RTX 4060 Tiをレビュー!RTX 3060 Tiと比較。どちらがおすすめ?【ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING】
RTX 3060 Tiの後継、ミドルレンジのRTX 4060 Tiが2023年5月24日 22:00より販売が開始されました。
先代モデルのRTX 3060 Tiが未だ販売されている状況なので、どちらを購入すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか?
今回はASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMINGを使用して、RTX 3060Tiと性能を比較して、RTX 4060 Tiを検証したいと思います。
本記事はASUSより製品をお借りして記事を作成しています。
RTX 4060 TiとRTX 3060 Tiの仕様を比較
RTX 4060 Ti | RTX 3060 Ti | |
アーキテクチャー | Ada Lovelace | Ampere |
製造プロセス | TSMC 4N | Samsung 8nm カスタム |
シェーダー数(CUDAコア数) | 4352 | 4864 |
RTコア数 | 34(第3世代) | 38(第2世代) |
Tensorコア数 | 136(第4世代) | 152(第3世代) |
ベースクロック | 2,310MHz | 1,410MHz |
ブーストクロック | 2,535MHz | 1,665MHz |
VRAM容量 | 8GB(GDDR6)/ 16GB(GDDR6) | 8GB(GDDR6) |
メモリー転送レート | 18Gbps | 14Gbps |
メモリバス幅 | 128bit | 256bit |
メモリバス帯域幅 | 288GB/s | 448GB/s |
PCI-Express | Pcie 4.0 ×8 | Pcie 4.0 ×16 |
補助電源 | 8pin×1 | 8pin×1 |
L2キャッシュ | 32MB | 4MB |
消費電力(TGP) | 160W | 200W |
NVENC | 第8世代 | 第7世代 |
AV1 | エンコード / デコード | デコード |
超解像度技術 | DLSS3 | DLSS2 |
発売日 | 2023年5月 | 2020年12月 |
上記の表はRTX 4060 TiとRTX 3060のスペックの比較です。
RTX 4060 Tiのシェーダー数は4352、メモリバス幅は128bit、メモリバス帯域幅が288GB/sと、先代モデルのRTX 3060 Tiと比較して、スペックダウンしています。
ただし、L2キャッシュが32MBと大容量化され、実帯域幅は554GB/sに達します。VRAMへのアクセス頻度が減らせるので、消費電力(TGP)は160Wと省電力化されています。
RTコア、Tensorコア、NVENCはともに世代が新しくなっています。
そして、超解像技術はDLSS3に対応しました。AIを使ってフレーム生成を行うことで、DLSS2に比べると、劇的にフレームレートを引き上げることが可能になります。ただし、この機能が使えるのは、DLSS3に対応するゲームに限られます。
また、AV1エンコードにも対応しています。AV1を使うことで、約40%のエンコーディング効率が向上し、低ビットレートで配信した場合でも高品質な配信が可能となります。ただし、RTX 4060 Tiに搭載されるAV1は1基のみなので、デュアルエンコーダーには対応していません。
ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMINGの外観をチェック
<パソコン工房
カード厚は2スロットに収まりません。3スロットを占有します。
- コレクションカード × 1
- スピードセットアップマニュアル × 1
- サンキューカード × 1
- TUF ベルクロ × 1
- TUF グラフィックカードホルダー × 1
- TUF ゲーミング証明書 × 1
RTX 4060 Tiの性能をチェック。比較対象はRTX 3060 Ti。
ここからは、「ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING」を実際にパソコンに組み込み、RTX 4060 Tiの性能をチェックします。比較対象として、RTX 3060 Tiを用意しました。
テスト機材 | |
---|---|
CPU | Core i7-12700 |
CPUクーラー | ASUS 「TUF GAMING LC 240 ARGB J」 |
マザーボード | ASUS 「TUF GAMING Z790-PLUS WIFI D4」 |
メモリ | Crucial 「CT2K16G4DFRA32A」(DDR4-3200 / 16GB×2) |
グラフィックカード | ASUS 「TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING」、「RTX 3060 Ti」 |
ストレージ | Crucial 「P3 Plus 500GB」、Kingston 「SNV2S 2TB」 |
