HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルをレビュー!Ryzen 7 8700Gのゲーム性能を徹底検証

「高性能なデスクトップパソコンを探しているけれど、できるだけ省スペースで、グラボなしでもゲームがしたい。」
そんなあなたにぴったりなのが、HPの「OmniDesk(AMD)アドバンスモデル」です。
今回は、このモデルに搭載されている注目のAPU「Ryzen 7 8700G」の実力を、ゲーム性能を中心に徹底レビューします。!
果たして本当に“グラボなし”でゲームは楽しめるのか?気になるその答えを、わかりやすくご紹介します!
HP OmniDesk M02-0010jp シリーズの仕様
モデル | アドバンスモデル | モデレートモデル |
---|---|---|
CPU | Ryzen 7 8700G | Ryzen 5 8500G |
GPU | AMD Radeon 780M グラフィックス (プロセッサーに内蔵) | AMD Radeon 740M グラフィックス (プロセッサーに内蔵) |
CPUクーラー | 空冷クーラー | |
マザーボード | AMD B650 チップセット | |
メモリ | 32GB (16GB×2) DDR5-5600MHz | 16GB (8GB×2) DDR5-5600MHz |
ストレージ | 1TB M.2 SSD (PCIe Gen 4×4 NVMe) | |
ネットワーク | Wi-Fi 6対応 (IEEE 802.11ax) 、 Bluetooth 5.4、有線LAN(1Gb) | |
電源ユニット | 280W、80PLUS Platinum 相当 | |
OS | Windows 11 Home | |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 約 155 × 315 × 337 mm | |
標準保証 | 1年 | |
参考価格 | 124,900円(税込) | 94,800円(税込) |
CPUとGPUの細かな情報を知りたい方は下記を参照してください。


HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルの外観

フロントパネルです。フロントパネルはヘアライン加工されており、独特の質感が生まれています。

バックパネルです。

左側面です。完全に密閉されています。

右側面です。下半分はメッシュとなっており、新鮮な空気を取り込みます。

トップパネルです。インターフェースはフロントに配置されているため、特に何もなく、さらに密閉状態です。

底面です。底面にはゴム脚のみで、トップパネルと同じく密閉状態です。

サイズは幅155mm、奥行315mm、高さ337mmです。2Lのペットボトルと並べても、大きさにそこまで大きな違いはありません。
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルのインターフェース

前面のインターフェースは、下記の通りです。
- 電源スイッチ×1
- ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート×1
- USB Type-C 10Gbps ×1
- USB Type-C 5Gbps ×1
- USB Type-A 10Gbps ×2
- USB Type-A 5Gbps ×2

背面のインターフェースは、下記の通りです。
- ライン出力×1
- ライン入力×1
- マイク入力×1
- HDMI ×1
- Displayport ×1
- USB 2.0 x 4
- イーサネットコネクター×1
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルの付属品

冊子は以下の4種類があります。
- コンピューターの準備×1
- サポートガイド×1
- HP Service & Support×1
- 保証書×1

ワイヤレスマウスです。

ワイヤレスキーボードです。
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルの内部構造

左サイドパネルを外すと、内部にアクセスできます。
マザーボード

マザーボードはAMD B650 チップセット搭載のHP特注のものが搭載されています。市販されているマザーボードと異なり、横に長いです。

CPU-Zで確認したところ、マザーボードの型番は8D32でした。
CPUクーラー

CPUクーラーはトップフロー型のものを搭載しています。ダクトがCPUクーラーと直結しており、熱が背面に排出されるようになっているので、PCケース内に熱がこもらないようになっています。
メモリ

