【4Kゲームも余裕】RTX 4080 SUPERの性能を解説!【ベンチマーク】

RTX 4080 SUPERは、末尾にSUPERという名前がある通り、RTX 4080とRTX 4090の間の隙間を埋めるべく、2024年1月に発売されたGPUです。
今回の記事ではRTX 4080 SUPERの特徴、ゲーム性能を解説します。
RTX 4080 SUPERの概要
RTX 4080 SUPERの仕様
RTX 4080 SUPER | RTX 4080 | |
CUDAコア数 | 10,240 | 9,728 |
ベース/ブーストクロック | 2,295MHz / 2,550MHz | 2,205MHz / 2,505MHz |
標準メモリ構成 | GDDR6X 16GB | GDDR6X 8GB |
メモリバス幅 | 256bit | 256bit |
レイトレーシングコア(RTコア) | 80 | 76 |
Tensorコア | 320 | 304 |
NVIDIAアーキテクチャー | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
PCI-Express | Gen4×16 | Gen4×16 |
グラフィックスカード電力 | 320W | 320W |
必須の電源 | 16ピン(8ピン×3)または450W以上の12VHPWR×1 | 16ピン(8ピン×3)または450W以上の12VHPWR×1 |
NVIDIAのSUPERシリーズは、通常、無印版の強化版という位置づけですが、RTX 4080 SUPERの場合、事情は異なります。
上記のスペックを見てわかる通り、RTX 4080 SUPERの性能はRTX 4080と大差ないです。
RTX 4080と比べると、CUDAコア数、ブーストクロックは僅かに向上してるだけで、VRAM搭載量やメモリバス幅、カード電力など、他の仕様は全く同じです。
ただ、メーカー希望小売価格は、RTX 4080と比べると、200ドル近く安くなっています。
言い換えると、RTX 4080 SUPERは、RTX 4080の性能そのままに価格を少しだけ下げたモデルと言えます。
RTX 4080 SUPERの3D性能

3DMarkの新世代テストの「Steel Nomad」、「Steel Nomad Light」、「Speed way」を実行しました。
各テストの特徴は下記の通りです。
特長 | |
---|---|
Steel Nomad | DirectX 12 Future Level 12_0に対応したGPUを対象としたベンチマーク。レイトレーシングは使用していないが、レンダリング解像度は3840×2160ドットなので負荷は非常に重い |
Steel Nomad Light | Steel Nomadの軽量版。iOS/iPad OSやAndroid端末でも計測可能なマルチプラットフォーム対応のベンチマーク。負荷は中程度。 |
Speed way | DirectX 12 Feature Level 12_2に対応したGPUを対象としたベンチマーク。レンダリング解像度は2560×1440ドットだが、レイトレーシングを用いているため負荷は非常に重い |

RTX 4080 SUPERのスコアは、「Steel Nomad」は6,471、「Speed way」は7,432でした。
1つ下位のRTX 4070 Ti SUPERに対して、「Steel Nomad」では約15%、「Speed way」では約16%上回りました。
「Steel Nomad」、「Speed way」の両テストのスコアは平均フレームレートを元に算出されます。
つまり、RTX 4080 SUPERは、「Steel Nomad」においては平均64.71fps、「Speed way」においては平均74.32fpsを達成していることを意味します。
このことから、RTX 4080 SUPERは4K解像度やレイトレーシングなど、負荷が重いゲームを快適にプレーできる性能を持った、ハイエンドGPUと言えます。

「Steel Nomad Light」のベンチ結果です。
RTX 4080 SUPERのスコアは30608でした。
「Steel Nomad Light」はfpsでも結果が表示されます。RTX 4080 SUPERは226,73fpsでした。

RTX 4080 SUPERの3D性能は一つ下位のRTX 4070 Ti SUPERと比べると、大きな差をつけて上回っています。
DLSS FGに対応


RTX 4080 SUPERは、GeForce RTX 40シリーズで初めて導入された、フレーム生成技術の「DLSS FG」に対応しています。
「DLSS FG」に対応しているゲームだと爆発的にフレームレートを伸ばすことができます。


超解像技術「DLSS」のテストを行う、「NVIDIA DLSS feature test」です。
DLSSを適用させないと平均フレームレートは40fpsにとどまりますが、DLSS FGを有効にすると135fpsまで伸びます。
リアルタイムレイトレーシングに対応


RTX 4080 SUPERはリアルタイムレイトレーシングに対応しています。リアルタイムレイトレーシングを設定することで、光の物理的な挙動がシミュレーションされ、よりリアルな映像を実現できます。
その代わり、GPUに凄まじい負荷がかかります。