電源ユニット | ASUS 「TUF-GAMING-750G」 |
OS | Windows 11 Home 64bit版 |
Nvidia ドライババージョン | 535.98 |
テスト用PCのCPUには、インテル第12世代Intel CoreプロセッサのCore i7-12700を使用。最新の第13世代のCore i7ではないが、ミドルクラス帯のグラフィックカードとの組み合わせであれば、力不足を感じることはないと思います。
GPU-Zで各種情報を取得。パワーリミットは最高200Wに設定されていました。
GPUクロックは最高で2730Mhzまで上昇。OC版なので、標準的なモデルと比べるとクロックは高めです。
ユーティリティーソフト、「GPU Tweak III」でオーバークロックの設定が可能。今回の検証ではデフォルトモードを選択します。
一般的なゲームパフォーマンスを比較
3D Mark:Fire Strike
APIにDirect X11を使用する3Dベンチマーク「Fire Strike」です。
プリセットは「Fire Strike」、「Fire Strike Extreme」、「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っています。
フルHD解像度の「Fire Strike」は約16%、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」は約13%、4K解像度の「Fire Strike Ultra」は約5%上回りました。
3D Mark:Time Spy
APIにDirect X12を使用する3Dベンチマーク「Time Spy」です。
プリセットは「Time Spy」、「Time Spy Extreme」の2種類全てで計測を行っています。
WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」は約17%、4K解像度の「Fire Strike Ultra」は約13%上回りました。
3D Mark:Speed Way
APIにDirect X12 Ultimateを使用する3Dベンチマーク「Speed Way」です。
RTX 3060 Tiと比較すると、約13%上回りました。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ
ここからは実際のゲームの平均FPSを記録し、ゲームパフォーマンスを見ていきます。
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約9%、WQHD解像度では約5%上回りましたが、4K解像度では逆転されています。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約9%、WQHD解像度では約7%、4K解像度では約6%上回りました。
ASSASSINS CREED VALHALLA
「ASSASSINS CREED VALHALLA」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約13%、WQHD解像度では約13%、4K解像度では約2%上回りました。
Shadow of the Tomb Raider
「Shadow of the Tomb Raider」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約17%、WQHD解像度では約15%、4K解像度では約5%上回りました。
Watch Dogs Legion
「Watch Dogs Legion」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最大で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約12%、WQHD解像度では約11%、4K解像度では約10%上回りました。
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege
「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約1%、WQHD解像度では約14%、4K解像度では約14%上回りました。
BLUE PROTOCOL
「BLUE PROTOCOL」ベンチマークです。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約15%、WQHD解像度では約13%、4K解像度では約7%上回りました。
Cyberpunk 2077
「Cyberpunk 2077」ベンチマークです。
グラフィックス設定はウルトラで、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約12%、WQHD解像度では約10%、4K解像度では約3%上回りました。
Forza Horizon 5
「Forza Horizon 5」ベンチマークです。
