A620マザーとB650マザーで性能に違いは生まれるのか?Ryzen 7 7800X3Dで比較してみた!
AM5に対応するチップセットである、「A620」と「B650」を搭載するマザーボードはともに価格が抑えられており、総じてコスパが高いです。
「A620」と「B650」、どちらのチップセット搭載のマザーボードを使用すべきか、迷っている方は意外と多いかもしれません。
そこで今回は、Ryzen 7 7800X3Dを使用して、「A620」と「B650」、それぞれのチップセット搭載マザーボードでCPU性能に違いは生まれるのか、検証してみました。
「A620」と「B650」の違いについて
A620 | B650 | |
---|---|---|
PCI-E 5.0×16 (CPU側グラフィックス用) | ×(PCI-E 4.0) | ×(PCI-E 4.0) |
PCI-E 5.0×4 (CPU側NVMe SSD用) | × | マザーボードによる |
倍率アンロックCPUのオーバークロック | × | 〇 |
メモリのオーバークロック | 〇 | 〇 |
CPU側PCI Express | 4.0(24レーン) | 5.0/4.0(24レーン) |
CPU側PCI Expressの分割 | × | 〇 |
CPU-チップセット間リンク | PCI-E 4.0×4(64GT/s) | PCI-E 4.0×4(64GT/s) |
チップセット側PCI Express | 3.0(最大4レーン) | 4.0(最大8レーン) 3.0(最大8レーン) |
Serial ATA 3.0 | 最大4 | 最大4 |
RAID | 0/1/10 | 0/1/10 |
USB 20Gbps | 0 | 最大1 |
USB 10Gbps | 最大2 | 最大6 |
USB 5Gbps | 最大2 | × |
上記の表はA620マザーとB650マザーの仕様表です。
このようにA620マザーはB650マザーと比べて、CPUのオーバークロックもできないし、拡張性も最小限です。ただ、その分、価格は抑えられており、B650マザーよりも安価です。
ただ、スペック表には書かれていませんが、A620マザーボードはCPU周辺の電源回路がB650マザーに比べて貧弱な傾向があります。
例えば、TDP120WのRyzen 7 7800X3DのようにTDP高めのCPUと組み合わせた場合、A620マザーでは性能を発揮できないと不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
使用するマザーボードについて
今回検証で使用するマザーボードは、A620マザーボードの「ASUS PRIME A620M-K-CSM」と、B650マザーボードの「ROG STRIX B650-A GAMING WIFI 」です。
「ASUS PRIME A620M-K-CSM」は、電源周りのVRMヒートシンクが省略されており、お世辞にもCPU周辺の電源回路は強力には見えません。
一方、「ROG STRIX B650-A GAMING WIFI 」は、巨大なVRMヒートシンクに加えて、12+2+1 基のパワーステージと、そこそこ強力な電源回路を搭載しています。
ちなみに価格は2024年11月時点で、「ASUS PRIME A620M-K-CSM」が9,000円前後、「ROG STRIX B650-A GAMING WIFI 」が25,000円前後となっています。
使用するCPUはTDP120Wの「Ryzen 7 78000X3D」です。3D-Vキャッシュを搭載したゲーム特化のCPUです。
クリエイティブ性能を比較
Cinebench R23
シングルはB650がA620に対してわずかに上回っていますが、マルチではA620がB650を上回っています。
正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
Blender Benchmark
スコアはA620がB650に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
ゲーム性能を比較
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー
平均fpsはB650がA620に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
Assassin’s Creed Mirage
平均fpsはA620がB650に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
FarCry 6
平均fpsはB650がA620に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
Watch Dogs Legion
平均fpsはB650とA620、全くの互角です。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
平均fpsはA620がB650に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
Cyber Punk 2077
平均fpsはA620がB650に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
Forza Horizon 5
平均fpsはA620がB650に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
Fortnite
平均fpsはB650がA620に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
消費電力とクロックを比較
Cinebench R23 10min
最大消費電力 | 最大クロック | |
---|---|---|
A620+Ryzen 7 7800X3D | 80W | 4831.9MHz |
B650+Ryzen 7 7800X3D | 81W | 4847.5MHz |
Cinebench R23 10minを実行し、最大消費電力、最大クロックを計測しました。
最大消費電力、最大クロックともに、B650がA620に対してわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシー
最大消費電力 | 最大クロック | |
---|---|---|
A620+Ryzen 7 7800X3D | 80W | 4831.9MHz |
B650+Ryzen 7 7800X3D | 79W | 4975.4MHz |
ファイナルファンタジーXIV:黄金のレガシーベンチマークを実行し、最大消費電力、最大クロックを計測しました。
最大消費電力はA620、最大クロックはB650がわずかに上回っていますが、正直、この程度の差は誤差の範囲内と言えます。
まとめ
今回、Ryzen 7 7800 X3Dを用いて、A620マザー、B650マザーで違いは生まれるのか、検証してみました。
検証結果をまとめると以下の通りです。
- クリエイティブ性能に差はほとんどない
- ゲーム性能に差はほとんどない
- 最大消費電力、最大クロックに差はほどんどない
A620マザー、B650マザーどちらを選んでも、Ryzen 7 7800 X3Dの性能は引き出せます。
ただ、A620マザーは、Ryzen 9 9950XやRyzen 9 7950Xなど、TDPが170W近いCPUを用いた場合、性能低下するとの検証結果もあります。
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A620マザーを使いたい場合、TDP120WのRyzen 7 7800 X3Dあたりが限界だと思っていいかもしれません。
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