メモリは16GBモジュールのDDR5-5600のものが2本構成(32GB)で組み込まれています。メモリスロットは2基のみなので、増設はできません。

CPU-Zで確認したところ、メモリーはSamsung製でした。
ストレージ

ストレージは外観から確認できず、おそらく赤枠に囲っている箇所に搭載されています。PCIe 4.0×4に対応した1TBのNVMe SSDが搭載されています。

Crystal Disk Infoで調べたところ、SAMSUNG製の「MZVL81T0HELB-00BH1」が搭載されています。
Wi-Fiカード

Wi-Fi 6対応 (IEEE 802.11ax) 、 Bluetooth 5.4に対応したWi-Fiカードが搭載されています。
電源

電源は80PLUS Platinum、280Wの容量のものが搭載されています。
ケースファン

ケースファンはついていません。グラボを搭載していないモデルなので、熱もほとんど発生しないので、あえてケースファンをつけていないのだと考えられます。
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルの拡張性

拡張スロットは以下の通りです。
- PCI Express Gen4 x16 ×1スロット→1 (空1)
- PCI Express Gen3 x1 ×1スロット→ 1(空1)
- M.2 x2スロット→1 (空0)
- SATAポート→1 (空1)

PCI Express Gen4 x16 スロットに空きがあり、さらに長さもビデオカードも長さ28cmくらいなら収まりそうなので、ビデオカードの増設は可能です。ただし、電源容量280Wなので、搭載できたとしてもエントリークラスのものに限ります。

M.2 SSDのスロットに空きはありませんが、SATAポートが1基あるので、SATA SSDなどは増設可能です。
また、もしM.2 SSDを増設したい場合、PCI Express Gen4 x16に空きがあるので、M.2 SSD拡張カードを使えば、増設可能です。

HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルの性能
CINEBENCH 2024

レンダリングをおこない、CPUの性能を計測する「CINEBCNH 2024」です。
Ryzen 7 8700Gのマルチスコア、シングルスコアはRyzen 7 7800X3Dとほぼ同等です。
旧世代のRyzen 5 5600Gと比べて、マルチスコア、シングルスコアともに、大幅に伸びています。
3D Mark

GPUの3Dグラフィックスの性能を測定できる3DMarkです。今回は、Fire StrikeとNight Raidの2種類のベンチをテスト。比較対象はRyzen 5 5600Gです。
Ryzen 7 8700GのスコアはRyzen 5 5600Gに比べてほぼ2倍ちかく、スコアを伸ばしています。
Crystal Disk Mark

Gen4 SSDとしてトップクラスの性能というわけではありませんが、必要十分な性能は出ています。SATA SSDが550MB/s、Gen3 SSDが2,000~3000MB/sなので、それらと比べると圧倒的に転送速度は速いです。
静音性

騒音計(FieldNew デジタル騒音計)を使用して、FF14ベンチマーク実行中の騒音を調べました。
43dBA前後と、若干音が気になるレベルでした。ケースファンがついていないので、騒音の発生源は純粋にCPUクーラーのファンの音だけです。
騒音の目安は下記の通りです。
騒音の目安 | |
---|---|
50dBA以上 | 掃除機並みにうるさく、ヘッドホンがないと耐えられない |
40dBA~50dBA | PC本体から離れてても、騒音が気になり始める |
30~40dBA | 耳をPC本体に近づけると、騒音が若干聞こえる |
30dBA以下 | ほぼ無音 |
冷却性能
CPU温度

「CINEBENCH 2024:Minimum Test Duration:10 minutes」を実行して、CPU温度の推移をチェックします。CPU温度はおおむね90℃前後を推移といった感じです。
決して温度は低くないですが、特にサーマルスロットを起こしている感じはなく、問題はありません。
SSD温度

「Crystal Disk Mark」を実行して、SSD温度の推移をチェックします。SSDの温度はセンサーは3つあり、ディスク温度、ディスク温度3が全く同じ温度を示していたので、ここではディスク温度3を除外しています。
ディスク温度に関してはおおむね60℃前後を推移といった感じですが、ディスク温度2に関しては100℃を超えてしまいました。
VRM温度

「CINEBENCH 2024」を実行して、マザーボードのVRM温度をサーモグラフィーカメラでチェックします。
VRM温度はおおむね40℃~50℃前半を保っています。負荷をかけてもVRAMはほとんど発熱していません。
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルの消費電力