サイバーパンク2077にももちろん、リアルタイムレイトレーシングの設定項目があり、さらに、パストレーシングが適用させて、すべての光源が物理的に正確になる、レイトレーシング:オーバードライブ設定があります。
サイバーパンク2077のレイトレーシング:オーバードライブ設定で、RTX 4080 SUPERはDLSSバランスとDLSS FGを適用させれば、1920×1080ドット、2560×1440ドット、3840×2160ドットでは平均60fpsを超えます。
RTX 4080 SUPERで、リアルタイムレイトレーシングを設定して遊ぶことは十分可能です。
VRAM搭載量は16GB


昨今のゲームのVRAM消費量は凄まじいものがあります。例えば、BIOHAZARD RE:4は設定を上げると、フルHD解像度でもVRAM消費量は12GBを超えます。
その点、RTX 4080 SUPERには、容量16GBのVRAMを搭載しています。VRAM消費量の多いゲームでも余裕をもってプレー可能です。



VRAM消費量を16GBを超えるゲームは現時点ではないに等しいです。VRAM消費量を気にすることなくゲームをプレーできるのは、RTX 4080 SUPERのメリットの一つです。
画像生成AIの性能をチェック
画像生成AIのStable Diffusionを使って画像生成AIの性能をチェックします。画像サイズ512×512の画像を10枚生成にかった時間を計測します。
設定
起動オプション | –xformers –opt-channelslast |
---|---|
Positive | masterpiece, best quality, masterpiece, asuka langley sitting cross legged on a chair |
Negative | lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, extra digit, fewer digits, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts,signature, watermark, username, blurry, artist name |
モデル | AnythingV3 |
sampling method | Euler |
Width | 512 |
Height | 512 |
sampling steps | 28 |
Batch count | 10 |
Batch size | 1 |
CFG Scale | 12 |
Seed | 2870305590 |


RTX 4080 SUPERは、10枚の画像生成を11秒で完了しました。 RTX 4070 Ti SUPERと比較して約3秒の短縮となりました。



VRAM容量が16GBなので負荷の重い画像生成にも対応できます。512×512以上のサイズや高解像度化など、負荷の重い画像生成をするのであれば、VRAM容量が16GBあるRTX 4080 SUPERはおすすめできます。
今回検証で使用したRTX 4080 SUPER


今回検証で使用した、RTX 4080 SUPERは、ASUSとNoctuaのコラボモデル、「GeForce RTX 4080 SUPER Noctua OC Edition」です。


Noctuaの大人気冷却ファンの「NF-A12x25 PWM」を採用しているのが大きな特徴となっています。


巨大なヒートシンクと、12cm角のファンの「NF-A12x25 PWM」の組み合わせで、圧倒的な冷却性能と静音性を実現します。




RTX 4080 SUPERのゲーム性能
Cyber Punk 2077


・画質:ウルトラ
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
・フレーム生成:DLSS FG
※ベンチマークモードで計測


1920×1080ドット、2560×1440ドットでは平均200fpsを超え、負荷の重い3840×2160ドットでは平均100fpsを超えています。
負荷が重いゲームとして有名なCyber Punk 2077ですが、RTX 4080 SUPERであれば、快適にプレー可能です。
他のGPUとの比較(平均fps)
フルHD | WQHD | 4K | |
---|---|---|---|
RTX 4080 SUPER | 323 | 229 | 118 |
RTX 4070 Ti SUPER | 303 | 209 | 104 |
RTX 4070 SUPER | 278 | 188 | 88 |
RTX 4070 | 238 | 151 | 69 |
RTX 4060 Ti | 198 | 125 | 56 |
RTX 4060 | 156 | 98 | 44 |
ゴーストオブツシマ


・画質:非常に高い
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
・フレーム生成:DLSS FG
※演習場で計測


1920×1080ドット、2560×1440ドットでは平均200fpsを超え、負荷の重い3840×2160ドットでは平均144fpsを超えています。
Cyber Punk 2077並みに負荷が重いゴーストオブツシマですが、RTX 4080 SUPERであれば快適にプレー可能です。
他のGPUとの比較(平均fps)
フルHD | WQHD | 4K | |
---|---|---|---|
RTX 4080 SUPER | 220 | 201 | 158 |
RTX 4070 Ti SUPER | 198 | 179 | 139 |
RTX 4070 SUPER | 175 | 157 | 119 |
RTX 4070 | 153 | 136 | 103 |
RTX 4060 Ti | 120 | 106 | 77 |
RTX 4060 | 94 | 83 | 59 |
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー


・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSS
・フレーレートしきい値:常に適用
※ベンチマークソフトで計測


