Crucial P2 1TBをレビュー!買いやすいエントリーM.2 NVMe SSD
CrucialのM.2 NVMe SSDはいくつか種類がありますが、今回はエントリーモデルに位置付けられる、P2シリーズの1TBモデルを購入したのでレビューしたいと思います。
Crucial P2とは
CrucialのM.2 NVMe SSDは大きくわけて、下記の2種類に分かれます。
Crucial P2 | Crucial P5 | Crucial P5 Plus | |
ターゲットユーザー | エントリー | メインストリーム | ハイエンド |
容量 | 2TB、1TB、250GB、500GB | 2TB、1TB、500GB、250GB | 2TB、1TB、500GB |
※公称値 |
シーケンシャルリード/ライト (最大)2TB:2,400/1,900 MB/s 1TB:2,400/1,800 MB/s 500GB:2,300/940 MB/s 250GB:2,100/1,150 MB/s |
2TB:3,400/3,000 MB/s 1TB:3,400/3,000 MB/s 500GB:3,400/3,000 MB/s 250GB:3,400/1,400 MB/s |
2TB:6,600/5,000 MB/s 1TB:6,600/5,000 MB/s 500GB:6,600/4,000 MB/s |
インターフェース | PCIe Gen3 x4 / NVMe™ 1.3c | PCIe Gen3 x4 / NVMe™ 1.3c | PCIe Gen4 x4 / NVMe™ 1.4 |
フォームファクター | M.2 Type 2280-S2-M | M.2 Type 2280-S2-M | M.2 Type 2280-S2-M |
総書き込み容量 (TBW) | 2TB:600TB 1TB:300TB 500GB:150TB 250GB:150TB |
2TB:1200TB 1TB:600TB 500GB:300TB 250GB:150TB |
2TB:1200TB 1TB:600TB 500GB:300TB |
保証期間 | 5年 | 5年 | 5年 |
参考価格 | 2TB:25,000円前後 1TB:13,000円前後 500GB:7,000円前後 250GB:5,000円前後 |
2TB:33,000円前後 1TB:14,000円前後 500GB:8,000円前後 250GB:7,000円前後 |
2TB:33,000円前後 1TB:17,000円前後 500GB:11,000円前後 |
自分が購入したのは、「Crucial P2」の1TBモデルで、CrucialのM.2 NVMe SSDの中で、エントリーモデルに位置付けられています。
そのため、書き込み速度、読み込み速度、総書き込み容量のTBWなどは他の上位モデルと比べると劣っています。
その代わり、価格は最も安く、いわゆる費用対効果を重視したコスパに優れたモデルとなっています。
Crucial P2 1TBの外観と付属品
購入したのはCrucial P2の1TBモデルです。ちなみにamazon アウトレット品を購入しました。
付属品です。本体と説明書のみのシンプルな構成です。なお、ヒートシンクは付属しません。
表面です。基盤は黒色です。シールに覆われているので、チップ等を見ることができません。なおこのシールをはがした場合、保証がなくなる可能性があるので注意が必要です。
QLC NANDを搭載し、コントローラーはPHISON製のものを使用しています。いわゆる、DRAMキャッシュレスなので、NANDフラッシュの一部をSLCキャッシュとして使用します。
Crucial P2 1TBの性能を検証
ベンチマークソフトを使って、Crucial P2 1TBの性能を検証したいと思います。同じM.2 NVMe SSDのキオクシアのEXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBを比較対象としたいと思います。
なお検証機のスペックは下記の通りとなっています。
検証機のスペック | ||
CPU | core i5-12400 | |
CPUクーラー | リテールクーラー | |
マザーボード | Asrock B660M PRO RS | |
メモリ | DDR4-3200 8G×2(KD48GU880-32A160U) | |
ビデオカード | RTX3060 | |
ストレージ | Crucial P2 1TB | EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TB |
電源ユニット | 750W(Cooler Master V750) | |
OS | Windows 10 HOME |
Crystal Disk Mark
Crucial P2 1TBの読み込み速度は1,700 MB/s超え、書き込み速度は1,900 MB/s超えと、EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBより優秀な結果を残しました。テストサイズを64GBに増やしても、この結果は変わりませんでした。
AS SSD Benchmark
AS SSD Benchmarkの読み込み、書き込みテストは、若干の誤差はありますが、Crystal Disk Markのときと同じような結果でした。
コピーテストは項目によっては買ったり負けたりとほぼ互角の結果でした。
圧縮テストを比較すると、Crucial P2のほうは書き込み、読み込みともに、右肩あがりで速度があがっていきますが、EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBのほうは読み込み速度だけ右肩上がりに上がっていました。圧縮テストはCrucial P2のほうが優秀な結果を残しています。
ATTO Disk Benchmark
少しわかりづらいですが、ATTO Disk Benchmarkは各容量ごとの処理性能を視覚的に表示してくれるベンチマークです。
