おすすめスリム型のPCケース厳選8選!選ぶ際の注意点も解説【2024年】
スリム型のPCケースは幅が狭いこともあって、デスク回りにスペースがあまりなくても置けるので、昔から人気が高いPCケースです。
ただ、残念ながら昨今、スリム型PCケースの人気は昔に比べるとなくなりつつあり、それに伴って種類がかなり少なくなってしまいました。
いざスリム型のPCケースを購入しようとしても、選び方が分からず、迷っている方はかなり多いのではないでしょうか?
そこで今回は、スリム型PCケースを選ぶ際の注意点を解説し、おすすめのスリム型PCケースを厳選して8つ紹介したいと思います。
スリム型のPCケースとは
スリム型のPCケースとは、その名の通り、横幅が狭くてスリムなPCケースのことです。
PCのケースの幅が狭いと、わずかなスペースでも置くことができます。
また、スリム型のPCケースの多くは横置きにも対応しているので、モニターの下の空いたスペースに置くことも可能です。
スリム型のPCケースを選ぶ際の注意すべきポイント
スリム型のPCケースの構造は一般的なPCケースとかなり異なるので、注意すべきポイントがいくつかあります。
マザーボードはMicro ATXかMini ITXに制限
スリム型のPCケースはまず間違いなく、ATXサイズのマザーボードには対応していません。大抵の場合、Micro ATXとMini ITX対応となっています。
また、ごく一部、Mini ITXのみ対応という場合もあります。
ビデオカードはほぼロープロファイルモデルのみ使用可能
スリム型のPCケースは幅が狭いのが最大のメリットですが、そのせいで、搭載できるビデオカードは制限が厳しいです。一部のモデルを除いて、ロープロファイルのモデルに限定されるからです。
通常サイズのビデオカードを搭載しようとしても、PCケースからはみ出す形になるので、搭載不可能です。
ただ、ロープロファイルモデルのある、ビデオカードは数が少なく、また基本的に性能の低い、ローエンドモデルが中心となります。
エアフローは劣悪
スリム型のPCケースは小型ゆえに、内部のスペースに余裕がありません。そのため、配線でグチャグチャになりやすく、さらにケースファンを多くつける余裕もありません。ケース内部のエアフローは悪化しやすいです。
また、使用できるCPUクーラーも冷却力に期待できない背の低いトップフロー型(リテールクーラー含む)のみという制限があります。サイドフロー型のCPUクーラーをつけようとしても、ほぼ間違いなく、高さ制限にひっかかります。
もし発熱があまりにも多いCPUを使用した場合、冷却力が間に合わなくなり、サーマルスロットリングに陥る可能性もあります。
また、CPUだけでなく、場合によってはビデオカードやストレージ等ほかのパーツの温度も高くなる可能性も十分あり得ます。
ATX電源は使えない
一般的なPCケースに搭載できる電源は、たいていの場合、ATX電源ですが、スリム型のPCケースにはまず搭載できません。
そのため、SFXやTFX、Flex TFXといったサイズが小さい規格の電源を使う必要があります。
SFX、TFXやFlex TFX電源はATX電源より種類が少なく、おまけに高価です。そのため、電源に余計なコストがかかりやすいです。
ただ、幸いスリム型のPCケースは、初めから電源が搭載済みという場合も多いです。コスパを重視するのなら、電源搭載済みのPCケースを選ぶのも一つの手です。
あれこれ考えるのが面倒という方はスリムケース採用のBTOパソコンもおすすめです↓。
おすすめスリム型のPCケース8選
おすすめのスリム型のPCケースを厳選して8つ紹介します。
Antec VSK2000-U3
スリムケースで昨今、日本で最も人気が高いといっても過言ではないのが、Antec VSK2000-U3です。
youtubeやブログを見る限り、このケースを使っている人を良く見かけます。
Antec VSK2000-U3はメンテナンス性の良さに優れています。ほとんどの箇所で道具を一切使わない、いわゆるツールレスでメンテナンスが行えます。
特にクイックリリースを実現する独自のドライブマウント設計を採用しているのは、大きな特徴です。ツールレスで簡単にドライブを取り外しできます。
