虎徹 MarkII Rev.Bをレビュー!旧虎徹 MarkIIと比較
CPUクーラーのベストセラー、虎徹 MarkIIがリニューアルして、虎徹 MarkII Rev.Bとして生まれ変わりました。
虎徹 MarkII Rev.Bは、旧虎徹 MarkIIと比べて、どこが違うのか、徹底比較してみました。
虎徹 MarkII Rev.Bの仕様
型番 | SCKTT-2100 |
サイズ | 136(W) × 154(H) × 84(D) mm( |
ファンサイズ | 120×120×厚さ26mm(搭載ファン) |
ファン回転数 (PWM可変) | 300(±200 rpm)~ 1500 rpm(±10 %) |
ノイズ | 4.0 ~ 28.6 dBA |
風量 | 16.90 ~ 67.62 CFM |
静圧 | 0.74 ~ 14.71 Pa / 0.075 ~ 1.5 mmH2O |
対応CPU | Intel 1150 / 1151 / 1155 / 1156 / 1200 / 1700 / 2011 / 2011(V3) / 2066 AMD AM2(+) / AM3(+) / AM4 / FM1 / FM2(+) |
重量 | 635 g(付属ファン含む) |
ヒートパイプ | 6mm径×4本(ニッケルメッキ処理済み) |
付属品 | リテンションキット、ファンクリップ2組、グリス、マニュアル |
保証 | 1年 |
虎徹 MarkII Rev.Bの付属品
虎徹 MarkII Rev.Bの内容物一覧です。それぞれ詳しく見ていきます。
ネジ類です。
- グリス
- ナット
- AMD用ネジ
- スペーサー
- スタッドナット
マウンティングプレートです。左からAMD用、インテル用(LGA2066、LGA2011、LGA1200、LGA115X)、インテル用(LGA1700)です。
ファンクリップです。4本あるので、別途、120mmファンを買えば、デュアルファン化も可能です。
バックプレートキットです。Intel LGA1700、LGA1200、LGA115Xのソケットのマザーボードに使用します。
120mmファンのKAZE FLEX II 120です。四隅には防振ゴムが装着されています。ファンの回転数は300~1500RPMで、風量は16.90 ~ 67.62 CFMです。
虎徹 MarkII Rev.Bの外観
寸法
ヒートシンクです。リテンション一体型です。高さは154mm、横幅は130mmです。
奥行は58mmです。
ファン込みの奥行は83mmです。
放熱フィン
放熱フィンは合計56枚で構成されています。形状が異なる2枚のフィンを組み合わせ、ファンの風を効率よく受け止め、冷却力をアップさせるという、多重エアフロー透過構造を採用しています。
トップカバー中央には、サイズのロゴがあります。
オフセット設計
ヒートパイプや受熱ベースプレートが中心からずれているという、いわゆる「オフセット設計」により、メモリやビデオカードとの物理的な干渉を防いでいます。
受熱ベースプレートとヒートパイプ
受熱ベースプレートです。厚みのある受熱ベースプレートに4本のヒートパイプが貫通しています。安価なCPUクーラーに見られがちな、ダイレクトタッチ方式は採用されていません。
ヒートパイプはニッケルメッキ処理済みで、酸化を防ぎます。
受熱ベースプレートの上には放熱フィンが施されています。その上にはマウンティングバーが装着されています。
ヒートパイプはトップカバーまで到達しています。
虎徹 MarkII Rev.Bの取り付け方法
虎徹 MarkII Rev.Bは装着するマザーボードのソケットによって装着方法が異なります。今回はLGA1700のMSI PRO B660M-Aを使って、虎徹 MarkII Rev.Bを取り付けていきます。
LGA1700であれば、バックプレートの4隅のピンを外側の穴にずらします。LGA1200/115xであれば、内側の穴にずらします。
マザーボード背面からバックプレートを装着します。
4本のピンにスタンドオフを取り付けます。スタンドオフには絶縁用のゴムがついています。絶縁用のゴムがマザーボード側に面するように取り付けます。
LGA1700専用のマウンティングプレートを仮載せします。
ナットでマウンティングプレートを固定します。手回しでもいけますが、プラスドライバーを使っても問題ありません。