Crucial P2の書き込み速度は256KBあたりからピークに達しています。読み込み速度は64KBあたりからピークに達しています。
一方、EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBの場合、書き込み速度は32KBからピークに達していますが、その速度はCrucial P2の半分くらいに収まっています。
読み込み速度は256KBあたりからピークに達し、速度はCrucial P2のピーク時と同じくらいです。
HD Tune Pro
Crucial P2 1TB | EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TB | |
読み込み | 1256.7MB/s | 1807.6MB/s |
書き込み | 1656.2MB/s | 1553.2MB/s |
Crucial P2 1TBの読み込み速度は他のベンチマークのときと比べて、なぜか速度が出ていませんでした。原因はわかりませんが、HD Tune Proとの相性が悪いのかもしれません。
(キャッシュ切れ)
HD Tune Proで200GB連続で書き込みした時のキャッシュの状態を見ていきます。
Crucial P2 1TBの場合、30GBくらい書き込んだところで、書き込み速度は著しく低下しました。おそらくそのあたりでキャッシュが切れたと思われます。
一方、EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBの場合、40GB書き込んだところで、書き込み速度は低下しましたが、それでも700MB/s位の速度は維持されています。
3D MARK Storage Benchmark Score
3DMark Storage Benchmarkは、実際のゲームをプレーする際に発生する読み書きを想定したストレージのベンチマークです。
Crucial P2 1TB | EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TB | |||
Bandwidth | Average access time | Bandwidth | Average access time | |
平均 | 210.35 MB/s | 146 μs | 485.34 MB/s | 68 μs |
Load Battlefield 5 | 357.33 MB/s | 207 μs | 796.69 MB/s | 100 μs |
Load call of duty BO4 | 265.1 MB/s | 244 μs | 631.37 MB/s | 130 μs |
Load Overwatch | 161.02 MB/s | 143 μs | 368.44 MB/s | 75 μs |
Record game | 142.24 MB/s | 60 μs | 226.16 MB/s | 38 μs |
Install game | 96.82 MB/s | 137 μs | 267.89 MB/s | 52 μs |
Save game | 66.14 MB/s | 115 μs | 300.66 MB/s | 25 μs |
Move game | 1309.18 MB/s | 213 μs | 1878.94 MB/s | 145 μs |
総合スコア | 1229 | 2735 |
ベンチマークは、「データの実転送帯域」、「平均アクセス速度」、そして「総合スコア」で表示されます。
「データの実転送帯域」、「平均アクセス速度」ともに、Crucial P2 1TBは、EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBに負けています。
FF14ベンチマーク
Crucial P2 1TB | EXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TB | |
シーン1 | 1.71sec | 1.353sec |
シーン2 | 3.347sec | 2.589sec |
シーン3 | 4.693sec | 3.839sec |
シーン4 | 1.982sec | 1.485sec |
シーン5 | 1.011sec | 0.787sec |
合計 | 12.743sec | 10.053sec |
FF14ベンチマークではスコア以外にもローディングにかかった時間も計測してくれます。今回はローディングにかかった時間だけを見ていきます。
このようにローディング時間はCrucial P2 1TBよりEXCERIA SSD-CK1.0N3/N 1TBのほうが速かったです。ただ、正直そこまで大差はないので、体感でもそこまでの差は感じないと思います。
温度
Crystal Disk Mark実行時の、Crucial P2 1TBの温度を見ていきます。ヒートシンクなしだと最高で48度まで上がりました。そこまで発熱はしない印象なので、ヒートシンクなしでも運用できそうです。
Storage Executive
Storage Executiveという専用ソフトを使えば、CrucialのSSDをきめ細かく管理できます。メニューは以下の通りです。
ドライブの健康状態を確認、ファームウェアの更新など、様々な機能があります。また、Momentum Cacheという機能を使えば、大幅に性能を向上させることができます。
Momentum Cacheについてはまた別途記事にして紹介したいと思います。
Crucial P2 1TBのメリット、デメリット
まとめ
Crucial P2 1TBは、エントリークラスのNVMe SSDにしては、読み込む速度、書き込み速度も十分速い部類に入ります。ただ、キャッシュが切れると書き込み速度が著しく落ちるので、大容量の書き込みが発生するのなら少し注意が必要です。
例えば、読み込みが多い、ゲーム用ドライブとして使えば、このキャッシュ切れによる速度低下は全く気にならないので、そういう用途であれば問題ありません。
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