ワットチェッカー(BTWATCH2)を使用して、FF14ベンチマーク(フルHD標準設定)実行中のシステム全体の消費電力を調べました。
高負荷時でもおおむね100W前後を推移しています。電源は280Wですが容量は十分足りています。
ゲームのフレームレート

Ryzen 5 5600Gと比較して、ゲーム性能を検証します。
Cyberpunk 2077


・画質:低
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSRパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測


「Cyberpunk 2077」です。
Ryzen 7 7800Gの平均fpsは87で、平均60fpsを超えるので快適に遊ぶことが可能です。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは97%上回っています。
Marvel Rivals


・画質:低
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測


「Marvel Rivals」です。
Ryzen 7 7800Gの平均fpsは66で、平均60fpsをギリギリ超えます。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは61%上回っています。
FFXIV: 黄金のレガシー


・画質:標準
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSR
・3Dグラフィックス解像度スケール:50
・適用するフレームレートのしきい値:常に適用
※ベンチマークソフトで計測


「FFXIV: 黄金のレガシー」です。
Ryzen 7 7800Gの平均fpsは61で、平均60fpsをギリギリ超えます。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは49%上回っています。
Stellar Blade


・画質:低い
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSRハイパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ステージ序盤で1分間走ってフレームレートを計測


「Stellar Blade」です。
Ryzen 7 7800Gの平均fpsは87で、平均60fpsを超えるので快適に遊ぶことが可能です。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは73%上回っています。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege X


・画質:低
・解像度:フルHD
※ベンチマークモードで計測


「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege X」です。
Ryzen 7 7800Gの平均fpsは87で、平均60fpsを超えるので快適に遊ぶことが可能です。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは82%上回っています。
Ghost of Tsushima


・画質:非常に低い
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※貴市の集落から豆酘平原に至る道を馬で1分間駆け抜けてるときのフレームレートを計測


「Ghost of Tsushima」です。
Ryzen 7 7800Gの平均fpsは65で、平均60fpsをギリギリ超えます。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは86%上回っています。
Call of Duty: Modern Warfare III


・画質:最低
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測


Ryzen 7 7800Gの平均fpsは101で、平均60fpsを超えるので快適に遊ぶことが可能です。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは62%上回っています。
F1 25


・画質:超低
・解像度:フルHD
・アップスケーリング:FSRウルトラパフォーマンス
・フレーム生成:オン
※ベンチマークモードで計測


Ryzen 7 7800Gの平均fpsは76で、平均60fpsを超えるので快適に遊ぶことが可能です。Ryzen 5 5600Gと比較すると、平均fpsは53%上回っています。



Ryzen 7 7800Gのゲーム性能は内蔵GPUとして考えると、ゲーム性能はかなり高いです。フルHD、低設定という条件付きですが、大抵のゲームであれば、平均60fpsを超える印象です。
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
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コンパクト 内蔵GPUの性能が高い フルHDゲームがプレー可 騒音が小さい 高負荷の状況でも各パーツはきちんと冷却できている Wi-Fi 6、 Bluetooth 5.4に対応 内部に熱がこもらないように設計 メモリ32GBを搭載 PCケースなど、各パーツの質感が高い ビデオカード非搭載なので消費電力が低い メモリ32GB搭載 | 高負荷時の騒音が若干うるさい 高負荷時のSSDの温度が高い 拡張性に乏しい |
まとめ
HP OmniDesk(AMD)アドバンスモデルは、「Ryzen 7 8700G」という高性能APUの力を最大限に活かしたオールインワンPCです。
ゲーム性能、日常使い、ビジネス用途、すべてのシーンでバランスの取れた性能を発揮し、まさに「万能型パソコン」として活躍します。
特に、カジュアルゲーミングやオフィス作業を快適にこなしたい方には理想的な1台であり、価格とのバランスも秀逸。
初めてPCを購入する方にも、買い替えを検討している方にも、自信を持っておすすめできるモデルです。
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