CPUグリスを塗ります。なお、今回は付属のグリスではなく、MX-4を使用します。
マウンティングバーのネジをマウンティングプレートの穴に合わせて締め付けます。両側を交互に少しずつ締めるのがポイントです。
ファンを取り付けます。ファンクリップをヒートシンクにひっかけて固定します。
取り付け完了です。
「オフセット設計」によって、メモリ、ビデオカードとの物理的な干渉はありませんでした。また、VRMヒートシンクとの干渉もありませんでした。
虎徹 MarkII Rev.Bと旧虎徹 MarkIIの違いについて
虎徹 MarkII Rev.Bと旧虎徹 MarkIIの違いはほとんどありません。ヒートシンクは同じものを使用していますし、共通点は多いです。違いは以下の3点にまとめられます。
ファンがKAZE FLEX II 120に進化
左が虎徹 MarkII Rev.Bのファンの「KAZE FLEX II 120」で、右が旧虎徹 MarkIIのファンの「KAZE FLEX」です。
以下の表はスペックの違いをまとめたものです。
KAZE FLEX II 120 | KAZE FLEX | |
ファン回転数 | 300~1500 rpm | 300~1200 rpm |
ノイズ | 4.0~26.6 dB | 4.0~24.9 dB |
風量 | 16.90~65.97 CFM | 16.6~51.17 CFM |
静圧 | 0.075~1.5mmH2O/0.74~14.71Pa | 0.0762~1.05mmH2O/0.75~10.3Pa |
簡単にまとめると、「KAZE FLEX II 120」は前モデルの「KAZE FLEX」に比べると、風量が増し、その分、ノイズが増しているということになります。
そのあたりが冷却力にどう影響するのか、あとで検証します。
LGA1700対応に
LGA1700では今までのソケットと違い、穴の位置が外側にずれました。それによって、LGA1700に対応していない既存のCPUクーラーは軒並み、LGA1700のマザーボードでの使用が不可になりました。
もちろん、旧虎徹 MarkIIもLGA1700には対応していません。そのため、LGA1700対応のリテンションキットが別途必要になりました。
しかし、今回レビューした虎徹 MarkII Rev.Bは初めからLGA1700に対応しているので、LGA1700対応のリテンションキットは必要なくなりました。
ファンクリップが4本に
旧虎徹 MarkIIのファンクリップは2本だけでした。そのため、デュアルファン化するには、別途デュアルファンKITの購入が必要でした。
一方、虎徹 MarkII Rev.Bのファンクリップは4本になりました。別途、120mmファンを用意してやれば、簡単にデュアルファン化が可能になりました。
虎徹 MarkII Rev.Bの冷却性能を旧虎徹 MarkIIと比較
虎徹 MarkII Rev.Bの冷却性能を旧虎徹 MarkIIと比較して検証したいと思います。チェックします。検証で使用したパソコンのスペックは以下の通りです。
CPU | core i7-12700 (amazon / ツクモ | |
CPUクーラー | 虎徹 MarkII Rev.B(amazon / ツクモ | 旧虎徹 MarkII |
CPUグリス | MX-4(amazon / ツクモ | |
マザーボード | MSI PRO B660M-A(amazon / ツクモ | |
メモリ | DDR4-3200 8G×2(KD48GU880-32A160U) (amazon) | |
グラフィックボード | RTX3060(amazon / ツクモ | |
ストレージ | Crucial P2 1TB(amazon / ツクモ | |
電源ユニット | 750W(V750 Semi-Modular RS750-AMAAG1-JP) (amazon) | |
OS | Windows 11 Home(amazon / ツクモ | |
PCケース | SMZ-2WBT-ATX(amazon / ツクモ | |
Nvidia ドライバ | 512.59 |
CPUのCore i7-12700は無制限解除すると、200W近くの電力が消費され、膨大な熱が発生します。CPUクーラーのテストにはうってつけです。
なおベンチマークソフトはPRIME95を使用します。無制限解除時、CinebenchR23では最高で160Wくらいの消費ですが、PRIME95では200W近く消費します。
