Ryzen 5 4500は2022年6月に発売されたAMDのデスクトップ向けCPUです。
Zen 2アーキテクチャを採用している6コア12スレッドのCPUです。
旧世代のCPUですが、なんといっても価格が安いです。性能よりもとにかく安いCPUを求めている方にぴったりのCPUとなっています。
今回の記事ではRyzen 5 4500のゲーミング性能とクリエイティブ性能を検証し、Ryzen 5 4500を搭載した、おすすめゲーミングPCを紹介します。
Ryzen 5 4500とは
CPUアーキテクチャー | ZEN2 |
コア/スレッド | 6/12 |
ベースクロック | 3.6GHz |
ブーストクロック | 4.2GHz |
L2キャッシュ | 3MB |
L3キャッシュ | 8MB |
TDP | 65W |
内蔵グラフィック | なし |
対応ソケット | AM4 |
参考価格 | 13,000円~※2024年7月現在 |
Ryzen 5 4500は、ZEN2アーキテクチャーを採用したCPUです。4000番台の数字がついていることから分かるように旧世代のCPUです。
発売日は2022年6月ということで、その時点で当時最新のRyzen 5000シリーズのCPUは発売済みでした。にも関わらず、あえて旧世代のCPUを発売したことで当時話題になりました。
旧世代のCPUなので当然性能には期待できません。特にゲームで重要となるL3キャッシュはわずか8MBです。
例えば、Ryzen 7 5700Xは32MBとそれなりのL3キャッシュを搭載しています。
Ryzen 5 4500は性能は二の次で価格に全振りした、低価格CPUと言えます。
競合は同じ6コア12スレッドのCore i5-12400あたりが考えられます。
Ryzen 5 4500のパッケージです。リテールクーラーは付属するので、それなりに厚みはあります。
ヒートスプレッダーは正方形の形をしています。裏面はCPUソケットのピンと接触するための接点がびっしりと埋め込まれています。ちなみにピンになっているので、折らないように取扱いに注意が必要です。
リテールクーラーの「Wraith Stealth cooler」が付属します。
「CPU-Z」で仕様を確認。
テスト環境
検証環境 | |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 4500 |
GPU | Manli RTX 4070 Ti Super Gallardo レビュー記事 |
CPUクーラー | サイズ MUGEN6 Black Edtion レビュー記事 |
CPUグリス | EVERCOOL Thermal GS-04 |
マザーボード | ASUS PRIME B550M-A |
メモリ | Crucial CT2K16G4DFRA32A(DDR4-3200/16GB×2) |
ストレージ | Western Digital WD_BLACK SN770 NVMe 1TB レビュー記事 |
電源ユニット | Corsair RM750e |
PCケース | 長尾製作所 SMZ-2WBT-ATX レビュー記事 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
マザーボードは、B550チップセット搭載のASUS PRIME B550M-Aを使用。
GPUはRTX 4070 Ti SUPERを使用。RTX 3090以上の性能を発揮するハイエンドのGPUです。
メモリは16GB×2の32GB容量のCrucial CT2K16G4DFRA32Aを使用。今回の検証ではJEDEC準拠のDDR4-3200に設定しています。
CPUクーラーは空冷のサイズ MUGEN6 Black Edtionを使用。
Ryzen 5 4500のゲーミング性能を検証
3DMark Fire Strike
3D MarkのFire Strikeです。
Ryzen 5 4500は29,461というスコアを記録。
Core i5-12400に対して、約15%下回っています。
3DMark Time Spy
3D MarkのTime Spyです。
Ryzen 5 4500は16,054というスコアを記録。
Core i5-12400に対して、約17%下回っています。
Call of Duty: Modern Warfare III
Call of Duty: Modern Warfare IIIです。グラフィックは一番負荷の重い極限に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドット、2560×1440ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400がトップで横並びとなりました。
3,840×2,160ドットではすべてのCPUが横並びとなっています。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077です。グラフィックは一番負荷の重いウルトラに設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KFがトップで横並びとなっています。
2560×1440ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Ryzen 7 5700X、Core i5-12400がトップで横並びとなりました。
3,840×2,160ドットではすべてのCPUが横並びとなっています。
Deus EX
Deus EXです。グラフィックは一番負荷の重いウルトラに設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドットでは、トップがRyzen 7 7800X3D、次点でCore i5-14600KFとなりました。
2560×1440ドットでは、トップがCore i5-14600KFで、次点でCore i5-14400F、Ryzen 5 7500F、Core i5-12400、Ryzen 7 7800X3Dが横並びとなっています。
3,840×2,160ドットでは、トップがRyzen 5 7500Fで、次点でRyzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400、Ryzen 7 5700Xが横並びとなりました。
