CPS RT400-BKをレビュー!Ryzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265Fを冷却できる?

BTOショップのFRONTIERなど、Ryzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265FといったハイエンドCPUを搭載しているモデルに、「CPS RT400-BK」という空冷CPUクーラーを搭載しているのをよく見かけます。
Ryzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265FといったハイエンドCPUを、「CPS RT400-BK」で冷却できるかどうか、不安を感じている方は多いのではないでしょうか?
そこで今回、実際にRyzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265Fに負荷をかけて、「CPS RT400-BK」で冷やしきれるのか、検証してみました。
もちろん、冷却性能だけでなく、外観、付属品、取り付け方法や、騒音など、幅広くレビューしたいと思います。
「CPS RT400-BK」の購入を検討している方はぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
CPS RT400-BKの仕様
対応ソケット | INTEL:LGA115X / 1200 / 1700 / 1851 AMD:AM4 / AM5 | |
---|---|---|
TDP | 235W | |
外形寸法 | 120(W) × 148(H) × 70(D) mm(奥行きは付属ファン含む) | |
重量 | 552 g(付属ファン含む) | |
ファン | 外形寸法 | 120 × 120 × 厚さ25 mm |
回転数 | 500 ~ 2200 ± 10% rpm(PWM) | |
風量(最大) | 73.32 CFM | |
静圧(最大) | 3.28 mmH2O | |
ノイズ(最大) | 34.9 dB(A) | |
電圧 / 電流 / 消費電力 | 12V DC / 0.2 A / 2.4 W | |
軸受け | Hydraulic Bearing | |
コネクタ | PWM 4ピン | |
保証 | 2年 |

CPS RT400-BKでRyzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265Fを冷やせる?

「CPS RT400-BKでRyzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265Fを冷やせる?」
結論から言えば、十分冷やし切れます。
特にゲームにおいてはCPU使用率がCINEBENCHなどに比べて大人しいこともあり、驚くほど冷やしてくれます。
Ryzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265Fを使ってて、用途がゲームであれば、「CPS RT400-BK」で必要十分だと断言できます。
CPS RT400-BKの外観をチェック

「CPS RT400-BK」のパッケージです。色は灰色一色となっていますが、ワンポイントでCPSのイメージカラーであるオレンジがあしらわれています。

ヒートシンクの奥行は約45mmなので、スッキリとした印象です。そのおかげなのか、ヒートシンクよりファンの方が存在感を発揮しています。また全高も148mmと高さは抑えられています。

フィンパンチングとフィンクリッピングにより側面からのエアの漏れを防止します。それによってエアフローの向上と騒音軽減という効果をもたらします。

三角形をモチーフとしたデザインとなっています。これはCPSブランドおなじみの「トライフォースデザイン」です。

メモリスロットとの干渉を防ぐため、受熱ベースプレートが中心がずれている、「オフセットデザイン」が採用されています。

トップパネルです。中央にはCPSのロゴが装飾されています。また、ヒートパイプがトップパネルを貫通しています。

CPUと接触する受熱ベースプレートです。ヒートパイプがCPUに直接触れるダイレクトタッチ式が採用されています。

受熱ベースプレート上には、「メタルバー」が装着済みです。リテンションシステムには、「スプリングスクリュー+ブリッジ方式」が採用されています。

ヒートパイプの数は4本です。次世代ヒートパイプが採用されており、平置き / 縦置き等の設置方向に関係なく、冷却パフォーマンスを最大限発揮できます。


ファンは風量と静圧のバランスを最適化させたものが採用されています。ファンブレード設計により強力なエアフローを実現します。
スペックは以下の通りです。
- サイズ:120 × 120 × 厚さ25 mm
- 回転数:500 ~ 2200 ± 10% rpm(PWM)
- 風量(最大):73.32 CFM
- 静圧(最大):3.28 mmH2O
- ノイズ(最大):34.9 dB(A)

ファンをヒートシンクに取り付ける際、ファンクリップをヒートシンクにひっかけます。ファンクリップの素材はある程度、柔軟性があるため、固さはなく、むしろつけやすいです。
CPS RT400-BKの付属品をチェック







マザーボードへの搭載手順

今回はAMD B650チップセット対応のマザーボードの「ROG STRIX B650-A GAMING WIFI」を使用して、「CPS RT400-BK」の搭載手順を解説します。








AMDの場合、バックプレートはマザーボード付属のものを使用します。大きな違いはそれくらいで、搭載手順はインテルとAMDのマザーボードでほとんど違いはないです。
クリアランスの確認


高さも幅もあるオーバークロックメモリ、Kingstonの「 FURY Renegade DDR5 RGB メモリ」を使って、メモリ周りのクリアランスをチェックします。ヒートシンクが後方にオフセットされるおかげでメモリへの物理的干渉は起こりません。