対応マザーボードはMicro ATX / Mini ITXで、さらにビデオカードも最大200mmまで対応です。縦置きスタンドも付属しているので、縦置きが可能となっています。
Antec VSK2000-U3の仕様 | |
対応マザーボード | Micro ATX / Mini ITX |
対応CPUクーラー | 最大65mm |
対応ビデオカード | 最大200mm |
ドライブベイ | 5.25″ ×1 |
3.5″ ×1 | |
2.5″ ×1 | |
対応ケースファン | フロント:90mm×1 |
対応電源 | TFX ※最大125mmまで |
I/Oポート | USB 3.0×2、Audio in/out×1 |
重量 | 約3kg |
容積 | – |
外形寸法 | 縦置き:W100mm×D380mm×H338mm 横置き:W338mm×D380mm×H100mm |
その他 | 縦置き、横置き両対応 |
Fractal Design Node 202
デザイン性、質感の高さで人気の高いFractal Design。特にDefineシリーズのPCケースは静音性が高く、ベストセラーとなっており、日本でも人気が高いPCメーカーです。
そんなFractal Designのスリムタワー型のPCケースがFractal Design Node 202です。
デザイン性、質感の高さは健在ですが、このPCケースの最大の特徴がスリムタワー型のPCケースでありながら、最大310mmのフルサイズのビデオカードを搭載可能という点です。
すべてのスリムタワー型のPCケースの中で、フルサイズのビデオカードが搭載できるのは、おそらくこのFractal Design Node 202位です。
その分、ビデオカードの発熱は心配ですが、特殊なレイアウトを採用しているので、マザーボードとビデオカードは離れた場所に配置され、ある程度のエアフローは確保されています。
もちろん、縦置きスタンドも付属するので、縦置きも可能です。ただ、残念ながら対応マザーボードはMini ITXのみとなっています。
Fractal Design Node 202の仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 最大56mm |
対応ビデオカード | 最大310mm |
ドライブベイ | 2.5″ ×2 |
対応ケースファン | 120mm ×2 ※オプション / ビデオカード未装着時のみ |
対応電源 | SFX ※最大130mmまで |
I/Oポート | USB 3.0×2、Audio in/out×1 |
重量 | 3.5 kg |
容積 | 10.2L |
外形寸法 | 縦置き:W88mm×D380mm×H377mm 横置き:W377mm×D332mm×H88mm |
その他 | 縦置き、横置き両対応 |
INWIN IW-BL057B/300B / IW-BL634W/300B2
INWINの「IW-BL057B/300B」と「IW-BL634W/300B2」は、フロントパネルのデザイン、重量以外は、同様の仕様となっている、いわば兄弟機種みたいなものです。
IW-BL057B/300Bのフロントパネルはオーソドックスなものですが、IW-BL634W/300B2のほうはフロントパネルを開け閉めできるので、USBポートや光学ドライブを隠すことが可能となっています。
この両PCケース、作り自体はオーソドックスですが、80PLUS BRONZE認証の300Wの電源が初めから搭載されているので、別途電源を購入する必要はないのは大きなメリットです。
対応マザーボードはMicro ATX / Mini ITXです。縦置きスタンドも付属しているので、縦置きが可能となっています。
INWIN IW-BL057B/300B / IW-BL634W/300B2の仕様 | |
対応マザーボード | Micro ATX / Mini ITX |
対応CPUクーラー | 最大56mm |
対応ビデオカード | 最大200mm |
ドライブベイ | 5.25″ ×1 |
3.5″ ×1 | |
シャドウベイ:3.5″ × 2 | |
対応ケースファン | フロント:80mm×1 |
対応電源 | TFX電源 ※搭載済み |
I/Oポート | USB3.0×2、USB2.0×2、Audio in/out×1 |