Far Cry 6
Deus EXです。グラフィックは一番負荷の重い最高に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドット、2560×1440ドットでは、トップがRyzen 7 7800X3D、次点でCore i5-14600KFとなりました。
3,840×2,160ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400がトップで横並びとなりました。
FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシー
FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシーです。グラフィックは一番負荷の重い最高に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドット、2560×1440ドットでは、トップがRyzen 7 7800X3D、次点でCore i5-14600KFとなりました。
3,840×2,160ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400、Ryzen 7 5700Xがトップで横並びとなりました。
Fortnite
Fortniteです。グラフィックは一番負荷の重い最高に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドット、2560×1440ドットでは、トップがRyzen 7 7800X3D、次点でCore i5-14600KFとなりました。
3,840×2,160ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KFがトップで横並びとなりました。
Ghost of Tsushima
Ghost of Tsushimaです。グラフィックは一番負荷の重い最高に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドットでは、トップがCore i5-14600KF、次点でRyzen 7 7800X3Dとなりました。
2560×1440ドットでは、Core i5-12400、Core i5-14600KF、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 5 7500Fがトップで横並びとなりました。
3,840×2,160ドットでは、Core i5-12400、Core i5-14600KF、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 5 7500Fがトップで横並びとなりました。
Tom Clancy’s Rainbow Six Extraction
Tom Clancy’s Rainbow Six Extractionです。グラフィックは一番負荷の重い最高に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドットでは、トップがCore i5-14600KF、Ryzen 7 7800X3D、Ryzen 5 7500F、Ryzen 7 5700Xがトップで横並びとなりました。
2560×1440ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400、Ryzen 7 5700Xがトップで横並びとなりました。
3,840×2,160ドットでは、すべてのCPUが横並びとなりました。
Assassin’s Creed Mirage
Assassin’s Creed Mirageです。グラフィックは一番負荷の重い最高に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドットでは、トップがCore i5-14600KF、次点でRyzen 7 7800X3Dとなりました。
2560×1440ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KFがトップで横並びとなりました。
3,840×2,160ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400、Ryzen 7 5700Xがトップで横並びとなりました。
Watch Dogs: Legion
Assassin’s Creed Mirageです。グラフィックは一番負荷の重い最大に設定しています。
平均フレームレートを見ると、1,920×1,080ドットでは、トップがRyzen 7 7800X3D、次点でCore i5-14600KFとなりました。
2560×1440ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KFがトップで横並びとなりました。
3,840×2,160ドットでは、Ryzen 7 7800X3D、Core i5-14600KF、Ryzen 5 7500F、Core i5-14400F、Core i5-12400、Ryzen 7 5700Xがトップで横並びとなりました。
全10ゲームの平均fps
全10ゲームの平均fpsを各解像度ごとにまとめました。
Ryzen 5 4500は、Core i5-12400に対して、フルHD解像度では約45%、WQHD解像度では約30%、4K解像度では約12%下回っています。
CPUによる差が生まれにくい4K解像度ですら、Ryzen 5 4500の平均fpsは他のCPUに比べて一段階低いです。
Ryzen 5 4500はZEN2という古いアーキテクチャーを採用し、さらにL3キャッシュの搭載量も少ないです。それもあってか、正直ゲーム性能は低いです。
今回検証したのはハイエンドのRTX 4070 Ti SUPERですが、ミドルクラス帯のRTX 4060と組み合わせた場合でも、RTX4060の性能を引き出せていなかったので、少なくともゲーム目的で選ぶべきCPUではないと率直に感じました。