1920×1080ドット、2560×1440ドットでは平均240fpsを超え、負荷の重い3840×2160ドットでは平均144fpsを超えています。
黄金のレガシーで負荷が重くなりましたが、RTX 4080 SUPERには関係ないようです。
他のGPUとの比較(平均fps)
フルHD | WQHD | 4K | |
---|---|---|---|
RTX 4080 SUPER | 281 | 255 | 181 |
RTX 4070 Ti SUPER | 265 | 236 | 159 |
RTX 4070 SUPER | 263 | 220 | 137 |
RTX 4070 | 236 | 195 | 119 |
RTX 4060 Ti | 209 | 158 | 89 |
RTX 4060 | 190 | 139 | 77 |
Apex Legends


・画質:最高、最低
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
※演習場で計測


演習場でテルミットグレネード、バンガロールのスモーク、ウルトなど、負荷重めの状況で計測しています。
1920×1080ドット、2560×1440ドットでは平均240fpsを超え、負荷の重い3840×2160ドットでは平均200fpsを超えています。
240fpsモニターでプレーするのであれば、RTX 4080 SUPERは有力な選択肢の一つになります。
他のGPUとの比較(平均fps)
フルHD | WQHD | 4K | |
---|---|---|---|
RTX 4080 SUPER | 298 | 278 | 214 |
RTX 4070 Ti SUPER | 294 | 264 | 195 |
RTX 4070 SUPER | 286 | 249 | 171 |
RTX 4070 | 270 | 227 | 147 |
RTX 4060 Ti | 232 | 187 | 114 |
RTX 4060 | 201 | 153 | 87 |
Fortnite


・画質:最高
・解像度:1,920×1,080ドット、2,560×1,440ドット、3,840×2,160ドット
・アップスケーリング:DLSSバランス
※ベンチマークモードで計測


1920×1080ドット、2560×1440ドットでは平均240fpsを超え、負荷の重い3840×2160ドットでは平均200fpsを超えています。
少し設定を落とせば、4K解像度でも平均240fpsでプレー可能です。
他のGPUとの比較(平均fps)
フルHD | WQHD | 4K | |
---|---|---|---|
RTX 4080 SUPER | 437 | 371 | 231 |
RTX 4070 Ti SUPER | 407 | 322 | 193 |
RTX 4070 SUPER | 393 | 299 | 168 |
RTX 4070 | 341 | 256 | 137 |
RTX 4060 Ti | 286 | 207 | 106 |
RTX 4060 | 261 | 183 | 93 |
RTX 4080 SUPERに合うCPU


RTX 4080 SUPERはハイエンド向けのGPUです。
RTX 4080 SUPERの性能を最大限に活かすのであれば、性能の高いCPUが必須です。


やはり、RTX 4080 SUPERと最も相性の良いCPUは、Ryzen 7 7800X3Dです。
96MBのL3キャッシュを搭載するRyzen 7 7800X3Dのゲーム性能は、非常に高いからです。具体的にはCore i9 14900Kに匹敵します。
しかもCore i9 14900Kより低発熱、低消費電力と扱いやすいです。空冷CPUクーラーで問題なく冷却できるので、冷却システムにお金を使わなくていいのもメリットです。
そのほか、RTX 4080 SUPERと相性の良いCPUは以下の通りです。
おすすめ度 | CPU |
---|---|
Ryzen 7 7800X3D | |
Core i9 14900K、Core i7-14700、Core i7-13700、Core i5-14600K、Ryzen 7 7700、Ryzen 7 9700X、Ryzen 9 9900X | |
Ryzen 5 7500F、Ryzen 5 9600X | |
Ryzen 7 5700X、Core i5-14400、Core i5-13400、Core i5-12400 | |
Ryzen 5 4500 |
【結論】RTX 4080 SUPER搭載ゲーミングPCがおすすめな方は?
予算40万円以内で抑えたい方
RTX 4070 Ti SUPER搭載ゲーミングPCは30万円台後半から40万円で購入できるモデルが多く、予算を40万円以内で抑えたいけど、なるべく性能の良いゲーミングPCが欲しい方に向いています。
VRAM消費量が多いゲームをプレーしたい方
RTX 4080 SUPERのVRAM搭載量は16GBと、非常に多いです。
近年、BIOHAZARD RE:4のようにVRAM消費量が12GBを超えるゲームも出てきています。
VRAM搭載量が16GBあるRTX 4080 SUPERであれば、そういったゲームをプレーする場合でもVRAM消費量を気にする必要がなくなります。
4K解像度で快適にプレーしたい方
アップスケーリングやフレーム生成を使用することで、RTX 4080 SUPERでも重量級のゲームも4K高画質で快適に遊べます。
特にVRAM容量が16GBあるので、重量級のゲームも、余裕をもってプレー可能です。
下位モデルのRTX 4070 SUPER、RTX 4070 Ti SUPERの性能差は大きく、それらのビデオカードと比べて、圧倒的に重量級ゲームの4K高画質は快適にプレー可能です。