よりCPU温度の高い状況を作りだせるので、PRIME95を選択しました。
今回は「アイドル」、「65W制限」、「125W制限」、「無制限解除」、「ゲーム(FF15ベンチマーク)中」と、5つのパターンで、それぞれの冷却性能、ノイズ、ファンの回転数を計測します。
CPUクーラーと測定器の間の距離は30cmに設定して、ノイズを計測しました。
なお、PCケース内に収めず、ベンチ台のSMZ-2WBT-ATXを使用します。部屋の温度は約30度と高めです。
アイドル
虎徹 MarkII Rev.B | 旧虎徹 MarkII | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 50度 | 51度 |
CPU温度(最高) | 57度 | 57度 |
ファンの回転数(平均) | 386rpm | 368rpm |
ノイズ | 約37.1dBA | 約37.1dBA |
アイドル時はほぼ互角です。ファンの回転数もほぼ同じなので、ノイズもほぼ同じです。両方ともファンの音は全く気になりません。
65W制限
虎徹 MarkII Rev.B | 旧虎徹 MarkII | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 54度 | 55度 |
CPU温度(最高) | 57度 | 58度 |
ファンの回転数(平均) | 721rpm | 629rpm |
ノイズ | 約37.4dBA | 約37.2dBA |
虎徹 MarkII Rev.Bのほうが、旧虎徹 MarkIIより1度冷えています。ノイズに関してはほぼ同等レベルです。両方ともほとんど気にならないレベルです。
125W制限
虎徹 MarkII Rev.B | 旧虎徹 MarkII | |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 72度 | 74度 |
CPU温度(最高) | 74度 | 76度 |
ファンの回転数(平均) | 1149 | 978 |
ノイズ | 約37.8dBA | 約37.4dBA |
虎徹 MarkII Rev.Bのほうが、旧虎徹 MarkIIより2度冷えています。ノイズに関してはほぼ同等レベルです。ほとんど気にならないレベルです。
無制限解除
虎徹 MarkII Rev.B | 虎徹 MarkII Rev.B | 旧虎徹 MarkII |
CPU温度推移 | ||
CPU温度(平均) | 98度 | 99度 |
CPU温度(最高) | 101度 | 102度 |
ファンの回転数(平均) | 1525 | 1207 |
ノイズ | 約42.3dBA | 約38.6dBA |
虎徹 MarkII Rev.Bと旧虎徹 MarkII、両方とも100度に到達しています。明らかに冷却力不足です。ノイズに関しては旧虎徹 MarkIIのほうが静かでした。
というのも虎徹 MarkII Rev.Bは最高1500rpm、一方、旧虎徹 MarkIIは1200rpmと、最高回転数に差があるので、ノイズに差が生まれたのだと思います。
虎徹 MarkII Rev.Bのノイズは若干気になります。
ゲーム(FF14ベンチマーク)
無制限解除をした上で、FF14ベンチマークを実行して、計測しました。
虎徹 MarkII Rev.Bのほうが、旧虎徹 MarkIIより2度冷えています。ただ最高温度に関しては両方とも66度と、同じでした。
ノイズはビデオカードのファンの音も混じるので計測していません。ただ、自分の耳で聞いた感じでは、両方ともCPUクーラーのファンの音はほとんど気になりません。
まとめ
残念ながら、虎徹 MarkII Rev.Bは旧虎徹 MarkIIに比べて、ほとんど進化していません。旧モデルを持っている方はリテンションキットだけを別途購入して、改めて買い替える必要はないと思います。
ただ、旧モデルを持ってなく、コスパの高いCPUクーラーを探しているのなら、この虎徹 MarkII Rev.Bはおすすめできます。
発売直後は5,000円近くしたのですが、徐々に安くなり、現在はかなりコスパが良好になりました。
動画はこちら↓。
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