激安価格のサイドフロー型CPUクーラー「GAME ICE K4-WH」をレビュー!AK400と比較検証
サイドフロー型CPUクーラーのコスパ最強モデルとして真っ先に名前があがるのがDEEPCOOLの「AK400」です。近年、このAK400の牙城を崩すために、各社コスパに優れたサイドフロー型CPUクーラーを展開しています。
今回はその中の一つ、PC COOLER「GAME ICE K4シリーズ」をレビューします。「GAME ICE K4シリーズ」にはブラックモデルの「K4-BK」と、ホワイトモデルの「K4-WH」の2種類があります。
今回はホワイトの「K4-WH」を使って、ライバルの「AK400」と比較検証したいと思います。
「GAME ICE K4-WH」の仕様
外形寸法 | 130(W)×156(H)×75(D)mm(ファン込み) |
ファン寸法 | 130×130×厚さ25mm |
ファン回転数 (PWM可変) | 400~1600rpm(±10%) |
ノイズ | 18~29dBA |
風量(最大) | 76.85CFM |
対応CPU | Intel:LGA1700/1200/115x AMD:AM5/AM4 |
重量 | 713g(付属ファン含む) |
ヒートパイプ | 6mm径×4本 |
付属品 | リテンションキット、ファンクリップ1組、GT-3グリス、図解入りマニュアル |
保証 | 1年 |
参考価格 | 約3,000円 |
GAME ICE K4-WH
GAME ICE K4-BK
「GAME ICE K4-WH」の外観をチェック
パッケージ
PC COOLER「GAME ICE K4-WH」のパッケージは白とオレンジを主体としたデザインです。
ヒートシンク
ホワイト塗装のアルミニウム製ヒートシンクは、約2mm間隔で、計50枚の放熱フィンで構成されています。ホワイトモデルということで、放熱フィンも白く塗装されています。
トップ部には化粧カバーが装着されています。ロゴと上下左右に配置された銀色の装飾がデザインにアクセントをつけています。もちろん、トップカバーも白一色です。
奥行は約48mmです。メモリーとの干渉を防ぐために、スリムタイプを採用しています。
横幅は130mmです。放熱フィンを6mm径の4本のヒートパイプが貫いています。縦置き・横置きという設置方向に関係なく、冷却能力が最大限発揮される「アンチグラビティヒートパイプ」を採用しています。
高さは156mmです。この高さであれば、スリムPCケースなどの極端に小さいPCケースでない限り、ほとんどのPCケースに収まります。
受熱ベースプレート
受熱ベースプレートはヒートパイプが直接CPUに接触する、ダイレクトタッチ方式が採用されています。CPUへのダイレクトタッチ部分が広くとられている、「第3世代ダイレクトタッチテクノロジー」が採用されています。
ブリッジテンションは初めから固定されています。組み立てる必要はありません。
ヒートパイプも白に塗装されています。
受熱ベースプレートは実測で、縦35x横40mmでした。
冷却ファン
冷却ファンは一般的なサイドフロー型CPUクーラーにありがちな120mmではなく、130mmという大型サイズのものを採用しています。
冷却ファンのスペックは下記の通りです。
- 回転数:400~1,600rpm(±10%)
- 風量(最大):76.85CFM
- 静圧(最大):2.46mmH2O
- 騒音値:18~29dBA
騒音値は18~29dBAとされ、軸受けにはHydro Bearingが採用
ファンの4隅には防振ラバーが装着されています。またフレームはリブ無しを採用しています。
ファンを装着した状態です。ファンもヒートシンクも白一色で存在感があります。
ファン装着時の重量は実測で、703gでした。
付属品一覧
130mmファンを除くと、付属品は合計で10点あります。樹脂製スペーサーは3種類、ネジは2種類あります。樹脂製スペーサー、ネジは色分けされているので区別がしやすいです。「GT-3」グリスは熱伝導率12.8W/(m.k)となかなかの高性能で、量も十分すぎるほどありそうです。
「GAME ICE K4-WH」のマザーボードへの搭載手順
Intel:LGA1700
AMD:AMD Socket AM4/AM5
ワイヤークリップの装着には結構力が必要でした。また、言うまでもないですが、ヒートシンクをCPUの上に載せるまえに、CPUグリスの塗布をお忘れなく。
「GAME ICE K4-WH」のクリアランスの確認
高さも幅もあるオーバークロックメモリを使って、「GAME ICE K4-WH」のクリアランスをチェックします。幅75mmの幅の狭いヒートシンク設計ということもあって、メモリとの干渉は一切ありませんでした。実質高さ制限はないに等しいので、背の高いメモリを使用しても問題ありません。
VRMヒートシンクへの干渉は一切ありませんでした。
全高165mmまでのCPUクーラーが対応する、S100 TGに収めたところ、まだまだ高さには余裕はあります。