重量 | 5.09kg(IW-BL057B/300B) / 5.42kg(IW-BL634W/300B2) |
容積 | 11.5L |
外形寸法 | 縦置き:W187mm×D416mm×H346mm 横置き:W330mm×D416mm×H96mm |
その他 | 縦置き、横置き両対応 |
サイズ OTTER
サイズ OTTERはコスパの高いスリム型のPCケースです。
このサイズ OTTERははじめからSFX300W電源搭載済みです。それでいて市場価格は6,000円ほどです。
SFX電源とPCケース、それぞれ別で購入すると余裕で1万円を超えてくるので、それを考えると破格の安さです。
ただ、別の視点で見ると、安すぎて個人的にはちょっと不安です。
電源はBronze認証がないので、おそらくStandard認証だと思いますし、PCケース自体の剛性感や工作精度も不安です。
実際購入された方の感想を見ると、電源や工作精度に不満を持っている方もちょくちょく見かけました。また、横置きには対応せず、縦置きのみ対応というのもデメリットです。
ただ、それでもこのコスパの高さは何物にも代えがたい魅力です。
サイズ OTTERの仕様 | |
対応マザーボード | Micro-ATX / Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 最大66mm |
対応ビデオカード | 最大220mm |
ドライブベイ | 5.25″ ×1 |
3.5″ ×2 ※うち1本は5インチベイとの排他利用 | |
2.5″ ×2 ※うち1本は5インチベイとの排他利用 | |
対応ケースファン | トップ:80mm ×1 ※搭載済 ボトム:80mm ×1 |
対応電源 | SFX300W電源 ※搭載済 |
I/Oポート | USB3.0×1、USB2.0×2、Audio in/out×1 |
重量 | 3.25kg |
容積 | – |
外形寸法 | 縦置き:W152mm×D420mm×H315mm |
その他 | 縦置きのみ |
KEIAN KX-M01
サイズ OTTERと同じく、コスパの高いスリム型のPCケースがKEIAN KX-M01です。
KEIAN KX-M01もはじめからSFX300W電源搭載済みなので、別途、電源の購入が必要ないです。前面パネル以外のデザインは、サイズ OTTERとそっくりです。
サイズ OTTERと同じく、安すぎるゆえの不安感はつきまといます。
しかも、このKEIAN KX-M01は、サイズ OTTERよりも市場価格で約1,000円ほど安いです。スリム型のPCケースとしては最安のモデルとなっています。
値段相応のクオリティということをある程度覚悟しておけば、このコスパの高さは非常に魅力的です。
KEIAN KX-M01の仕様 | |
対応マザーボード | Micro-ATX / Mini-ITX |
対応CPUクーラー | – |
対応ビデオカード | – |
ドライブベイ | 5.25″ ×1 |
3.5″ ×1 | |
2.5″ ×1 | |
対応ケースファン | – |
対応電源 | SFX300W電源 ※搭載済 |
I/Oポート | USB3.0×1、USB2.0×1、Audio in/out×1 |
重量 | – |
容積 | 14.4L |
外形寸法 | 縦置き:W116mm×D415mm×H300mm |
その他 | 縦置きのみ |
SilverStone ML11B
スリム型のPCケースは発売日が新しいものでも、過去の焼き直しといったことが多々ありますが、このSilverStone ML11Bはおそらく完全に新設計だと思われます。
マザーボードの上にドライブベイがのる形になるので、エアフローは劣悪そうですが、ほぼすべてのパネルに通気孔が設けられているので、エアフローはそこまで悪くなさそうです。おまけにファンも前面、サイドにつけることができます。
対応マザーボードはMicro ATX / Mini ITXで、横置き、縦置きに対応しています。ただ、縦置き時のスタンドが付属していないので、安定感に欠けそうなのはマイナスです。
最新の設計思想が反映されたスリム型のPCケースを探しているのなら、このSilverStone ML11Bはおすすめです。
SilverStone ML11Bの仕様 | |
