AsrockのB660M Pro RSは価格も機能もバランスが良く、いわゆるコスパの良いマザーボードです。
core i3やcore i5などの安いCPUと組み合わせることで、コスパの良い構成を目指せます。今回はAsrockのB660M Pro RSをレビューしていきたいと思います。
2023年現在、マイナーチェンジ版といえる「B660M Pro RS/ax」が販売中です。主な違いは、「無線に対応」という点です。それ以外の仕様はほぼ同じです。
Asrock B660M Pro RSの仕様
対応ソケット | LGA1700 |
チップセット | B660 |
対応フォームファクタ | MicroATX |
メモリスロット | DDR4×4(デュアルチャネル対応/最大128GB) |
拡張スロット | PCI-Express4.0(×16)×1 PCI-Express3.0(×1)×1 PCI-Express3.0(×4)×1 M.2×1(Key E/wifiモジュール用) |
ストレージ | SATA(3.0)×4 M.2 type 2242/2260/2280×1(PCI-Express4.0×4対応) M.2 type 2280×1(PCI-Express3.0×4/SATA 3.0対応) |
LAN | ギガビットLAN×1(Intel 1219V) |
サウンド | 7.1 チャンネル HD オーディオ (Realtek ALC897) |
リアインターフェース | USB 3.2 Gen1×4、USB 2.0×2、 ギガビットLAN×1、オーディオ端子×3、 DisplayPort1.4×1、HDMI×1、PS2/2×1 |
Asrock B660M Pro RSの仕様
Asrock B660M Pro RS/axの仕様
Asrock B660M Pro RSの外観
Asrock B660M Pro RSとは?
B660M Pro RSは、Pro RSシリーズに属するマザーボードです。
Pro RSシリーズのRSは「Race Sport Edition」を意味し、自動車競技をイメージしたデザインとなっています。
様々な機能を重視した豪華なマザーボードというより、ある程度機能を絞り、コスパを優先したマザーボードといえます。
電源回り
電源回りを見ていきます。電源回路は8フェーズ構成の電源回路を搭載しています。
core i9のような上位CPUを例えば、MTP241Wで運用というような使い方であれば、少し不安はある電源構成です。ただ、定格で使用する分には問題ないと思います。
core i3-12100やcore i5-12400などのような熱がおとなしいCPUであれば、特に心配は必要ないと思います。
VRMヒートシンクは2ブロックに分かれています。
チップセット
B660チップセットのヒートシンクです。B660M Pro RSはその名の通り、B660チップセットを採用しています。
B660は上位のZ690と比べると、CPUのオーバークロックが不可能などの制限はうけます。ただ、メモリのオーバークロックには対応しています。
メモリスロット
DDR4のメモリスロットが4つあります。デュアルチャネル、最大4,800MHz、最大128GBに対応しています。
ストレージ
ストレージ用のM.2スロットは2つあります。そのうち、最上段に位置するものはPCI-Express4.0x4対応の「ハイパーM.2ソケット」になっています。M.2 2242/2260/2280に対応しています。
また、この最上段の「ハイパーM.2ソケット」のみ、専用のヒートシンクが標準で装備されています。
下段にはもう一つのM.2スロットがあります。こちらはPCI-Express3.0×4/SATA 3.0対応の「ウルトラM.2ソケット」になっています。M.2 2280に対応しています。
SATA3.0は水平タイプ×2、垂直タイプ×2の合計4つあります。なお、下段のM.2スロットでSATAタイプのSSDを使用した場合、これらのSATA3.0は使用不可能になるので注意が必要です。
拡張スロット
PCI-Express4.0(×16)スロットは強化スチールスロットが採用されています。重量級のビデオカードも支えてくれます。
Wifiモジュールを装着するためのM.2スロットです。別途Wifiモジュールを買って装着すれば、無線化が可能です。
下段にはPCI-Express3.0(×1)、PCI-Express3.0(×4)のスロットがあります。
オーディオ回路