Core i5-12400に対して、フルHD解像度では平均fpsが約45%下回るという衝撃的な検証結果の通り、Ryzen 5 4500のゲーム性能はかなり低いと言わざるを得ません。
Ryzen 5 4500のクリエイティブ性能を検証
CINEBENCH R23
CPUの3DCGレンダリング性能を測定するCinebench R23です。
マルチコアにおいて、Ryzen 5 4500は9,037というスコアを記録。
Core i5-12400に対して、約26%下回っています。
シングルスコアにおいて、Ryzen 5 4500は1,190というスコアを記録。
Core i5-12400に対して、約25%下回っています。
Crossmark
クリエイティブ性能を測定するCrossmarkです。
Ryzen 5 4500は1,051という総合評点を記録。
Core i5-12400に対して、約52%下回っています。
Blender Benchmark
3DCGソフトの「Blender」ベースのレンダリングベンチマーク「Blender Benchmark」です。
Ryzen 5 4500は111というスコアを記録。
Corei5-12400に対して、約33%下回っています。
x264 FHD Benchmark
H.264形式のフルHD動画のエンコード性能を測定する、「x264 FHD Benchmark」です。fpsが高いほど、エンコード処理性能が高いことを意味します。
Ryzen 5 4500は42fpsを記録。
Core i5-12400に対して、約27%下回っています。
Ryzen 5 4500はシングル性能が高くなく、おまけに6コア12スレッドと、コア数も多くありません。そのため、クリエイティブ性能は伸び悩みました。
Ryzen 5 4500の消費電力
Ryzen 5 4500の消費電力を確認します。
アイドル時は起動直後10分放置した最低値を、高負荷時は「Cinebench R23:10 minutes」、「FINAL FANTASY XIV:黄金のレガシー」のベンチマーク実行時の最高値を採用し、計測ソフトの「HWiNFO」で情報を取得します。
高負荷時では最大64Wまで上がりました。ゲーム中でも最大36Wと、省電力性能は非常に優秀です。
Ryzen 5 4500のCPU温度とCPUクロック
最後に空冷CPUクーラーのサイズ MUGEN6 Black Edtionを使用して、CPU温度とCPUクロックを確認します。
ストレステストにはこちらも「Cinebench R23:10 minutes」を使用し、計測ソフトの「HWiNFO」で情報を取得します。
CPU温度はおおむね66℃、CPUクロックは4,200MHzでほぼフラットに推移しています。これくらいのCPU温度であれば、リテールクーラーでも十分冷却できます。
Ryzen 5 4500の強みと弱み
強み | 弱み |
---|---|
価格は安い 省電力性能が高い リテールクーラーでも冷却可能 | 古いZEN2アーキテクチャーを採用しているのでCPU性能は高くない ゲーム性能は低い クリエイティブ性能は低い |
Ryzen 5 4500を探してみる
Ryzen 5 4500搭載おすすめゲーミングPC
2024年8月12日(月)に更新しました。
iiyama LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE
スペック | |
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CPU | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 3050 6GB |
メモリ | 16GB(8GB x2) |
ストレージ | 500B M.2 Gen 4 NVMe SSD |
M.2スロット | 2基(空きスロット1) |
マザーボード | Asrock B550M Pro4 (MicroATX) |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
価格 | 99,800円+送料2,200円 |
パソコン工房の「iiyama LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE
「Ryzen 5 4500」は6コア12スレッドのZEN2世代のCPUで、高性能というわけではないですが、RTX 3050あたりのビデオカードとの組み合わせであれば、性能不足を感じることはないです。
CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
ストレージはGen3接続のNVMe SSDの500GBモデルを搭載。できれば1TBへの増設をおすすめします。
メモリはDDR4-3200の16GB(8GB×2)を搭載しています。
マザーボードはMicroATXサイズの「Asrock B550M Pro4」を採用。M.2スロットは2基あり、空きスロットは1基なので、SSDの増設は可能です。
PCケースにはThermaltake製のミニタワーケース「S100 TG」をベースとしたオリジナル筐体を採用。スイングドア方式を採用した強化ガラス製サイドパネルが特徴のPCケースです。
LEDケースファンを搭載しているため、サイドパネルパネルからライティングを楽しめます。
ケースの寸法は幅(W):約220mm x 高さ(H):約441mm x 奥行(D):約411mmです。
メリット | デメリット |
---|---|
コスパは優秀 M.2 NVMe SSDの増設は可能 LEDケースファンを搭載 | クリエイティブ性能は少し弱い ストレージは500GB |
まとめ
Ryzen 5 4500は旧世代のCPUということで性能は正直低いです。
特にL3キャッシュの搭載量が少ないのは致命的で、ゲーム性能は低いです。
価格は安いですが、RTX 4060以上のグラボを使う予定であれば、出来れば避けた方が無難です。間違いなくグラボの性能を引き出せません。
ただし、GTX1650、RTX 3050などエントリークラスのグラボを使う予定であれば、Ryzen 5 4500でも十分性能を引き出せるので、それらのグラボを使用する場合、有力な選択肢になります。
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