


CPUの冷却に欠かせないのがCPUクーラーですが、地味ながら重要なのがCPUグリスです。同じように見えても、製品によって冷却性能や塗りやすさには意外と違いがあります。
今回レビューするのは、冷却性能の高さで注目されているNinja 060です。比較対象には、定番CPUグリスとして長く愛用されているARCTIC MX-4を選びました。
「Ninja 060は実際にどれくらい冷えるの?」、「MX-4と比べて性能に違いはある?」、「初心者でも塗りやすい?」といった疑問を解消するため、実際に両製品を使用し、冷却性能と塗りやすさを中心に徹底比較します。
果たしてNinja 060は、定番のMX-4に対抗できるCPUグリスなのでしょうか?
この記事では、実際の使用感や温度測定の結果をもとに、Ninja 060の実力をわかりやすくレビューしていきます。
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| 名称 | 非シリコーン系熱伝導性グリース |
|---|---|
| 品番 | Ninja 060 |
| 熱伝導率 | データ非公開 |
| 内容量 | 1.5g |
| 推奨使用温度 | -50~125℃ |
Ninja 060(ニンジャ グリス 060)は、株式会社Commproが運営するブランド「Ninja Grease Japan」が手がける、高品質な日本製のCPU向けサーマルグリスです。
本製品の最大の強みは、一般的にCPUグリスによく使われる揮発性溶剤、シリコーンを排除した点です。
これによって、ブリードアウト(にじみ出し)や、硬化を防ぎ、長期間にわたり安定した性能を発揮します。また、シロキサンガスが原因となる接点障害などのトラブルも抑制できます。
| 製品 | 熱伝導性 | 塗りやすさ | 想定TDP | CPUの目安 |
|---|---|---|---|---|
| Ninja 010 | ★★ | ★★★★★ | Low TDP | Core i3クラス |
| Ninja 030 | ★★★ | ★★★★ | Mid TDP | Core i5クラス |
| Ninja 050 | ★★★★ | ★★★ | High TDP | Core i7クラス |
| Ninja 060 | ★★★★★ | ★★ | Ultra High TDP | Core i9 / Xeonクラス |
Ninjaグリスには、いくつか種類がありますが、今回レビューするNinja 060は、最高グレードに位置し、熱伝導性が最も高いです。


Ninja 060のパッケージです。忍者のシルエットが施されています。


本体です。内容量が1.5gと少なめなので、細長いです。


ヘラです。CPUグリスを塗布するときに使います。


取り扱い説明書です。


| CPU | Core Ultra 7 270K Plus |
|---|---|
| マザーボード | ASRock B860M LiveMixer WiFi |
| CPUクーラー | Cooler Master Hyper 212 3DHP |
| メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-4800 |
| システム用SSD | KIOXIA EXCERIA 1TB |
| 電源 | MSI MAG A850GL PCIE5 |
| PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX |
| OS | Windows 11 HOME |
| 室温 | 25℃ |
検証環境です。


CPUはCore Ultra 7 270K Plusを使用します。
Core Ultra 200SシリーズのリフレッシュモデルのCPUで、24(P8+E16)コア24スレッドと、Core Ultra 9 285Kと同じコア数スレッド数となっています。
PL1は125W、PL2は250WとTDPはかなり大きく、発熱はかなり高めのCPUです。


今回は、Intel Default Base Lineを適用して、PL1は125W、PL2は177Wに設定しています。




CPUクーラーはCooler Master Hyper 212 3DHPを使用します。ベースプレートから上向きに伸びている「3DHPヒートパイプ」を採用したCPUクーラーで、120cmファンのサイドフロー型としてはトップクラスの冷却性能があります。




CPUグリスはNinja 060に加え、ARCTIC MX-4を使用し、比較検証します。
| 価格 | 内容量 | |
|---|---|---|
| Ninja 060 | 1,480円 | 1.5g |
| ARCTIC MX-4 | 840円 | 4g |
価格だけを比較すると、MX-4の方が圧倒的に安いです。
1gあたり、Ninja 060は987円なのに対して、MX-4はわずか210円で済みます。
Ninja 060はハイエンド用途向けとして位置付けられており、コスパが売りのMX-4と比較すると価格面では不利があります。


MX-4は柔らかく伸びが良いため、塗り伸ばしやすいです。たとえ、中央1点盛りでも、ある程度広がります。


Ninja 060は全体的に固いため、伸びにくく、全体に広がりにくいです。上記の画像は1.5g全てを使用しましたが、それでもCPU全体に塗布することはできませんでした。
CPUの塗布面をドライヤーなどで60℃くらいに温めると、粘度が下がり、塗布しやすくなります。


CINEBENCH 2026を10分間連続して、CPU温度を計測します。
| 平均 | 最高 | |
|---|---|---|
| MX-4 | 67℃ | 77℃ |
| Ninja 060 | 66℃ | 76℃ |
MX-4を使用した場合、CPUの平均温度は67℃、最高温度は77℃でした。一方、Ninja 060は平均温度は66℃、最高温度は76℃でした。
今回の測定では、Ninja 060のほうがMX-4より平均温度・最高温度ともに1℃低いという結果でした。


今回の結果だけを見ると、コストパフォーマンスではMX-4のほうが優秀といえそうです。
もちろん、CPUやCPUクーラー、負荷、室温などによって結果は変わります。そのため、今回の結果だけで「Ninja 060はコスパが悪い」と断定することはできません。
しかし、少なくとも今回の検証では、
「Ninja 060はMX-4と比べた場合、温度低下は1℃だった」
という結果になりました。
そのため、少しでも温度を下げたいという目的でなければ、安価で容量も多いMX-4のほうがコストパフォーマンスに優れていると感じます。
一方で、ハイエンドCPUを使用していて、1℃でも温度を下げたい場合には、Ninja 060を選ぶ価値があると思います。