「GAME ICE K4-WH」の冷却性能をCore i7-12700でチェック
テスト機材構成
ここからは実際に「GAME ICE K4-WH」をパソコンに組み込んで冷却性能をチェックします。
CPUは12コア20スレッドのインテル第12世代の「Core i7-12700」を選択。
Core i7-12700の定格はTDP65Wですが、UEFI BIOS上から、CPU Cooler tuningを255Wに設定。これによって、PL1、PL2ともに、255Wになり、実質、電力無制限状態といえる設定になります。今回はこの設定のままで、検証をしていきます。
テスト機材構成 | |
CPU | Core i7-12700 |
CPUクーラー | PC COOLER GAME ICE K4-WH / DeepCool AK400 |
CPUグリス | ARCTIC 「MX-4」 |
マザーボード | ASUS 「PRO B660M-A」 |
メモリ | CRUCIAL 「CT2K16G48C40U5」(DDR4-3200/16GB×1) |
グラフィックスカード | Colorful 「RTX 3060 NB 12G」 |
ストレージ | キオクシア EXCERIA G2(1TB/PCI-Express3.0×4) |
電源ユニット | 玄人志向 「KRPW-BK650W/85+」(80PLUS BRONZE) |
OS | Windows 11 Home 64bit |
3つのストレステストで「GAME ICE K4-WH」の冷却性能と騒音を確認
「アイドル(10分)」、「Cinebench R23(10分)」、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマーク」の3つのテストを実行し、「GAME ICE K4-WH」の冷却性能と騒音を確認します。
Package Powerはアイドル(10分)で20W前後、Cinebench R23(10分)で160W前後、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマークで50W前後で推移します。
比較対象として、DeepCool 「AK400」を用意します。なお室内温度は25℃程度です。
アイドル(10min)
アイドル(10分)のCPU温度は「GAME ICE K4-WH」、「AK400」ともに、40℃台前半で推移。どちらのCPUクーラーもほぼ同じCPU温度で推移していました。
アイドル(10分)の騒音は「GAME ICE K4-WH」、「AK400」ともに、30dBAで推移。オープンフレームケースでのテストにも関わらず、ほとんど無音に近い状態でした。なお、簡易的な騒音計なので、30dBA以下を測定できませんでした。
Cinebench R23(10min)
Cinebench R23(10分)のCPU温度は「GAME ICE K4-WH」、「AK400」ともに、80℃台前半で推移。
「GAME ICE K4-WH」は最高83℃まで上昇。一方、「AK400」は最高85℃まで上昇しました。
Cinebench R23(10分)の騒音は「GAME ICE K4-WH」は54dBA、「AK400」は48dBAでした。明らかに、風切り音は「GAME ICE K4-WH」のほうが大きく感じ、耳障りに感じます。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマーク
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレベンチマークのCPU温度は「GAME ICE K4-WH」、「AK400」ともに、40℃台後半から50℃台で推移。
「GAME ICE K4-WH」の最高58℃まで上昇。一方、「AK400」は最高57℃まで上昇しました。
Cinebench R23(10分)の騒音は「GAME ICE K4-WH」は42dBA、「AK400」は40dBAでした。ほんの少しだけ風切り音は「GAME ICE K4-WH」のほうが大きく感じますが、違いはほとんどありません。
「GAME ICE K4-WH」のメリット・デメリット
まとめ
「GAME ICE K4-WH」の最大の特徴の130mm冷却ファンによって、AK400よりわずかに高い冷却性能を実現しています。しかも、AK400より低価格。特にホワイトモデルで比較すると、AK400より1,000円ほど安いです。
コスパという観点から見ると、間違いなくAK400より上と言えます。
ただし、130mmファンは120mmファンよりサイズが大きいのもあって、高負荷時の騒音はそれなりにします。また、ワイヤークリップを取り付ける際もかなりの力が必要なので、この点もデメリットです。
しかし、このデメリットを打ち消す位、「GAME ICE K4-WH」のコスパは優秀です。AK400のライバル最有力の一つと言っても過言ではないです。