対応マザーボード | Micro-ATX / Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 最大90mm(ODDブラケットなし) 最大69mm(内部に設置されたODDブラケット, 3.5″ HDDなし) 最大43.4mm(内部に設置されたODDブラケットと3.5″HDD) |
対応ビデオカード | 最大272mm |
ドライブベイ | 9.5mm slim×1 |
3.5″ / 2.5″ x 1 | |
2.5″ x 1 | |
対応ケースファン | 前面:80mm ×1 サイド:80mm ×1 / 60mm ×1 |
対応電源 | TFX |
I/Oポート | USB3.0×2、USB2.0×2、Audio in/out×1 |
重量 | 2.48kg |
容積 | 10.35L |
外形寸法 | 縦置き:W110mm×D285mm×H330mm 横置き:W330mm×D285mm×H110mm |
その他 | 縦置き、横置き両対応 |
IN WIN IW-CJ712B/265B
Micro ATX対応のスリム型のPCケースの中で最も小型なのが、IN WIN IW-CJ712B/265Bです。
縦置き時のサイズは、幅95mm、奥行き276mm、高さ305mm、容積は8Lと、今まで紹介してきたMicro ATX対応のPCケースの中でも圧倒的に小ぶりです。
ただ、その代わり、CPUの上にドライブベイが重なり、おまけにサイドパネルに一切の穴が開いてないので、エアフローは劣悪となっています。
特に発熱の多いCPUだと、サーマルスロットリングが起こる可能性があるので、発熱がおとなしいCPUを使うのが無難です。
また、縦置き用のスタンドが付属しないので、縦置き時の安定感に欠けるのもマイナスです。
IN WIN IW-CJ712B/265Bの仕様 | |
対応マザーボード | Micro ATX / Mini ITX |
対応CPUクーラー | 最大45mm |
対応ビデオカード | 最大185mm |
ドライブベイ | 9.5mm slim×1 |
シャドウベイ:3.5″×1 / 2.5″×1 | |
対応ケースファン | フロント:80mm×1 |
対応電源 | Flex ATX 265W電源 ※標準搭載 |
I/Oポート | USB 3.0×2、USB 2.0×2、Audio in/out×1 |
重量 | 2.86kg |
容積 | 8L |
外形寸法 | 縦置き:W95mm×D276mm×H305mm 横置き:W305mm×D276mm×H95mm |
その他 | 縦置き、横置き両対応 |
IN WIN Chopin-Silver
ビデオカードを搭載する予定がなく、CPUの内蔵GPUしか使わないのなら、IN WIN Chopin-Silverがおすすめです。
Silverという名の通り、銀色のアルマイト処理がされたフロントアルミパネルは安っぽさを微塵も感じさせません。
ビデオカードを搭載しない設計になっているので、サイズを抑えることができ、結果として全てのスリム型のPCケースの中で最小クラスのサイズ感となっています。
IN WIN Chopin-Silverの仕様 | |
対応マザーボード | Mini-ITX |
対応CPUクーラー | 43mmまで |
対応ビデオカード | – |
ドライブベイ | 2.5″ x 2 |
対応ケースファン | – |
対応電源 | 150W電源 ※標準搭載 |
I/Oポート | USB 3.0 x 2 |
重量 | 2.2kg |
容積 | 3.3L |
外形寸法 | 縦置き:W84mm×D217mm×H244mm 横置き:W244mm×D217mm×H84mm |
その他 | 縦置き、横置き両対応 |
まとめ
今回はスリム型のPCケースのおすすめを8つ紹介しました。どれも魅力的ですが、それぞれメリット、デメリットは確実にあるので、じっくり選ぶことをおすすめします。
最後にアドバイスです。
スリム型のPCケースは需要がなくなりつつあるのか、在庫がすぐになくなる傾向があります。つまり、入手性が極めて悪いです。
そのため、在庫があった場合、すぐに購入することをおすすめします。
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