マザーボードのヒートシンクとの物理的干渉は起こりませんでした。
検証環境




検証環境 | AMD環境 | インテル環境 |
---|---|---|
CPU | Ryzen 7 9800X3D | Core Ultra 7 265F |
CPUグリス | GS-04A | |
ビデオカード | GG-RTX5060-E8GB/LE/DF | |
マザーボード | ROG STRIX B650-A GAMING WIFI | Z890AX-E PRO |
メモリ | FURY Renegade DDR5 RGB メモリ(16GB×2) | |
SSD | WD_BLACK SN770 NVMe 1TB | |
電源ユニット | MAG A850GL PCIE5 | |
PCケース | SMZ-2WBT-ATX | |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
ここからは「CPS RT400-BK」をPCに組み込み、冷却性能を検証していきます。


テスト用のCPUには、Ryzen 7 9800X3DとCore Ultra 7 265Fを用意します。
Ryzen 7 9800X3Dは、標準(PPT 162W)、Core Ultra 7 265FはIntel Default Setting(PL1 65W、PL2 182W)に設定しています。
ストレステストには、「CINEBENCH R23(マルチ):10 minutes」、「FF14黄金レガシーベンチマーク(フルHD、最高設定)」を使用し、CPU温度はHWiNFO64v8.26で計測します。


また、騒音はCPUクーラーから約20cmの距離にデジタル騒音計(FieldNew FN029A)を設置して計測します。
部屋の温度は27℃です。


比較対象として、「MUGEN6 BLACK EDITION」を用意しました。12cmファンが2基ついている大型の空冷クーラーです。


CPS RT400-BKの冷却性能をチェック
Ryzen 7 9800X3Dの冷却性能テスト


「CINEBENCH 23(マルチ):10 minutes」実行中のRyzen 7 9800X3DのCPU温度を計測しました。
「CPS RT400-BK」、「MUGEN 6 BLACK EDITION」ともに許容最大温度の95℃に張りついています。


ただし、スコアーは若干ですが、「MUGEN 6 BLACK EDITION」のほうが「CPS RT400-BK」に対して、200ほど上回っています。


続いて、「FF14黄金レガシーベンチマーク(フルHD、最高設定)」です。
乱高下していますが、「CPS RT400-BK」はおおむね、50℃~70℃を推移しています。
2~5℃ほど、「MUGEN 6 BLACK EDITION」の温度が低いですが、「CPS RT400-BK」と「MUGEN 6 BLACK EDITION」で差はほとんどないと言えます。
Core Ultra 7 265Fの冷却性能テスト


「CPS RT400-BK」はおおむね、60℃前後を推移しています。
「CPS RT400-BK」、「MUGEN 6 BLACK EDITION」で差はほとんどなく、2~3℃ほど、「MUGEN 6 BLACK EDITION」の温度が低いです。


若干、スコアーはMUGEN6 BLACK EDITIONのほうが高いですが、ほとんど誤差の範囲内と言えます。


乱高下していますが、「CPS RT400-BK」はおおむね、50℃~60℃を推移しています。
2~5℃ほど、「MUGEN 6 BLACK EDITION」の温度が低いですが、「CPS RT400-BK」と「MUGEN 6 BLACK EDITION」で差はほとんどないと言えます。
CPS RT400-BKの騒音をチェック


CINEBENCH R23(マルチ)実行時の騒音です。
「CPS RT400-BK」の騒音は48.7でした。「MUGEN6 BLACK EDITION」と比べると約3dBA高く、明らかに「CPS RT400-BK」の方がうるさかったです。



「MUGEN6 BLACK EDITION」はファン2基分の騒音です。それにも関わらず、「CPS RT400-BK」より静かだったのは驚きでした。


「CPS RT400-BK」のファン回転数(rpm)は公表値の最大回転数の2,200rpmまで上昇しています。「MUGEN6 BLACK EDITION」は1,900rpmなので、「CPS RT400-BK」のファンはより多く回転します。
CPS RT400-BKのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
価格の割に質感は高い 冷却性能は優秀 取り付け方法は簡単 オフセットデザインによりメモリへの物理的干渉はなし ドライバーが付属 高さは148mmなのでPCケースに収めやすい コスパは優秀 | 高負荷時の騒音はうるさい |
まとめ
「CPS RT400-BK」は、Ryzen 7 9800X3DやCore Ultra 7 265Fを十分に冷却できる性能を持っており、それでいて価格が抑えられている、いわゆるコスパの高いCPUクーラーです。
取り付けも簡単で、付属のマニュアルを見ながらスムーズに作業が進められる点も大きな魅力です。
安いCPUクーラーを探しているのなら、「CPS RT400-BK」は最良の選択肢の一つと言えます。
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