グラフィックス設定はエクストリームで、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約13%、WQHD解像度では約13%、4K解像度では約12%上回りました。
Fortnite
「Fortnite」です。ベンチマークモードはありませんが、NVIDIAが用意したベンチマークテスト「TILTED TOWERS BENCHMARK」を使用します。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約10%、WQHD解像度では約12%、4K解像度では約5%上回りました。
Apex Legends
「Apex Legends」です。ベンチマークモードがないので、射撃演習場のジップライン移動中の平均FPSを計測します。
グラフィックス設定は最高で、解像度は「フルHD」、「WQHD」、「4K」の3種類全てで計測を行っています。
RTX 3060 Tiと比較すると、フルHD解像度では約8%、WQHD解像度では約14%、4K解像度では約11%上回りました。
リアルレイトレーシング・DLSSのゲームパフォーマンスを比較
3D Mark:Port Royal
レイトレーシングの性能を測る、3Dベンチマーク「Port Royal」です。
RTX 3060 Tiと比較すると、約18%上回りました。
3D Mark:NVIDIA DLSS feature test
超解像度技術のDLSSの性能を測る、3Dベンチマーク「NVIDIA DLSS feature test」です。
RTX 4060 Tiでは解像度を4Kに、DLSS versionをDLSS3に、RTX 3060 Tiでは解像度を4Kに、DLSS versionをDLSS 2に設定しています。
RTX 3060 Tiと比較すると、約36%上回りました。
Cyberpunk 2077
「Cyberpunk 2077」ベンチマークです。
グラフィックス設定はウルトラで、解像度は「WQHD」で計測を行っています。
RTX 4060 TiではDLSSをパフォーマンス、DLSS versionをDLSS3に、RTX 3060 TiではDLSSをパフォーマンス、DLSS versionをDLSS 2に設定しています。
RTX 3060 Tiと比較すると、約40%上回りました。
「フルHD」ではRTX 3060 Tiと差を広げることができますが、解像度が上がれば上がるほど、その差は縮まる傾向があります。高解像度では巨大なL2キャッシュでもカバー出来ず、メモリ帯域の狭さが足を引っ張っている印象です。ただ、DLSS 3の効果は絶大です。DLSS 3対応ゲームであれば、RTX 3060 Tiを遥かに上回るゲームパフォーマンスを発揮します。
ゲーム配信時のゲームパフォーマンスを比較
ゲーム配信ソフトの「Twitch Studio」を使って、ゲームの配信性能を比較します。設定は上記の画面の通りです。
解像度「フルHD」、グラフィックス設定「最高」に設定した、BLUE PROTOCOLのベンチマークモードをtwitch studioで配信して、平均FPSを計測します。
FPSの下落率はRTX 4060 Tiが約12%、RTX 3060 Tiが約10%でした。どちらもコマ落ちは確認できませんでした。
OBSであれば、結果は異なるかもしれません。というのも「Twitch Studio」はまだまだ発展途上の配信ソフトだからです。AV1にも未対応です。
クリエイティブ性能を比較
PCMARK 10
「PCMark10」は、アプリケーション実行における総合的なパフォーマンスを計測するベンチマークです。
パソコンの基本性能を計測する「Essentials」、ビジネスアプリケーションの処理性能を計測する「Productivity」、コンテンツ制作に関わる性能を計測する「Digital Content Creation」の3つのテストで構成されています。
RTX 3060 Tiと比較すると、Essentialsでは差はほとんどなし、Productivityでは約12%、Digital Content Creationでは約5%、総合スコアでは約6%上回りました。
Blenderベンチマーク
Blender ベンチマークはGPUレンダリングの性能を測るベンチマークソフトです。
「monster」、「junkshop」、「classroom」の3つのテストで構成されています。
RTX 3060 Tiと比較すると、monsterでは約31%、junkshopでは約10%、classroomでは約28%上回りました。
Stable Diffusion
Stable Diffusionは画像生成AIの定番ソフトです。今回は512×512のアスカの画像を10枚生成する、ハローアスカベンチで、生成時間を測ります。
RTX 3060 Tiと比較すると、約5秒早く処理が完了しました。
動画エンコード
動画編集ソフトの「power directer 18」を使って、XAVCS形式の2GBの動画素材の書き出し時間を測ります。
RTX 3060 Tiと比較すると、H264では書き出し時間は同じでしたが、H265では23秒早く書き出しが完了しました。
消費電力を比較
