みはそこまでないので、メモリ、ビデオカード、VRMヒートシンクとの物理的な干渉はありませんでした。
AK400の性能を検証
AK400の性能を虎徹 MarkII Rev.Bと比較して検証したいと思います。
検証で使用したパソコンのスペックは以下の通りです。
CPU | core i7-12700 (amazon / ツクモ | |
CPUクーラー | AK400(amazon / ツクモ | 虎徹 MarkII Rev.B(amazon / ツクモ |
CPUグリス | MX-4(amazon / ツクモ | |
マザーボード | MSI PRO B660M-A(amazon / ツクモ | |
メモリ | DDR4-3200 8G×2(KD48GU880-32A160U) (amazon) | |
グラフィックボード | RTX3060(amazon / ツクモ | |
ストレージ | Crucial P2 1TB(amazon / ツクモ | |
電源ユニット | 750W(V750 Semi-Modular RS750-AMAAG1-JP) (amazon) | |
OS | Windows 11 Home(amazon / ツクモ | |
PCケース | SMZ-2WBT-ATX(amazon / ツクモ | |
Nvidia ドライバ | 512.59 |
CPUのCore i7-12700は無制限解除すると、200W近くの電力が消費され、膨大な熱が発生します。CPUクーラーのテストにはうってつけです。
なおベンチマークソフトはPRIME95を使用します。無制限解除時、CinebenchR23では最高で160Wくらいの消費ですが、PRIME95では200W近く消費します。
よりCPU温度の高い状況を作りだせるので、PRIME95を選択しました。
今回は「アイドル」、「65W制限」、「125W制限」、「無制限解除」、「ゲーム(FF15ベンチマーク)中」と、5つのパターンで、それぞれの冷却性能、ノイズ、ファンの回転数を計測します。
CPUクーラーと測定器の間の距離は30cmに設定して、ノイズを計測します。
なお、PCケース内に収めず、ベンチ台のSMZ-2WBT-ATXを使用します。部屋の温度はエアコンなしの30度と高めです。
アイドル時
AK400 | 虎徹 MarkII Rev.B | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 48度 | 50度 |
CPU温度(最高) | 55度 | 57度 |
ファンの回転数(平均) | 910rpm | 386rpm |
ノイズ | 37.1dBA | 37.1dBA |
アイドル時のCPUの平均温度、最高温度ともにAK400の方が2度ほど冷えています。ノイズはほぼ同じです。両方ともファンの音は全く気になりません。
また回転数は圧倒的にAK400の方が多いのですが、ノイズに大きな差がなかったです。
65W制限時
AK400 | 虎徹 MarkII Rev.B | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 54度 | 54度 |
CPU温度(最高) | 57度 | 57度 |
ファンの回転数(平均) | 1275rpm | 721rpm |
ノイズ | 約37.2dBA | 約37.4dBA |
CPU温度(平均)、CPU温度(最高)ともに、AK400と虎徹 MarkII Rev.Bに違いはほとんどなく、全くの互角といった感じです。ノイズに関しても、ほぼ同等レベルです。両方ともほとんど気にならないレベルです。
また回転数は圧倒的にAK400の方が多いのですが、ノイズに大きな差がなかったです。
125W制限時
AK400 | 虎徹 MarkII Rev.B | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 72度 | 72度 |
CPU温度(最高) | 74度 | 74度 |
ファンの回転数(平均) | 1829rpm | 1149rpm |
ノイズ | 約39dBA | 約37.8dBA |
CPU温度(平均)、CPU温度(最高)ともに、AK400と虎徹 MarkII Rev.Bに違いはほとんどなく、全くの互角といった感じです。ノイズに関しては、若干AK400の方が大きいですが、両方ともほとんど気にならないレベルです。
無制限解除時
AK400 | 虎徹 MarkII Rev.B | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 99度 | 98度 |
CPU温度(最高) | 102度 | 101度 |
ファンの回転数(平均) | 1814rpm | 1525rpm |
ノイズ | 約39.4dBA | 約42.3dBA |
AK400と虎徹 MarkII Rev.B、両方とも100度に到達しています。明らかに冷却力不足です。ノイズに関してはAK400のほうが静かでした。
AK400のファンの回転数は125W制限時と変化なかったです。一方、虎徹 MarkII Rev.Bは、無制限解除時で、MAXのファンの回転数になりました。
ノイズに関しては明らかに虎徹 MarkII Rev.Bの方がうるさかったです。
FF14ベンチマーク実行時
無制限解除をした上で、FF14ベンチマークを実行して、計測しました。AK400のほうが、旧虎徹 MarkIIよりCPU温度(平均)、CPU温度(最高)ともに4度冷えています。
prim95などの一般的なベンチマークよりも、ゲームベンチの方でかなりの差がついた印象です。
まとめ
今回の検証を通して、AK400は間違いなく、虎徹 MarkII Rev.Bの存在を脅かす存在になると確信しました。
冷却性能は高く、さらに静音性も高い。さらにさらに価格の割にデザイン性や質感も高いので、正直欠点を探すのは難しいです。低価格帯のCPUクーラーを探しているのなら、これ一択と言っても過言ではないような気がします。
あえて虎徹 MarkII Rev.Bを選ぶ必要はないと思います。
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