サウンドチップは7.1チャンネルHDオーディオに対応した、「ALC897」が採用されています。
基盤レベルでオーディオ回路は分離されており、ノイズ対策が施されています。
リアインターフェース
左から、「USB 2.0×2」、「PS2/2×1」、「HDMI×1」、「DisplayPort1.4」、「USB 3.2 Gen1×4」、「ギガビットLAN×1」、「オーディオ端子×3」です。
残念ながらコスパを優先しているためか、一体型のI/Oパネルは採用されていません。
ファンコネクタ・RGBピンヘッダ
緑色で囲った部分は、CPUクーラーのファンに対応したコネクタです。CPUクーラーのファンを接続するためのもの、水冷ポンプに接続するための、計2つあります。
赤色で囲った部分はケースファンの用のコネクタです。計3つあります。それぞれ、水冷ポンプにも対応しています。
青色で囲った部分は「アドレサブルLEDヘッダー」です。計3つあります。オレンジ色で囲った部分は「RGBLEDヘッダー」です。こちらは1つしかありません。
その他機能
UEFI
UEFIの画面です。簡易モードの画面は主要な情報だけに絞って表示されます。細かな設定はAdvanced Modeに入る必要があります。
Advanced Modeでは様々な設定が可能なので、全ては紹介しきれません。ただ、BFBの機能は個人的にかなり重要だと思いますので、詳しく紹介します。
BFBはBase Frequency Boostのことで、簡単に言えば、電力制限を解除するための設定です。KなしCPUでもこの設定をすることでパフォーマンスを引き上げることができます。
このBFBの上限はマザーボードによって異なります。B660M Pro RSの場合は140Wが上限でした。
RGBイルミネーション
マザーボードの右下にRGBイルミネーションが備え付けられています。
もちろんアドレサブルLEDヘッダーとつないでいるLEDファンと同期させることも可能です。
Nahimic Audio
Nahimic Audioはゲーミングデバイスでおなじみのsteelseriesから提供されている、サウンドユーティリティソフトです。バーチャルサラウンドの設定等もおこなえます。
A-Tuning
A-Tuningはいわゆるユーティリティソフトで、CPUの性能チューニングしたり、CPU温度などの情報をモニタリングできます。
ただ、B660はオーバークロックに対応していないので、ベースクロック変更などの詳細な設定は使用できません。
様々な機能がありますが、特に便利だと思うのが「FAN-Tastic Tuning」です。ファンの回転数を調整できます。
Restart to UEFI
通常、UEFIに入るには、パソコンを再起動して、最初のロゴ画面でDeleteキーを押すという工程を踏みます。
ただ、このRestart to UEFIというツールを使えば、デスクトップ画面から簡単にUEFIに入れます。
動作チェック
core i5-12400の性能を検証
実際に、B660M Pro RSにcore i5-12400を装着して、パフォーマンスがきちんと出るのか、検証してみました。
Cinebench R23を実行したところ、大手レビューサイトの検証結果とほぼ同程度のスコアが出ていました。B660M Pro RSはcore i5-12400のパフォーマンスをしっかり引き出せています。
M.2ヒートシンクの性能を検証
Crystal Disk Markを実行して、ヒートシンクを装着した状態と外した状態のM.2SSD温度を比較します。使用するM.2SSDは、PCI-Express3.0(x4)に対応するKLEVVのC710 M.2SSD(256GB)です。
ヒートシンクが装着した状態だと温度は最高でも43度でしたが、ヒートシンクを外すと最高65度まで上昇しました。ヒートシンクがしっかりM.2SSDを冷却していることを確認しました。
まとめ
インテル第12世代のAlder Lake-S対応マザーボードは高価なものが多いですが、このAsrockのB660M Pro RSは1万6千円前後と、かなり買いやすくなっています。
価格が安く、さらに機能もある程度求めているのなら、このB660M Pro RSはおすすめです。もちろん、BIOS更新すれば、インテル第13世代に対応しています。
無線機能も欲しいという方は、マイナーチェンジ版のB660M Pro RS/axがおすすめです。
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