10分間何も操作しない、アイドル時と、「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行中の高負荷時の消費電力を測ります。
ワットチェッカーを使用し、一定時間安定した数値を参考にしています。
RTX 3060 Tiと比較すると、高負荷時では約50Wほど低いです。
ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMINGのファンクーラーの性能をチェック
最後に「ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING」のファンの性能をチェックします。「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行中のGPU温度、ファンの回転数、騒音を計ります。
GPU温度は最高69.4℃、Hot Spot温度も最高81.6℃まで上昇。冷却性能にはまだまだ余裕がありそうです。
サーモグラフィーカメラで温度分布を視覚化します。左から数えて、1つめ、2つめのファンのヒートシンクは30℃後半まで上昇しています。ただ、3つめのファンのヒートシンクは30℃前半でほとんど発熱していません。温度分布からも冷却性能に余裕があることが確認できました。
ファンの回転数は最高2189回転、ファンの回転率は最高64%まで上昇。しかし、そのあとはなだらかに回転数、回転率は下降。ファンの回転数は1400前後、ファンの回転率は40%前後で安定します。
ファンから約20cm離れたところで騒音計を使って計測を行いました。最高で38dBAで、ベンチ台でありながら風切り音もほとんどせず、静かでした。もしPCケースに収めた場合、音はさらに気にならなくなります。
RTX 4060 Tiのレビューまとめ
RTX 4060 Ti搭載おすすめゲーミングPC
RTX 3060 Ti搭載おすすめゲーミングPC
mouse MH-I5G6T
スペック | |
---|---|
CPU | Core i5-13400F |
GPU | RTX 3060 Ti |
メモリ | 16GB (8GB x2) |
ストレージ | 500GB M.2 NVMe SSD |
M.2スロット | 不明 |
マザーボード | B550 |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
価格 | 129,800円+送料0円 |
マウスコンピューターの「
「Core i5-13400F」はインテル第13世代のCore i5です。
Pコア6、Eコア4、合計10コア16スレッドというマルチスレッド性能が売りのCPUです。RTX 3060 Tiの性能をきっちり引き出してくれます。
CPU性能はそこまで高くないので、動画編集のソフトウェアエンコードなど、クリエイティブ性能は少し弱いです。
ストレージはNVMe SSDの500GBモデルを搭載。ゲームを複数インストールするつもりであれば、不安になる容量です。できれば1TBへの増設をおすすめします。
マザーボードはB760チップセットのマザーボードを採用。マザーボードの詳細は不明です。そのため、M.2スロットの空きスロットは不明です。
メモリはDDR5-4800の16GB(8GB×2)を搭載しています。Wi-Fi 6E+ Bluetooth 5の無線機能に対応しています。
PCケースはマットブラックを基調としたシンプルなデザインを採用しています。フロントパネルは、カスタマイズオプションとして、冷却性能の高いメッシュパネルに交換が可能です。
ケースの寸法は約170mm(幅)x約350mm(高さ)x約490mm(奥行)です。
メリット | デメリット |
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コスパは優秀 Wi-Fi 6E+ Bluetooth 5に対応 3年間センドバック修理保証・24時間×365日電話サポート | CPUのクリエイティブ性能は少し弱い ストレージは500GB マザーボードのM.2スロットの数など仕様が不明な点がある LEDやガラスパネルは採用されておらず、地味なデザイン |
まとめ
今回は「ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING」を使用して、RTX 4060 Tiの検証をしました。
メモリバス幅が狭いですが、大容量のL2キャッシュでカバーすることで、フルHD解像度ではRTX 3060 Tiを上回るゲームパフォーマンスを発揮します。また、ワットパフォーマンスもRTX 3060 Tiと比べて、大幅に改善しています。
フルHD解像度でのゲームを考えているのなら、現状ベストなグラフィックスカードといえます。
価格も発売後、急激に下がっていますので、もうしばらくすれば、さらに買いやすい価格になることが予想されます。
今回レビューした「ASUS TUF-RTX4060TI-O8G-GAMING」は、質感、冷却性能、静音性、デザイン、どれをとっても優秀でした。
もしRTX 4060 Tiの購入を考えているのなら、自信をもっておすすめできるモデルです。
<パソコン工房
動画はこちら↓。